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ピコ太郎は「お笑い芸人」じゃなくて「お楽しみ芸人」だと思います。
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[KID'S SIGNAL]  キッズシグナル●第108号●2017年1月31日(火)
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%name_sei%さん、いかがおすごしですか?


読者の方から、「メルマガのタイトル、携帯だとメルマガ名とかばっかりで内容がわからん」
という声をいただきました。


なので、ちょっとタイトルを変えてみました。
今後も、このスタイルで行くかも知れません。


さて、今回は「流行(はやり)」もののお話です。


昨年の秋くらいから、ピコ太郎というキャラクターが登場してますよね?
PPAP。ペンパイナップルアッポーペンのあれです。


あのピコ太郎という存在がけっこう好きなんですが、
彼の存在についてちょっとした解説をFaceBookの知り合いのところで書いて、
そこから色々インスパイアされたことがあるので、ちょっと書いてみたいです。


僕は基本的に、あのピコ太郎という人が好きです。


なんでかというと理由は二つあって、


1.見ている人を喜ばせようとしているから。
2.プロだから。


という二点です。


昨年から快進撃が続いているピコ太郎ですが、なんであれだけウケているかというと、基本的に「楽しい」からだと思うのです。


演じているピコ太郎が、見ている人を楽しい気分にさせようとしているのが伝わる、と言うのが良いのだと思うのですよ。


で、彼を演じているというか、ピコ太郎のプロデューサーが小阪大魔王という人なんだそうですが、もともとお笑い芸人だったそうです。


その「お笑い」というところが気になって、ピコ太郎の記者会見とか、テレビ出演番組とかを少し検索して見てみたのです。


そしてその感想が、


●この人は「お笑い芸人」じゃないな「お楽しみ芸人」だ。


ということなんです。


正直、「お笑い」という価値基準では、さして面白いタレントさんとは思わなかったんですね。


ただ、見ていてイヤな感じがしない。親近感を感じさせる。


それはピコ太郎の「腰の低さ」という作られたキャラクターの持つ特性がそうさせている部分もあるのですが、
それよりなにより、演じている小阪大魔王さんが「見ている人を楽しませよう」と考えているのが、
とても良く伝わるからです。


別に「お笑い」はやってないけれど、とにかく


●「楽しませよう」
●「よろこんでもらおう」


という意思はある。それもかなり強く感じました。


だから僕は「この人はお笑い芸人じゃないな、お楽しみ芸人だな」と思ったのです。


世間一般の「お笑い」のように、どっかーんとうける、ということを考えているのではなく、
とにかく、見てくれている人が楽しんでくれれば、まずOKという捉え方です。


これは実は「ずーっと楽しませ続けるぞ」という意思がないと
しんどいことなのですね。


お客さまを「笑わせる芸」をする、のではなく、
つねにお客さまが楽しい気分になる存在である、ということ、
つまり、
「なる(変身:演ずる)」のではなくて「ある(存在する:ありのまま)」という事なんですね。



(ちょっと哲学的になってしまいました。)


これがひとつめの「お客さまをよろこばせようとしている」ということです。









そして、大切なことの二つ目が、彼の芸が


●「プロの技」


である、ということでした。


これも解説しますと、
ネットのPPAPの動画も、さらっと見てしまうとすぐには気づかないのですが、
あの動画は「2カメ」の作品です。


「2カメ」というのは、動画制作の方なら良くご存じですが、
ようするに「カメラ二台以上を使って撮影されている」という意味でして、
そういう、「プロ」の仕上げになっているんですね。


実際に2台使ったのか、2カメで作っているように見せているのかは謎ですが、
仮に1台のカメラで2台使っているように見せようとしたら、あのPPAPの動きなどは、
完全に決め込んで「再現可能」なカタチで演じられなければなりません。


それは、とても良く練りこんで作られている、ということなんです。


しかも練りこみは、動画としてだけ練りこまれているのではなくて、
その他の部分もすべて「プロの技」の塊なんです。


実際、あの動画を、印刷物のプロとして、最初に見た時に思ったのは、
一番最初に表示される、「ピコ太郎」というロゴデザインが
「お、ちゃんと作ってある」という事でした。


長く広告の世界にいますから、タイトルロゴだとか、企業のロゴ・マークの扱いには
敏感にならざるを得ませんから、とにかく第一印象の、あのロゴマークが
「プロが作ったな」というものだったので、とにかく「キチンとしたプロの作品」という印象を受けたわけです。


YouTubeの世界は、数多くいる「ユーチューバー」と呼ばれるパフォーマーたちが、
ほとんど全員「素人」なんですね。
素人がプロの真似をして、とにかく何かかっこうをつけようとしているだけというものが多い。
でも、それは真似事であって、プロから見ると「素人だなぁ」と感じざるを得ないわけです。


だからピコ太郎が、ロゴマークをキチンと作っているという段階で、すでに「異色」なわけです。


そして、そのロゴデザインが、若い学生や、もっと言うなら小学生にウケそうな、
カラフルでかわいらしいもの。


この段階では、「おー、かわいらしい路線を作ってるプロの作品か」という印象でした。


ところが! 登場したのは大阪のおばちゃんよろしく、金ぴか服にパンチパーマの
ちょっとヤンキーなおじさん。


このイメージギャップ。ここですでにカウンターパンチをくらいます。


このカウンターパンチは、たぶん、ロゴを日常的に作っているグラフィックデザイナーさんとかでないと、
なかなか感じられない種類のものでしょう。


つまり、ここでもプロうけのする演出がある、ということなんですね。
つまり「グラフィックデザイン的にも練られて」いるのです。


(このイメージギャップは、「狙って作った」と当の小坂プロデューサー自身が発言してます。)


実際、こういうプロうけする要素があるからこそ、「一発屋」と言われながらも、
半年近くたって、いまだに消えていない、生き残っている理由でもあります。


というのも、年明け、あのさだまさしが、和風のPPAP動画を作成して公開しましたし、
なんと国立劇場の雅楽の奏者たちまでもが、PPAPをカバーしています。


それもこれも、やはりあのPPAPが、音楽的にも基本のしっかりしたプロの技の塊だからだと
僕は推察するのです。


僕は音楽は門外漢なので、分かりませんが、あの伴奏となっているトラックも、
かなり作りこんであるのです。


テクノポップが好きな人ならPPAPに使われている「ポーン」という音が、
ローランドが1980年に発売したリズムマシン「TR-808」に内蔵されていたものだと、
すぐにわかるそうです。


それだけで、分かる人には「お、すごいね」と感じるのだそうで。
僕には分からないのですが、そういうものであるようです。


また、あの PPAP の「オチ」にあたる「ペンパイナップルアッポーペン」という
部分は「ブレイク」と言って、あの部分だけが伴奏のない無音状態になっています。


これも「オチ」強調の手法として、よく練られています。
プロの技なんですね。


加えて、僕がコピーライターとして指摘しておきたいのは、
元々パピプペポという音そのものがパパやママと同じように子供にも発音しやすい良さがあるという事。
そりゃ英語で全世界に通じる形態だわなと思います。


また、それをたったの1分という非常に短い尺におさめたという
「フォーマットとしての秀逸さ」にも感心してしまいます。


これも、キチンと計算されたもので、決して偶然できた素人芸ではありません。
そのあたりが、到達率を大きくあげているわけです。


以上が、僕が感じたPPAPヒットの大きな理由です。
(FaceBookでは、PPAPの「面白さ」とはいったい何なのか? というところまで踏み込んで解説したのですが、それはまた次回にでも。)


で、なんでこんなに「作りこまれたプロの世界」について書いているかというと、
あのピコ太郎は「お楽しみ芸人」であって「お笑い芸人」ではない、という話につながるのです。


「お笑い芸人」というのは、いまある「お笑いという市場」に合わせて、
ネタやプロの技を提供している存在です。


番組を持っている人や、ひな壇芸人と呼ばれるような人まで、
いろいろな人がいますが、基本、売れている人たちは「テレビ・ラジオなどのマスメディア」
という枠の中で売れるように、自身の芸やワザを磨いているわけです。


でも、ピコ太郎は違うのです。


ピコ太郎は「お笑い」ではなく、もっと広い視点で「よろこばせよう」だけで
芸やネタを作っている。


だからおもしろトークもするけれど、「楽しませ」られるならなんでも良いからと、
音楽を芸の中にも取り込んでいるわけですね。


いわば「お楽しみ」というコンセプトや理念に従って、
何年も何年も、プロの技を積み重ね、磨き上げてこられたわけです。


だから、もともと目指している方向性が「国内のお笑い市場」に、
合致していなかったのですね。


だから「お笑い芸人」ではなく「お楽しみ芸人」なのだ、と僕は呼びたいわけです。


このことは、日本の数多くの中小企業の方々にも、
意識していただきたいな、と思うのですが、
やはり企業というものもピコ太郎と同じで、


●お客さまに提供する価値を「理念」としてまとめておく
●提供する商品やサービスを「プロ」のレベルとして高めておく


ということが、ブレイクするために、どうしても必要なことなのだと、
僕は思うわけです。


自分たちがお客さまに、「何を提供したいと思っているか?」という問いかけと、
その問いに対する答えでもある「プロの技」があるのなら、中小企業が、
世界的なスーパースターに変身することも、不可能ではない、ということなんです。


そしてそれは「お笑い芸人」という既存の市場に適合する方法論ではなく、
「お楽しみ芸人」という新しく、より大きな市場を目指す方法論でもあります。


ということで、企業の理念をまとめるホワイトペーパー(会社案内)の制作などは、
私の得意技でもあります。


商品・サービスの本質的な強みを解析・分析して、お客さまに「わかりやすく伝える」


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ということで、ではまた次回をお楽しみに。

 [了]------(2017.1.31 旧暦:睦月四日 )


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