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夫婦円満パンフの作り方
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[KID'S SIGNAL] キッズシグナル●第134号●2018年6月19日(火)
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もう、ずいぶん昔の話。仕事で会社案内のパンフレットを作ったのです。いまなら、ホームページを作る、というような話でしょう。
で、その会社案内を、実際に使ってみて、どんなメリットがあったのかを、発注くださったお客様の会社までインタビューをしに行ったことがあるのです。
電車を乗り継いで、えっちらおっちら。大阪府の少し南部にある、その企業さままでお伺いして、広報の担当者の方と、その企業の方とにお話しを聞きに行ったわけです。
お茶を出していただいて、雑談も済ませた後、「先日納品させていただきました会社案内、すでにご活用いただいていると思うのですが、お使いになってどんな感じでしょう?」と単刀直入に質問させていただいたわけです。
すると、その企業の社長も、広報担当の方も、大変素敵な笑顔で「評判いいですよ。作ってよかったと思います」と言ってくださったわけです。
「そうですか、それは良かった」とこちらも役に立ってよかったなぁと思いお返事を差し上げたのです。そして、どういう部分で役立ったのかを聞きたくて、
「やはり取引先さまから信頼を得られたとか、そういうことでしょうか?」と
突っ込んで質問を重ねたのですが、ここで意外な一言をいただきました。
「いや、社員のね、夫婦げんかが減って助かってます」
という話。
「は? なんですか、それは?」
と思いませんか?
僕は思いました。
普通、会社案内のパンフレットなどは、たとえば取引をしようとしているお客様にお渡しして、「しっかりした会社だ」と思っていただくとか、あるいは銀行での融資を受けるときの基本資料として提出するなど、やはり「ビジネスを円滑化」するために活用することがほとんどのはず。
ぼく自身もパンフレットに関しては「対社外へのイメージアップツール」という意識でいましたから、この企業の社長の「社員がよろこんだ」という言葉には驚かざるを得ませんでした。
「夫婦仲がよくなる」
なんていうのは、それこそ縁結びや家庭円満の神社仏閣の専門領域。心情と愛情が支える、情緒的な世界ですから、ビジネス的視点を最重視して、論理的かつ説得力高くパンフレットを作ってきた僕としては、いまひとつ理解不能だったのです。
しかし、お話を聞いてみると「ああ、なるほどね」と納得できました。
というのも、その会社は、廃棄物処理を主たる業務として行っている会社であり、産業廃棄物の処理を行う作業なども日常的に行っていたのですね。
廃棄物の処理という仕事は、化学薬品の処理を行って廃棄するなど、特殊な業務もあり、それは取り扱いを誤れば命にもかかわる危険なお仕事なんですね。
なので、「どうしてそんな危険な仕事をしなければならないの? 大丈夫なの?」と、それらの作業に関わっている社員の奥様が、安全なのかどうか心配され、社員の方は社員の方で「仕事に口出しするな」と喧嘩になっていたのだそうです。
私が制作した会社案内では、その危険な処理のために、専用の廃棄ボックスを用意したり、確実な処理手順を定めているといった、企業としての安全対策をキチンと盛り込んでいましたし、そういう処理ができる企業も少なく、独自性のある企業なのだ、ということを図解や写真も入れて説明していたわけです。
ですから、この会社案内をご覧になったその奥様も、
「これまで主人がどんな仕事をしているか分からず、なぜそんな危険な仕事をしなければならないのか不満を持っていたけれど、安全対策もしっかり取られていて、社会にもとても役立つ、立派な仕事だと分かって、とても安心しました」と考え方が百八十度変わられ、いまやその企業のいちばんの理解者になっている、という話だったわけです。
実際、お仕事をされている社員の方であっても、実際の作業の的確さ、安全性などは、専門家ではない奥様に説明しようとするとかなり手間取るはずです。
ましてや、その社会的役割や、企業の存在価値などの抽象的な意義づけを、誤解なく、正確に、信頼感を築きながら伝達する、などということは、食事の後の5分や10分の夫婦の会話で達成できるようなことではないわけです。
もともと、印刷された紙のパンフレットには、手渡された方との間に信頼性を築きやすいというメディア特性があります。
というのも、刷り直しに大変な手間と費用がかかる印刷物は、表現内容の細部まで細かく決め込んだうえで配布されることが多く、ただ印刷物がある、それが自分用に手渡される、というだけで一瞬にして「信頼」が生まれやすいのです。
企業のお客様への「約束」がWEBという、明日データが消えていたり変更されていても気づけないような媒体で提供されている現在、実は、この印刷物の「信頼性を確実に得られる」という機能は忘れられがちな機能です。
企業がお客様にどんなサービスやよろこびを提供するのか? それを印刷物でお客様に手渡すことは、その瞬間に成約したあとのメリットや幸せ感などを、約束手形にしてお客様にお渡ししたのと同じことになります。
この廃棄物処理の会社の社員の奥様の事例は、そういう印刷物特有のメリットが、いちばんよい形で現れた事例だろうと思っています。
実際、この会社では、匂いや安全性の面で、工場の近隣住民の方からいろいろと心配・苦情を申し入れされておられたのですが、この会社案内を配布することで地域社会との関係性も大きく改善されたそうです。
印刷物による情報伝達は、ただ、手渡しただけでも信頼イメージを生みやすいもの。
もし、あなたの企業が、お客様はもちろんのこと、社員の士気の面でも「信頼性」「協調性」などの面で、一層の強化を目指しておられるなら、ぜひ、「紙のパンフレット」の制作を、ご検討ください。
想定している以上の効果が、あるかもしれませんよ。
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