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告白します。
■6/24 雨樋を観察する変態。
告白します。
実は僕にはかなり変態チックな趣味があるのです。
いやー、趣味と言うとちょっと高尚すぎますね。
変なクセ、とか、おかしな特性とかかもしれません。
前はこんなクセはなかったのですが、いつの頃からか、電車に乗ると、時折、延々外を眺めたくなってしまう時があるんです。
え? ヘンじゃない?
いやいや、けっこう、かなり変態チックなんですって。
というのは、眺めているのは景色なのではなくて、窓から見える建物の、
雨樋
だから、なんですよ。
雨樋。
雨樋って眺めているととてもおもしろいのです。
いろいろな形の建物がありますが、
「あ、あの屋根に降った雨は、隣の屋根に移って、それから、たぶんあのあたりの(見えない部分)溝にたまって、それで、こっちの穴から樋を伝って、下へ落ちるのだな」
とか、
「あれだけの長さの屋根なのに、下に落ちる場所はあの一箇所だよ。雨の日はすごい流れになるだろうな。ああ、でもパイプがかなり大きなものを作ってるのか」
とか、
「うーん、あの雨樋、まっすぐに見えるけど、下に水を流す縦のパイプが三か所あるから、あの三か所は多少低くなるように傾斜をつけてるはずよなぁ。分かれへんけど」
とか建物の構造を確認しながら、雨水が何処をどう流れて、下に落ちていくかを想像しながら見るというのが、僕にとっては、かなり面白いのです。
昔は、こんなこと、そんなに面白いと思わなかったんですけどねぇ。
考えてみるに、マーケティングなどの勉強を始めてからこっち、こういうことが気になるようになってきたのかもしれません。
雨樋が面白いのは、そこに何のエネルギーもなく、単に雨が下へ落ちる力を、上手にガイドして、人間にとってもっとも良い状態になるように設計しているところなのです。
たとえば、屋根の端には、端に沿って必ず雨樋があり、窓をあけて外を見たときに、雨のしずくでぬれないようになっています。
また、工場のように天井がまっ平だと、その屋根にすべての雨が降り注ぐことになるので、雨水を逃がす下へのパイプも何か所も設置されていたりするわけです。
この「雨の流れる力と量にあわせて、雨樋をしつらえる」という考え方と、近年のウェブマーケティングなどで言われる「ファネル(漏斗)」の考え方とは、とても似ていると思うのです。
多くの人が興味を持つ話題で、投網を投げかけ、その中から、自社商品に興味ある人の「反応」を引き出し、興味を持ってもらった方の中から、「購入者」や「成約者」を見つけ出していく、という考え方です。
この時、「押し売り」のように無理に商品アピールをする必要はないのですね。
ファネルの設計さえしっかりしていれば、それは雨水が雨樋を流れるように、自然に、何のモーターもコンプレッサーも使わずに、ただ高いところから低い所へと、するするとお客さまは流れていくのです。
いやいや。
そういつでも、思い通りにうまく行くものではないのですよ?
でもね。
いつも、雨樋を伝って落ちる雨水のように、マーケティングファネルをち密に設計しないといけないよなぁと思うのです。
そうしないと、窓を開けたら、風景を見る前に体中が雨水でずぶぬれになってしまう、というようなことになりかねませんから。
たとえば、僕の仕事で言えば「セールスレター」というようなものは、まさに屋根から落ちてきた水滴を、排水溝にいざなう屋根下の雨樋のようなものなのです。
入ってきたときの読者の心理的な位置エネルギーをしっかりと把握して、決して高い溝を作らず、自然と流れ落ちるように、そーっと階下の排水溝へのパイプ口に雨水を連れて行かねばならないのです。
それは、雨樋という建物のほんの一部なのかもしれませんが、実は企業という大きな建物の排水全体を司る「排水設計」の重要な一部であったりするのです。
慎重に、慎重に。
水があふれてこぼれてしまわないように、そーっとそーっと。
なんというか、売りに直結するコピーライティングというのは、そういう感じなんですよね。
ま、そんなようなわけで、僕は電車に乗ると、建物の雨樋をやたらと眺めて悦に入っている、おかしな奴なのです。
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