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■大変です! 少年ジャンプが、落語を始めました。

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ [KID'S SIGNAL] キッズシグナル●第<号数>号●2022年2月26日(土) _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ さて土曜日なので、ちょっと息抜き的にエンタメ系の話題です。 毎週ジャンプを買うようになって、もうそろそろ30年になろうとしています。 で、その長い歴史の中でも、かつて存在しなかった、画期的なマンガが、先週の2022年、11号から連載されているのです。 連載されているのは「あかね噺(はなし)」というタイトルの「落語マンガ」なのです。 いや、もうね、長年落語が好きで、歌を覚える感覚で、覚えて何席か自分で喋ってみたりするくらいの落語好きなので、この連載に関しては一号前、予告が出た段階で大注目していたんです。 落語を扱った創作物という意味では、テレビドラマに一日の長がありまして、これまでにも何本かの作品があります。「あまちゃん」のシナリオライター宮藤官九郎作の「タイガー&ドラゴン」とか、上方落語を題材にしたNHKの朝の連続テレビ小説「ちりとてちん」、岡田将生と山崎育三郎がタイプの異なる落語家の人生を演じた「昭和元禄落語心中」がありました。 また、映画においても、あの森田芳光監督が撮った「のようなもの」に、国分太一が出ていた「しゃべれどもしゃべれども」。どれも佳作で人気作品でありまして、例えば「ちりとてちん」は実はNHKの朝のテレビ小説のDVDの中で、あの「おしん」を抜いていちばん売れている作品だったりします。 これらの作品群は、実はどれもこれも、落語を演じる「落語家」という存在にフォーカスを当て、ひとりの人間が成長する様子を、落語よろしくユーモアを交えながらも暖かい視線で見つめている、というような作品が多かったように思います。 こういう人間味そのものを味わう、という側面こそが落語という表現形態でありまして、その意味でこれらのドラマにも「人間愛」があふれているものが多かったように思います。 で、今回の少年ジャンプの「あかね噺」も、これらの佳作群と同様、落語家という「演ずる側」の人間模様を描いていくように見えるので、ぼく個人としてはとても応援している作品になるのです。 ただし。 「大丈夫かなぁ。ちゃんとキチンとした人間ドラマとして描かれて行くかなぁ?」という不安を二つ、感じているのです。 その一つが ●女性落語家が主人公であること です。 そもそも落語の世界というのは、「古典芸能」なので、本当に「男」の世界でしかありません。いやもう、本当に女性の事なんかこれっぽっちも考えていない男尊女卑の世界そのものなんです。 女性の描かれ方がかなりテキトーなのです。 この話題に入るといろいろやっかいなので、サラっと流しますが、そういう落語の「女性差別」という事以前に、 ●女性落語家が演じて面白くなりそうな演目そのものがほとんどない という事が大問題です。 女性が主人公の落語なんてほとんどないし、「昔から存在している古典落語を、現代の落語家が演じて変化を見せる」というのが落語の醍醐味なので、「古典」から離れて、新作落語を作って、それを女性主人公にする、なんてこともできません。 これからいったいどんな過酷な試練が主人公にふりかかってくるかと思うと、その困難さを説明するだけで説明臭くなりますしね。このマンガを描くこと自体が前途多難に思えて仕方ないのです。 【主人公が落語を演じられない、落語物語】 とかにならないかなぁ。うーん、大丈夫か? 第一話で「芝浜」という過去の名作(当然主人公は男です。まぁ女房も活躍する夫婦愛のお話ではありますけどね)が出てきたから、よけいにそこが気になってしまいます。 まぁ、逆にそういう過酷さが気になって読みたくなる、というのはあるんですけど、これは落語ファンだけの楽しみ方でしょうねぇ。 で、もうひとつの不安が ●全国展開こそが大切な「ジャンプ」で、「江戸」限定の世界がウケるのか? と言う事です。 落語というのは、「上方落語」と「江戸落語」しかありません。基本的に、都市部の人が多く集まるところで、「江戸っ子弁」あるいは「浪速言葉」そのものを、楽しむ、少人数の小屋(せいぜい200人くらいの小さな小屋)でしかやれない、都会のヲタク芸能なのです。 こんな市場の狭いテーマで日本全国の読者を楽しませることができるんだろうか? と、もうそれはそれは不安の塊がふつふつと煮えたぎっておるのです。 だいたい、近所のコンビニとかスーパーとかに出かけてもらいたいのですが、DVDとかあるいは昔の音楽CDとかを売ってるコーナーを見てください。いまや落語なんてコンテンツは、まったく、一切、ちーとも売られていないのです。 そもそも若い人が落語に触れる機会自体がないのです。 この市場がシュリンクしまくっている演芸をテーマにして、どこまで「世界観」を広げられるかが実に不明です。 大丈夫か? がんばれ!「あかね噺」 ともあれ、課題は山積みなんですが、画期的なマンガが始まったことだけは間違いありません。 この先どうなっていくか? 分かりませんが、僕としては大変楽しみです。 みなさんも、ぜひぜひご注目ください。 [KID'S SIGNAL No.229 -了-] ------------------------------------------------------------------------ ■KID'S COMPANY サービス概要(ブログ) http://kidscomp.exblog.jp/25074844/ ●私の制作物紹介(メルマガ読者限定) https://hankai.chakin.com/company/portfolio/index.htm ●KID'S SIGNAL バックナンバー(メルマガ読者限定) https://hankai.chakin.com/company/kidssignal/index.htm ●KID'S COMPANYへのお問い合わせはこちらへ http://www.kidashigeo.com/response.htm _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ コピーライティングならおまかせを! コピーライター 木田茂夫 :kids@kidashigeo.com 携帯:090-8523-4204 --------------------------------------------- ホームページ:KID'S COMPANY http://www.kidashigeo.com ブログ:コトノハコトバ http://kidscomp.exblog.jp/ _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

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