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■//%name_sei%さん、田舎の書店は本屋じゃなかった話。

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ [KID'S SIGNAL] キッズシグナル●第227号●2022年2月24日(木) _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ name_sei%さん、こんにちは。 えー、昨日、文具や情報整理関連の名著中の名著である「知的生産の方法」について少し書きました。 で、その記事の中で「うちの近所は書店が少なく、新書の棚などが充実している本屋がなかなか見つからない」という事を述べました。 これねぇ、いまの山の上の家に住むようになって、いちばんの問題点、課題だったんですね。 とにかく本屋が少ない! もう、全然ありません。 いや、Googlemap とかで調べに調べると、それなりに書店はあるんです。あるんですけど、まず小さな本屋は、もう、ほとんどが古書店です。新刊書を扱うような普通の書店がありません。 で、「大型店舗に出かければ、まぁそれなりになんとかなるだろう」と思って、車で20分とか30分とか走って、けっこう敷地面積の大きな、地域のチェーン店のような店に行ったんですよ。 遠くから見ると「本」という看板がとても大きく君臨していて、「おお、やっと俺の書物への渇望が満たされるのか」と、その書店に車を止めるわけです。 しかし、もうね、入口を入ったところから「あれ?」ってなるんです。 まず二階建ての建物なんですが、二階はレンタルビデオ・DVDのショップなんです。それも一部ではなく、ひろい店舗面積全部、つまり二階に本は置いてないってことです。 「は?」ってなりません? 「本」という看板を出しておきながら店舗の半分はレンタルショップなわけです。 で、「なら、一階が本屋なんだな」と入ろうとするんですが、まず入口周りに本がないのです。 「え? 何ここ。新刊を並べたりしないの?」とか思う。 じゃあ何が並んでいるかと言うと、文具です。それも小学生とか、学生とかが買うような可愛いらしいファンシー文具や鬼滅の刃などのキャラクター文具。 「え? え? え? え? 本は?」ってなったわけですよ、私的には。 で、一階の広い敷地を見渡すと、一階の四分の一とか三分の一は、文具コーナーなんですね。で、その文具コーナーに並ぶ形で、コミックのスペースがどどどーんと、残りの敷地の半分くらいを取っているのです。 「え? え? え? 本は?」 とまた、僕は自分が求めている「本」、つまり新刊書で、話題の本で、単行本と呼ばれるB6サイズくらいの1200円~1600円くらいの書籍のコーナーはないのか?と探すわけです。 大阪で大型書店となれば、そういう新刊書を含めた単行本だけで、背の高さを越える本棚がジャンルごとにズラリとならんでいるわけですが、この書店を見る限り、そもそもそういう「単行本」の書棚があるかどうかが怪しかったりするわけです。 いや、だいたい本棚の高さが低い! せいぜい僕の背の高さの本棚しかないんです。店の中をいろいろ歩いて回って思ったのは「ははぁん、これは万引き対策だな」ということでした。ようは、背の高い本棚なんか導入したら、万引きし放題になってしまうんじゃないですかね。 コミックスの棚はそれなりに充実してるんですが、その次にズラリとならぶのが雑誌の棚。それから、子供のための各種の本。図鑑だとか絵本だとか半分オモチャみたいな本とか。 で、もっと探していくと単行本の棚がやっと見つかるのですが、これが一列八棹程度でおしまい。新刊の紹介もその棚の脇にコーナーとして半畳くらいのスペースがあるだけなのです。 「なんじゃあ、こりゃあ!」 と、思わず、大昔の松田優作のような声を出しかけてしまいました。 かなりの敷地面積を持った書店なのに、本当に「本」と呼べる商品が置いてある単行本の棚は全敷地面積の16分の一あるかないかだったのです。文庫本が炭鉱本の倍くらい棚取りされてるかどうか。新書版の書籍に関しては四棹しかコーナーがありません。しかも普通に棚刺ししてあるのは二棹で、残りの二棹は平積みの書籍のように、本棚に背表紙ではなく表紙を見せて展示する方式を取っているので、お店が「売りたい」と思っている新書が十種類程度ならんでいるだけです。実質二棹しか新書のコーナーがないのと同じことなのです。 「これはひどい。これは『本屋』やないで」 と、怒り心頭、意気消沈して車に乗り込み、家まで「なんだよ!本屋やないやないか!文具屋や!くそったれ!」と悪態を付きつつ帰って来たという次第です。 いやー、地方というのは、ここまで文化に対するニーズがないんですね。びっくりした。 多分、インターネットが出てくるまでは、それなりに商売も成り立っていたんでしょうけど、いまや地方で書店をするとなると、こういうファンシー文具で食つなぐとか、あるいはカバンなどの袋物や、財布などを扱うなど一般的な物販に走るしかないようなのですね。 これは危ない。 本当に危ないと思うのです。 日本の文化程度が危なくなってしまっている。 じゃあどうしたらいいのか? という答えは持ってないんですけど、こういう体験もしたので、昔作った文具関連本の紹介PDFを見直して提供することにした、という側面も大きいのです。 ●「メモ・ノート・手帳を使いこなすための Stationery Book 42」 http://www.kidashigeo.com/stationery35/stationery_book42.pdf このPDFの話ですけどね。 いや、ほんとに、いまの日本、危ないなぁと思いますよ。マジで。 ということで、今日のメルマガは、とくだん解決策はありません。 ただ、「やばいなー」と思ったということを書きたかっただけです。 やれやれ。(タメイキ) ということで、ではまた明日。 [KID'S SIGNAL No.226 -了-] ------------------------------------------------------------------------ ■KID'S COMPANY サービス概要(ブログ) http://kidscomp.exblog.jp/25074844/ ●私の制作物紹介(メルマガ読者限定) https://hankai.chakin.com/company/portfolio/index.htm ●KID'S SIGNAL バックナンバー(メルマガ読者限定) https://hankai.chakin.com/company/kidssignal/index.htm ●KID'S COMPANYへのお問い合わせはこちらへ http://www.kidashigeo.com/response.htm _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ コピーライティングならおまかせを! コピーライター 木田茂夫 :kids@kidashigeo.com 携帯:090-8523-4204 --------------------------------------------- ホームページ:KID'S COMPANY http://www.kidashigeo.com ブログ:コトノハコトバ http://kidscomp.exblog.jp/ _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

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