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またまた「内在型コンテンツと外在型コンテンツ」の話をしてみます。
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[KID'S SIGNAL] キッズシグナル●第190号●2022年1月18日(火)
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1月17日・18日の2日にわたって紹介した「外在型コンテンツ・内在型コンテンツ」の話題ですが、またこの話の続きをやりたいのです。
ただ、この概念を説明するのは、なかなかに難しいんですね。
で、数年前に「うわ、これこそ内在型と外在型を区別する素晴らしい事例だ!」と思った例があるので、それを紹介します。
まず、商品は何かというと、「鉄道」です。
旅行に出かける時、あるいは日常、仕事場に移動するために活用している、あの「鉄道」です。
まず先に「外在型」の方から説明すると、これは「沿線ガイド」と呼ばれるような、情報誌が一番わかりやすい事例になると思います。
「え? 沿線ガイドが外在型なの? いや、出かける目的地の紹介とかだから内在型なんじゃないの?」
と、言われる方もおられるかもしれません。
で、確かに沿線の桜の見どころを紹介したり、人気のショップやカフェなどはお客さまがあまり知らない情報だし、それで出かけようと思ったのなら売上にも直結しますから、「売れる」コンテンツではあります。かなり「内在型に近い」とは言えるでしょう。
でも、一年少し前に、あるチンチン電車に乗った時に「これだ! これこそが典型的な内在型コンテンツだ!」と思ったものに出会ったんです。
それは「チンチン電車の乗り方の解説」でした。
これが各停留所にポスターのような形でしっかりキチンと掲げられるようになったんです。
それはたまたま、その路面電車が非接触ICカードによる後払い(ポストペイ)システム導入にあわせて掲示されたものだったのですが、その新システム導入と同時に、これまでの現金での支払いの方法や価格などを、もう一度整理しなおして、掲示していたんです。
たとえば、その路面電車には路線が二系統ありますから、乗り換えの時はどうしたらいいんだ?とか、運転手さんに聞かないと分からないようなことも多いわけです。
で、こういう情報というのは、バスなどが典型なのですが、電車に乗ると説明されているのですが、決して停留所には掲示されていないんです。
それをこの路面電車の会社は、全停留所に貼りだしたわけです。
大事なのは、この「全停留所に貼り出した」というところです。
つまり、電車に乗る前のお客さまに対して乗り方説明を詳しく停留所を通るフリーの「通行人」に対して行った、ということです。
これこそが、この話題のもっとも重要な点です。
停留所に掲示する、というのは、ようするに「普段停留所の近くを通ることがある人にアピールする」ということです。
つまり潜在顧客に対する告知=広告になっているんですね。
ここが本当に重要なポイントです。
いままでは停留所は通ったりすることはあるかもしれないけれど、よほど用事がなければ乗らないと言う方に「乗り方説明」をすると、「あれ? 意外に安いんだな」とか、「こんな支払い方法でOKなんだ。じゃあ今度利用してみよう」となる可能性はかなり高いですよね。
考えてみて欲しいのですが、電鉄会社が定期的に出している「沿線ガイド」などは、書かれている情報がお客さまにとって「自分に関係ある情報」である可能性はかなり低いんですね。そもそも始発駅近くに住んでいる人が終着駅近くの神社のお祭りの話を見聞しても「へぇー」で終わってしまって、わざわざ出かけるというところまで行動欲をかき立てるか? というとなかなかに微妙です。
沿線に住む人は、紹介されたスポットの近くに住む人かも知れないし、遠くに住むなのかもしれない。かなりターゲットの絞り込みがモヤッとしていますよね?
でも、停留所の掲示なら、とにかく停留所の近くに住む人なら、ほぼ確実に「自分に関係のある情報」になるんです。
「ああ、知らなかったけど、ちんちん電車に乗るにはこうしたら良いのね。なるほど。じゃぁ今度●●●山に出かける時にここから移動しよう。」
という形で、お客さまの行動の起点になりやすいわけです。
この「知らなかったけど、自分にはすごく関係のある情報だな」と感じることができる情報こそ、「内在型コンテンツ」なんですね。
長くなりましたから、今日はここまで。
いずれまた「内在型コンテンツ」については、もう少しお話したいと思います。
このチンチン電車の話と同じくらい、あるいは、もっともっと分かりやすい「事例」について解説する予定ですので、ぜひ期待して待っていてくださいね。
ではでは。
[KID'S SIGNAL No.189 -了-]
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