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「慣用句を使って文章を考えてみよう」という夏休みの宿題を思い出せば、「スピードを上げればブラインドタッチになる」という考え方自体が無意味だということが分かるはず。

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[KID'S SIGNAL] キッズシグナル●第1071号●2024年7月21日(日)
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で、いろいろな人をフォローしようかと思って、

「文具」

だとか、

「ブラインドタッチ」

だとかで検索をかけてみたりしてるのですが、やはり世間の多くの人は、ブラインドタッチが一切できないか、がんばっているけどなかなか身に付かないと言っている人がほとんどだと分かりました。

そして「身に付かない」と言っている人たちの多くが、

●ブラインドタッチを身に付けるためには、入力のスピードアップが必要。
●入力スピードをあげれば、ブラインドタッチになれる

という、かなり勘違いの激しい、間違った練習法を口にしていてたんですね。
この考え方は、根本から完全に間違いなんですけど、ものすごく世間に流通してるんですよね。

このスピード重視の考え方が根本から間違っている、ということを理解するためには、

●そもそも文章を考えるにのは、とても時間がかかる

ということを思い出さねばなりません。

というのも、夏休みがはじまりまして、うちの小学校五年生の娘が国語の宿題をやりながら、

「急がば回れを使った例文って、何があるかな?」

と聞いてきたわけです。
これ、やってみると分かるんですけど、けっこう難しい課題です。

「うん? 急がば回れ? うーん。えーっとなぁ…」と、かなり時間をかけて、単語を何種類も思い浮かべたり、その単語の出てくる順番を入れ替えたりして、やっと、

●急がば回れで、去年のドリルをやり直した。

という答えをひねり出しました。
つまり、文章を書くには、単語を思い出したり、順番を変えたり、「てにをは」を検討したりする、という工程自体に、そもそも時間がかかる、ということなんですね。
これは、つまりは、前々から書いているように、

●考える速度より速く入力できても意味がない

ということを表します。
文章を書くためには、そもそも

●入力スピードを上げる

ということより

●正確な単語の入力、順番替え、てにをはの検討

の方が、はるかに重要だ、ということがわかるはずです。

で、こういうことをする時に、最も重要なのは、

●(文章を考えるために)画面に描かれた文章をずっと見続ける

ということなんですね。ですから、文章をキーボードで入力するには、

●ゆっくりとしたスピードでもいいから、一切キーボードを見ずに正確に単語を入力する

ということを最優先にすべきなんです。
で、この「ゆっくりさ」というのは、生半可なゆっくりさではありません。
たとえば「A」を押すなら、ホームポジションに指を置いて、「A」の文字を思い浮かべ、
自分のどの指が「A」の上になっているのかをキーボードを見ずに思い出し、おそるおそるでいいから、そっと「この指かな?」と試しに指を動かしてみる、ということをします。

これだけで普通は二秒や三秒はかかるものです。

しかし、これが一度できれば、もう「A」を押すのに「おそるおそる」はなくなって「左小指よこの時にね」と分かってサッと押せるようになるわけです。

この時に大切なのは、「サッと押せるようになった時」のスピードではなくて、「おそるおそる、これかな? と二三秒かけて動かした、指の動き」自体なわけです。

この「指の動き」さえ、正確に覚えられれば、スピードなんて勝手に早くなるので、そんなものを学習の指標になんかしないわけです。

実際、僕自身、一切キーボードを見ずにこの文章を書いていますが、「入力スピード」なんて気にしたこともありません。

だってそんなことは、


●どーーーーーーーーーーーーーーーーーーでもいい


ことだからです。
そんなことより大切なのは、

●ゆっくりとしたスピードでもいいから、一切キーボードを見ずに正確に単語を入力する

ことなんですよね。

この事実を、本当に知らない人にはお伝えしたいと思うのです。

ということで、今日のメルマガは、ここまで。
ではまた明日。


--------------[KID'S SIGNAL No.1071 -了-]---------------


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