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仕様より特長、特長よりメリット、メリットよりベネフィットが大事なのですが、さて、ベネフィットより大切なものはなんでしょう?
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[KID'S SIGNAL] キッズシグナル●第104号●2017年1月16日(月)
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〇〇さんいかがお過ごしですか。
寒くなって、とうとううちの娘(3歳)がインフルエンザにかかりました。
小児科のお医者様に連れていくと
「この時期、寒くなって来る患者言うたらインフルエンザばっかりや」
ということでした。
今年は特に大流行しているようですので、みなさまもお気を付けください。
僕も、ちょっと頭がふらつきます。
このメルマガを書き終えたら熱が出てるかもしれません。(笑)
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さて今日は少し前に書きました「喜び」について少し書いてみたいと思います。
書いてみるとけっこう長くなってしまったのですが、
今回の内容は、広告販促の「キモ」の勉強になるうえに、
しかもそれを「ラク」にできる、けっこう良い内容じゃないかな? と思います。
少々おつきあいしてもらえると助かります。
えー、まず、広告を考える上において伝えるべきことに、
仕様と特徴、そしてメリットとベネフィットと言う考え方があります。
これは広告表現を考えるにおいて、とても基本的な要素であり、
効率的な広告効果を考えるなら、まず押えておきたい必須項目です。
なので少していねいに解説をしてみましょう。
わかりやすく具体的な商品で説明していきましょう。
僕は自転車に乗るのが好きなので、自転車を例にすると良いかな?
自転車を広告するなら、まず最初にどんな自転車なのかを正しく把握していなければなりません。
ママチャリとスポーツタイプの自転車では、売りこむ相手も違いますし、
相手が違えば選ぶべきメディアや広告表現も大きく変わってきます。
なので、最初に把握すべきは「仕様」です。
重さはどのくらいなのか?
変速はついているのか? 何段変速なのか?
タイヤ径はどの程度のサイズなのか?
などなど、確認すべき項目はやまのようにあります。
この「仕様」も分からずに、広告を作るなんてことはありえません。
そして、この「仕様」を理解するためには、
「なぜ、この項目を仕様として標記しているのか?」
という理由がわかっていなければなりません。
たとえば自転車の車重は、走行のラクさ加減と直結します。
軽ければ軽いほど、ラクにスピードが出せます。
スポーツタイプだと軽いもので10kg〜12・3kgという軽量さですが、
ママチャリだとカゴは付けてるし、金属製の荷台や泥除けなども付けていて、
車重が20kg〜25kgにもなります。
なので、この「仕様=スペック」を把握もせずに広告制作をする、なんとことはありえないのです。
しかし、「仕様」を打ち出すだけでは広告とは呼べません。
その後に、「仕様」を基礎に置いたうえで、スペックを
「特長」「メリット」「ベネフィット」などに置き換えていかなければならないのです。
どういうことかというと、
●「タイヤ径が大きいという事はいったんスピードが出れば、
車体が安定して進むから長距離走行に向いている」
とか、
●「タイヤ径が小さいと初速を出すまでが早いから
信号の多い市街地での活用に最適」
とかいうことをキチンとおさえる、ということです。
このタイヤ径というスペックを「長距離向き」「市街地向き」に置き換えることが
「仕様→特長」の変換ということになります。
こういう「置き換え」こそが、広告やコンテンツを作る根幹部分なのですね。
広告制作のキモと言っても良いだろうと思います。
しかし、この「特長」も、実はお客さまの立場から見ると
「メリット」にはなっていないわけです。
この「特長」を「メリット」に置き換えるのであれば、
たとえば、タイヤ径の小さい自転車であれば、
●「お買い物など、日常の移動に最適です」
というお客さまの価値観にあわせた「メリット」表現
に言い換えていかねばなりません。
では、この「メリット表現」までくれば、それで商品が売れるか?
というと、モノがたくさんあふれている現在、そう簡単に売れることは
ないだろうと思います。
なぜなら、自転車でお買い物に出かけるなどというのは、
当たり前のことだからです。
つまり、それだけ競合他社がたくさんいてる、ということですね。
他の自転車と、大きな違いが生まれてこないのです。
そこで大切になってくるのが、「ベネフィット」です。
メリットが一般的な「良さ」「利点」であったとしたら、
「ベネフィット」は、個別具体的な「問題解決項目」や「生活(意識)の変化」を示す特長です。
(実は、ここをキチンと定義づけて正確に説明している人やサイトも少ないはずです。)
自転車で具体例を出すとするなら、
「毎日仕事で忙しく、子育てもあるが買い物にもでかけなければならない。
そんな時に気軽に使える自転車があれば、一日の時間を有効活用できます。
ショップまでの道のりに信号がふたつ以上あるなら、重い荷物を積んでの
急発進がラクに行えるタイヤ径の小さいものが最適。ふらつかずにスイスイ移動して
毎日のお買い物が楽しくなります。」
というようなところでしょう。
・忙しさを解決する
・一日を有効につかえる
・ふらふらしない
・生活が快適なものに変わる
というような「問題解決策」や「生活(意識)の変化」までをキチンと書くということですね。
これが「ベネフィット」を伝える、ということなのです。
「ベネフィット」までを伝えれば、すでに問題を抱えていたのに、
それに気づいていなかった人までもが「あ、いまの忙しさを、この自転車で解消できるかも?」
という気持ちにまでなる可能性が出てくるので、広告アプローチとしては重要だと
言われているわけです。
と、ここまでが、広告やマーケティングなどの基本的な基礎知識です。
でも僕は最近、こういう基礎的なことはキチンと押えたうえで、
もっともっと大切な事があるんじゃないかな?
という気持ちになってきているのです。
それは「お客さまの喜びはどこにあるのか?」という視点です。
「生活の変化」とか「問題の解決」と言っても、
ごく普通の日常にある出来事にしかすぎないと思うのです。
そうではなくて、生きている人間であれば、
誰だって生きているよろこびを感じているし、その喜びをもっと感じたいと
願っているはずだよな、ということです。
そこに意識をフォーカスした方が良いのではないか? と思っているのです。
だから、自転車で言えば、上記の「仕様」「特長」「メリット」「ベネフィット」は、
明らかにしたうえで、
●「この愛車である自転車を、見ているだけで楽しくなる」
というところまで、印象を良くすることが大切なのではないか?
ということを、とても強く思うのです。
たとえば、その自転車を作っている会社が、環境保全に積極的であるとか、
あるいは、自転車という「文化」を健康の維持促進の重要なツールとして
とらえてお客さまを啓蒙しているかどうか? というような事柄ですね。
そこまでひっくるめて、「よろこびを提供できているかどうか?」ということが
かなり大切なのではないか? と僕は考えています。
そして、ここが最重要の考え方なのですが、
●「よろこびを追求すれば、それ以前の項目は必然的に達成される」
ということなんです。
つまり「仕様→特長→メリット→ベネフィット」と、細部から積み上げて
広告やマーケティングを組み立てるのは時間も根気も必要で、
手間もとてもかかるのです。
でも、「お客さまによろこびを提供したい」と考えていれば、
スペックから一足飛びにベネフィットまで思いつきますし、
その過程で特長やメリットなども必然的に整理して解釈ができるように
なるはずなのです。
それはとても効率的な「考え方」のはずです。
そして、「よろこび」という考え方が、もうひとつ優れているのは、
●「よろこびを提供したい」と考える事が提供する側の「よろこび」である
という事です。
つまり、僕が「商品の<よろこび>を発見する」ことが仕事であれば、
実は、その発見する作業そのものが「よろこび」になるんですね。
よろこびは、よろこびの連鎖を生みます。
そこがすごく良いと思うのです。
仕様書をていねいに読むという作業も
「お客さまにより良いベネフィットを提供したい」という気持ちで読んでいれば、
読む作業自体が「よろこび」になります。
この「よろこびの連鎖」を意識していないと、
結局マーケティングのさまざまな施策や考え方も、
「どこまで行っても金儲けの道具」にしかならないわけです。
「よろこび」を意識していれば、つねに必ずうまくいくとは
限りませんが、
少なくとも「お客さまにメリットとなることを提供しようとして、
失敗して逆効果」になることは、かなり事前に防げるだろうと
思うわけです。
ということで、私が年初に書いた「喜びを広げたい」という想いには、
こういう背景がある、ということをお知らせしたくて、
ちょっと書いてみました。
ではでは、また次回。
[了]------(2017.1.16 旧暦:師走十九日)
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