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「たまる!」が「たまるか!」に見えました。漢字を使えば勘違いしないのに。

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ [KID'S SIGNAL] キッズシグナル●第210号●2022年2月7日(月) _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ 月曜日、新しい一週間が始まりました。いかがお過ごしですか? さて、先日大阪に出かけたときのことです。電車に乗っていると、何か車内広告が目に入りました。ひらかなで「たまるか!」となにやらビックリマークで強調していたのです。 しかも、そのコピーは「×××たまるか!「〇〇〇たまるか!」と、「たまるか」の「た」の字を中心に、縦書きと横書きをクロスさせてキャッチフレーズを十字架のように文字組していたのです。 「すげー、強調の仕方やなぁ。ビックリマークとタテヨコのくりかえしか。よっぽど何かをしたくないと言うような内容なのかな?」と感じたので、何の広告なのかな?と思ってよくよく見ると、 「買ってたまる!乗ってたまる!」 と言う、その電鉄会社のポイントカードを利用してくださいね、というお知らせだったのです。 「ええええええー」と僕はちょっととまどいを覚えました。 「たまる!」と「たまるか!」では全然意味が違う。印象も違う。この勘違いはよろしくないなと。じゃあどうしてこういう勘違いが起きたのか? というと、ビックリマークと十字架組みの文字強調の仕方から、かなり常識を破ったサービスなのかな? と想像した、ということでした。 でも、ポイントを貯めるというのは、地道な事柄ですし、「~してたまるか!」というのは、世の常識に反発する、かなりとがった表現です。あまりにイメージが真逆です。 じゃあどう表現したら良かったのかな? と想像してみたのですが、たぶん ●「たまる」という言葉を「貯まる」という漢字に変更する。 ということで、この誤解は生まれなくなっただろうし、そもそもポイントカードの広告だ、ということも、キャッチフレーズから連想しやすかったはずだよなぁと思ったのでした。 「たまる!」を「ひらかな+!」で書くから「たまるか!」と勘違いしたわけですが、「貯まる!」というように「貯」の一文字で表せばお金に関するようなことだとか、貯金をするように何か得なものが溜まるのだというのが読む前からすぐわかったはずなのです。 「もっと漢字を使おうよ」 と、僕は最近よく思うのです。 漢字は上手に使えば、一瞬で特定のイメージを読み手に想起させる力があるのですから、まずそういうパワーを活用すれば良いと思うのですね。 ところがどうも、近年は、「わかりやすい事こそ大切で最優先事項」と言う悪しき悪習が広告業界にまで根を張ってしまっていて、漢字にするべきところをひらがなで開いてしまったりするのです。 この広告の場合、「たまる」の「た」をクロスする中心点に置いていたので、それを「貯」に変えていれば、かなり印象としても「貯まる」イメージを強調できたはずなのです。 このごろは「予算がないから広告にお金はかけられない」などと言う間違った考え方のもと(なぜ間違っているのかは、またいずれ書きましょう)、企業メッセージを具体的なビジュアルで表現するよりも、お手軽に文字だけで作れるキャッチフレーズやイラストに頼って表現すると言うことが増えてきてしまっています。 それはそれで風潮として分からなくもないのですが、それであるなら、なおさら、キャッチフレーズをいかにメッセージの伝わりやすい表現にするかは、もっともっと慎重に選ぶべきなのではないでしょうか? 広告と言うものはお金を使って未来を見込み客をたくさん増やすような仕組みです。表現の一言一言で効率がかなり変わったりするのです。 だからできればもう少し、一文字一文字にも気配りをしてほしいものだと思います。 まぁ、言うのは簡単、やるのは大変、なんですけどね。 ということで、今日はこのへんで。 ではまた明日。 [KID'S SIGNAL No.210 -了-] _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ コピーライティングならおまかせを! コピーライター 木田茂夫 :kids@kidashigeo.com 携帯:090-8523-4204 --------------------------------------------- ホームページ:KID'S COMPANY http://www.kidashigeo.com ブログ:コトノハコトバ http://kidscomp.exblog.jp/ _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

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