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ブラインドタッチになると、「見て打ち」より遅くなります。そしてそれは良いことです。
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[KID'S SIGNAL] キッズシグナル●第256号●2022年3月25日(金)
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%name_sei%さん、こんにちは。今日は昨日のブラインドタッチのお話の続きです。
ブラインドタッチの売り文句が、「入力がスピードアップする」に、なぜなるのか?と言うと、これは「お客様が望むから」だろうと思われます。
例えば、パソコン教室へ「ブラインドタッチを学びたい」とやってくるお客さまが、
「とにかく入力速度を速くしたい」
という人ばかりだったら、そりゃ「入力スピードが速くなる」ということを売りにせざるを得ないですよね? そういう事が起きているのだ、と考えるのが自然です。
僕は完全なブラインドタッチャーなので、はっきりと分かりますが、ブラインドタッチになると、入力スピードは「見て打ち」で入力するより、うんと遅くなります。なぜなら、ずっとディスプレイで自分が書いた文章を「読み続け」ているので、嫌でも「推敲」してしまうからです。
「この言い回しだとくどいな」
「この表現より、こっちの方が分かりやすいな」
「ここは、もう少し詳しく書かないと伝わらないぞ」
などなど、考えて、検討してしまうからです。
ブラインドタッチだと、キーボードは一切見ることなく、ディスプレイだけを見ているので、自然とこうなるわけです。
つねに自分の書いた文章の読み直しをしている状態ですから、文章のおかしなところも気になるのです。
特に仕事に関するビジネスメールなどなら慎重に内容を検討しなければならないわけですから、何度でも読み直ししますよね?
ところが!
ブラインドタッチができない人は、この「読み直し」と「推敲」ということができません。その余裕はまずないはずです。
なぜなら、ブラインドタッチができないと、文章入力時、キーボードを「チラ見」するしかないからです。
一度試してみていただければ分かりますが、何か文章を書きたいと思って頭の中に少し長めの文章を思いついても、キーボード上のキーに描かれている文字の羅列を見たとたんに、どんな文章を書こうとしていたのかをどんどん忘れていくはずです。
人間の頭は視覚から入ってきた文字と、頭の中で考えている文章の文字の両方を処理できるようにはできていないようなのです。
なので、書きたかった文章を瞬時に忘れてしまいます。で、文章の出だしの数文字を打った後で「えっと、なんて書きたかったんだっけ?」となって、自分が書こうとしていた文章を思い出そうとするわけです。
そもそも、思いついた文章を、キーを探している間に忘れて、数文字見つけて打ち込んでから、また思い出すのですから、そりゃ遅いですよね。
「見て打ち」をやってる人は、ほぼほぼこういう事をされています。
逆にブラインドタッチャーは、思いついた文章が、画面をじっと見ている間に画面に自動的に出てきますから、まさに自分の書きたかった文章がディスプレイに存在しているわけでして、忘れようがないんです。構造として真逆ですね。
でもブラインドタッチが出来ない人にとっては、この「忘れて思い出す」という手間をこそ「短く」したいわけです。キーボードを一切見ることなく入力できれば、そんな「忘れて思い出す」という工程そのものが一切なくなるのですが、そこは知らない世界だから思いつきません。
「ブラインドタッチを覚えれば、この忘れて思い出す時間を超!短くできるんだ」
という発想になってしまうんですね。
いや、ここまで論理的に整理してスピードを求めているわけではないと思いますが、とにかく「思いついた文章を忘れないために速く打ちたい」という欲求がかなり強いのだと思います。
だから、パソコン教室へ「ブラインドタッチを学びたい」とやってくるお客さまは「とにかく入力速度を速くしたい」と要望するし、ブラインドタッチの講座は、いつも「入力スピード」を売りにするしかなくなってしまうわけです
でも、実際にはブラインドタッチャーは、自分の文章を読み直しながら、修正もしっかりと何度も行ってビジネスレターや各種のメールを書いている、ということなので、おそらく入力スピードはブラインドタッチャーの人より遅いくらいなのです。
そして、ブラインドタッチが出来ない人は、文章の「推敲」もできないような形でしか文字入力ができないわけです。
これが、ブラインドタッチにおける「入力スピード」の神話問題なわけです。
はっきり言ってしまえば「チラ見の時間をうんと短縮」しても、ブラインドタッチにはならないんですね。
なぜかというと、ブラインドタッチを修得するには「絶対にキーボードを見ない」ようにして修得するしかないからです。たとえわずかでもキーボードを見る癖がついたら、そこでブラインドタッチ修得は失敗なんです。
このあたりのことも、分かっている人はかなり少ないですね。
ということで、今日のメルマガはここまで。
ではまた明日。
[KID'S SIGNAL No.255 -了-]
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