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手書きの文字は、「体の勢い」の記録なのです。
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[KID'S SIGNAL] キッズシグナル●第297号●2022年5月5日(木)
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さて、今日も「手書きのメモ」の特性について考察していきましょう。
●筆勢の違いで、書いたときに状態まで記憶・記録できる。
筆跡は、個人を特定する「自分専用フォント」という特徴を持つ、と書きました。しかし、手書きの筆跡は、パソコンのフォントのように、常に全く同じ、というわけではありません。
体調の良し悪しや、内面の充実度、あるいはメモを取った時の体勢のような条件などで、文字の「筆勢」が変わってきます。
これ、自分の筆勢というものは、他の人が書いたのではなく、自分が書いたのですから、そのメモに書かれている文字が、どうして歪んでいるのか、あるいは、とても力強く勢いのある字で書かれているのかなど、「メモを取った時の状態」まで記憶しているものです。
とくに、通常とは異なる状態だった時の記憶は、かなり明確であるはずです。
もちろん、酔っぱらっていたとか、高熱を出していたというようなコンディションが悪かった時の記憶は、思い出したくもないでしょう。
しかし、気分が高揚していた時とか、とても良い気分だった時のメモはどうでしょう? メモを取った時のモチベーションの高さが筆勢などに現われているのではないでしょうか?
特に、「良いアイディア」を思いついた時のメモなどは、そのメモの筆勢を見ただけで「あ、そうだ!」という閃めきが起こった瞬間・感覚まで、よみがえってくることがあります。
いや、アイディアをメモして残す、というのはアイディアそのものを残す、というより、そのアイディアを思いついた時の絶好調の自分を思い出すことにこそ意味があると言っても過言ではありません。
特に「このアイディアは面白いから、いろいろ展開してみよう」と思いついた時などは、そのメモに書かれているキーワードを中心に、もっとたくさんのバリエーションのアイディアを思いつく可能性がありますし、そもそも、そういう連鎖反応への期待があるからこそ、メモを残したりするわけです。
メモを残す、というのは、こういう「ベストコンディションの自分の感覚を保管し、必要に応じてハイテンションな自分を再生する」という重要な側面もあるわけです。
そしてこれは、「自分専用フォント」の「筆勢というコンディションの違い」という、自分にしか分からない情報の違いによって記憶されています。
これこそが、メモを「手書きで取るべき」とする、重要なポイントなのです。
ということで、今日のメルマガはここまで。
ではまた明日。
--------------[KID'S SIGNAL No.297 -了-]---------------
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