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田舎のスーパーの奥深さを知りました。
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[KID'S SIGNAL] キッズシグナル●第189号●2022年1月17日(月)
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標高450mの山の中。いちばん近くのコンビニまで車で5分という閑散とした田舎に移り住んだ木田です。
%name_sei%さんは、そういう田舎で暮らしたことはあるでしょうか? 僕は大阪市内生まれの市内育ちで、そういう環境で暮らしたこともなかったのです。
なので、いちばん近いコンビニから、また車で3分ほど遠くにある「地域住民のためのスーパー」というところに入った時に、えらい場所に住むことになったなぁという感想を持ったんですね。
まず商品整理はあまり良くないし、大手スーパーなら防災上アウトと言われる通路上への商品の箱置きをしていたり、POPがすごく古かったりと、まさに「さびれたスーパー」のイメージだったからです。
「んんー? だいたい品揃えがえらく偏ってたりするし、値段も安くないし、なんのメリットがあるんや? この店。よくつぶれずにやってるなぁ。これは僕はあんまり利用しないかなー」と、あまり良い印象は持ってなかったんですよ。
でも、ある時、その見方が大きく間違っていることに気づかされました。
というのは、家中の窓に「内窓」をつけて二重窓にするDIY時に手に小さな傷を作ってしまったからなんです。
手持ちの絆創膏でも充分間に合う程度の傷だったのですが「ああ、そういえばハイドロコロイド絆創膏がそろそろないよなぁ。買い足さなくちゃ」とちょっと高機能な絆創膏の事を思い出したのです。
ハイドロコロイド絆創膏というのは、たとえばバンドエイドで言うなら「傷パワーパッド」というような商品名がついている商品です。
半透明のシール素材の全面にノリがついていて、ガーゼなどの傷保護素材は一切なく、シール素材をそのまま直接キズ面に貼り付けて使います。
このシール素材がハイドロコロイド素材という奴でして、吸水性があり、キズ部分から滲出してくる体液を吸い込んで保持し、滲出液の治癒機能を充分に活かすことでキズの治りを大幅に速くしてくれるのです。
体感としては、普通の絆創膏の倍くらい速くキズが治るイメージがあります。
ただ、価格が高いので、そうしょっちゅう使う事はないんですが(普通の絆創膏でたいていはOKだから)、うちは子供がいてるので、どうしてもこのハイドロコロイド絆創膏を貼って欲しがるんですよ。
というのも、この絆創膏はキズ部分の完全防水機能もあるので、ちょっとしたキズをしても、この絆創膏さえ貼っておけば、お風呂で「しみる!」ということがないからなんです。
まぁ、ないならないでかまわないので、その「地域住民のためのスーパー」の片隅にある、医療品のコーナーを覗いてみたわけです。
そのスーパーは、本当に田舎のよろずやよろしく、本当になんでも置いてるんですね。店の中もごちゃごちゃしてる。そういうごちゃごちゃの中に薬局があるわけです。
で、そこの絆創膏のコーナーを一応覗いてみたわけです。
「まぁちょっと高級商品になるし、品揃えじたいないやろ」と思ってたんです。
そしたら! ナショナルブランドのトップメーカーバンドエイドの「キズパワーパッド」が、普通のバンドエイドと同じくらいの棚面積でズラリと並んでいたわけです。
「わ、すげー」と思ったんですが、驚いたのはそこではありません。そのキズパワーパッドの隣の棚。そこに、バンドエイドと競争しているメーカーのハイドロコロイド絆創膏が、これまたそれなりに並んでいたのです。このメーカーのハイドロコロイド絆創膏は、大阪でも見かけました。それなりに棚取りにも力を入れていたと思います。中堅クラスの企業がやってた商品です。
これだけでもけっこう驚くのですが、本当に驚いたのは、そのまた隣。今度は名前も聞いたことのない中小メーカーの格安の「ハイドロコロイド絆創膏」がズラリとならんでいたのです。しかも2社! そんでもって安い! バンドエイド製品の一割、二割安いのです。
ハイドロコロイド絆創膏がトップ、中堅、中小、弱小と4ブランドも並んでいたわけですよ。
なんだこれは! 大阪でも見たことのない光景でした。
でもね。その時僕は、ハタと気づいたのです。
「あ、そうか、農作業とかしたら、生傷が絶えないわな。そら必需品やで。ハイドロコロイド絆創膏」
そういう事だったんですよ。
つまり、こういう田舎でスーパーを営業するということは、徹底した顧客志向でやっていくしかない、ということです。品ぞろえも、必要なところはどんどん充実させて、稼げるところで稼ぐ。
そうすることで、お店も儲かるし、お客さまも便利になる、という事なわけです。
品揃えに偏りを感じたのも、多分僕には分からない、この地域特有のニーズにしっかりと応えているんだと思うのです。
大手スーパーにはないけど、この地域スーパーなら、一応置いてある。高いけど。という感じですね。
まさに住民とお店が共存共栄。価格まで含めて、ちょうど良いところでバランスしているらしいのです。
「あなどれんな」
正直僕はそう思いました。
ということで、今日の話はここまで。
このスーパーの話は、またします。
では、また。
[KID'S SIGNAL No.188 -了-]
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