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前回のメルマガでは、色々な方からお返事いただきました。
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KID’S SIGNAL NO:011
キッズシグナル:第11号
2013.10.31
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%name_sei%さん、そろそろ深い秋ですね。僕の好きな季節です。%name_sei%さんはいかがでしょう?

さて、前回のメルマガの

「アクセス数や売上より、重要なものがあると思いませんか?」
http://www.saturn.dti.ne.jp/~kids/company/kidssignal/10.htm

という内容は、思っていたより色々な方からお返事いただいたり、お電話もらったりけっこう反応が多い内容でした。
どういう理由なのかはわかりませんが、みなさん押しなべて「数字のうわべだけ見てだまされてはいけないな」という感想をお持ちだったようです。
そしてそれは、どうも「ネット環境」という新たな市場、マーケティング手段が登場したことで、世の中のかなりの側面が「数値」で判断される風潮に対する疑問であるようにも感じました。

そこでちょっと気になったので読んでみた本があります。

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●会社を変える分析の力
河本薫・著
講談社現代新書\760
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という本ですが、この本はデータ分析によるマーケティングというものを、どう考えるべきなのか? について書かれた本なのです。データなどの数値を分析する。そういう分析力をいかにビジネスに活かすか? そのキモは一体何か? という事が実にわかりやすく、現実的な視点で描かれています。
著者は大阪ガスの情報通信部のビジネスアナリシスセンターの所長さんですから、その実践性はピカ一です。

この河本さんいわく、データ分析はうまく活用すれば、それこそ本のタイトルにある通り「会社を変えてしまう」くらい力がある、という事を言っておられるわけです。
しかしながら、そのデータ活用の要点、キモは「いかに仮説を構築するかだ」という事も同時に言っておられまして、それは数字を扱うという事とはかなりレベルの異なる話なんですね。

仮説を構築して、その検証をするためにこそ数字は役に立ちます。ですから、主役はあくまで「仮説」にあるのであって、数字はわき役です。
僕は、このとらえ方こそが、かなり重要だろうと考えています。
それを分かりやすいたとえ話で言うなら「車の運転をするには道路をよく見るのが主体であって、スピードメーターは参考にするだけ」ということだろうと思うのです。
しかしながら、ネットの時代に入って、ネット通販をはじめ、かなりのマーケティング手法が数字だけで成立するかのように語られはじめたと。そこで道路とスピードメーターの重要性の逆転現象が起きてしまっているのではないだろうか? と僕は思うのです。

数字は重要です。それは上手に使えば、会社のあり方を根幹から変革するくらいのメガトン級の力を持っています。そしてそれは、ネット通販のようにシステムと組み合わされば、人間の手作業では絶対不可能な新次元のサービスを提供をすることも可能なのです。

ただし。

そういう変革を生み出すには「確かな仮説」が必要で、その確かな仮説を導き出すためには、おそらく「数字」を見ていてはダメなのだろうと思います。道路のどの脇道から子供が飛び出してくるのか。その、人間としての豊かな感性と想像力こそが仮説を生み出すのですし、その想像力は「道をしっかり観察する」という態度が必要で、それをするためには、スピードメーターばかりを見ていてはだめなのです。

このあたり、広告のツール制作というのは、まさに「仮説を構築する」という作業そのものでして、販売促進のアイディアや広告のアピール力のある発想を生み出すのは、マーケティングファネル(無関心客→見込み客→顧客→お得意様に変化させていくマーケティング計画)を、自らがイメージの中で歩き、自らが顧客になったつもりで商品やサービスを見直す「道をしっかり観察し想像する」作業なのですね。

ということで、より良い「仮説」を生み出すためにこそ、広告・販促業界の人間は、スピードメーターを見るのをやめて、よく人間を観察し、次の脇道から何が飛び出すのかをしっかり想像しなければいけないなと、感じている、秋のわたくしではあります。

上記の書籍は、そういう考え方を、改めて大切に思えた、なかなかの良書だったように思います。正しく数字を扱うという意味においても正道。もしよろしければご一読ください。

ではまた、次回!

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