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「自然な流れ」で考えることが、とても大事なのだということなんです。

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KID'S SIGNAL NO:032
キッズシグナル:第32号
2015年5月12日(火)
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ゴールデンウィークも終わって、本格的に通常業務に戻られたのではないでしょうか? リフレッシュした頭でスッキリと仕事をはじめましょう。

ということで、今日は久しぶりに書籍の紹介をしたいと思います。

書籍は、


ストレスフリーの整理術
http://astore.amazon.co.jp/kids1226-22/detail/4576082116
デビッド・アレン 著
二見書房

です。

このメルマガでは、文具やツール、あるいは手帳などに興味のある方へもお送りしているのですが、そういう「整理術」関連の書籍としては絶対にはずせないのが、この「ストレスフリーの整理術」という書籍です。超定番と言えるでしょう。

この本は、整理術の考え方としてGTD(Get Things Done)という手法を提案していて、それがこの書籍の原題でもあります。
そして、「GTD」という3文字は、情報整理やスケジューリング、仕事のタスクの片づけ方の基本中の基本として、常に語られ続けている概念でもあります。

GTDというのはどういう概念かというと、簡単に言ってしまえば「気になっている仕事を全部一覧表にして書き出せ」ということです。
とにかく、ありとあらゆる「気になっていること」を全部書き出してToDoリスト化し、そのリストに従って作業をしていけば、あらゆるストレスはなくなり、仕事が効率的になる、という提案・考え方ですね。それをGTDと呼んでいると考えれば、おおむね間違ってはいないでしょう。

このGTDの手法は、ToDoの整理やスケジューリング、仕事の効率化などのノウハウとして大変有名ですし、超定番の書で、これを読んでなければ話にならない、というくらい重要な書籍なんですが、実は私、立ち読みで何度か読みかけては読まず、ずっと詳しい内容を知らずにいたのです。

でもまぁ、こういうメルマガもはじめたし、これを読んでいないというのは恥ずかしいぞーと思いまして、一度ちゃんと読んでみようと決めて読んでみたわけです。

しかし、実際に読んでみると、どっひゃーというくらいにびっくりでした。

「なんでこれを読まずにいたんやー!」と自分をなじりたい気分です。

立ち読みで読んだ時は、内容が抽象的すぎて「あまり良い本ではないな」と感じていたのですが、実はその抽象的な「考え方」にこそ重要な意味がある書籍だとわかりました。

GTDというと「頭の中にある気になることをすべて書き出す」とか「週次レビュー(やるべき事リストの整理)が重要」とかの具体的な「手法」にばかり話が行くのです。

そしてそれは、具体的な行動が大事、と言う意味ではしごくまっとう、重要な部分なのですが、しかし、「具体的な行動」というものには、しっかりとした理論的背景がなければ、効果も期待できないでしょうし、効果がなければ続けようという気にもならないはずです。

そして、その「理論的背景」となるものが、「ナチュラル・プランニングモデル」という著者のデビッド・アレン氏が提唱する超抽象的な考え方です。

ナチュラル・プランニングモデル、というのは、物事の問題解決への計画を立てるための「とても自然なステップ」の事なんですね。
それは、

1)目的と価値観を見極める
2)結果をイメージする
3)ブレインストーミングをする
4)思考を整理する
5)次に取るべき行動を判断する

という流れです。これはごく自然に何かを実行する時の「自然の流れ」なんですね。

「お昼ご飯をどこで食べるか?」というような事柄でも、「おなかすいた。何か食べよう」と目的と価値観を決め、「食べ終わって満足している」結果を思い浮かべて、どの店に行くかのブレストをして、「食後に読書もできる店がいいな」とかの自分の思考の整理をしてから、出かけるという行動が決まる。これが「自然な流れ」なわけです。

しかし、実際の営業活動などでは、上記のステップを逆にたどって失敗してる例も多いのですね。

まず、とにかく営業に活動させて情報を取り、それから混乱している状況を必死に整理して、で、この混乱をどう解決すればいいのかのブレストをやって、それでなんとか「うまく行く結果」をイメージできるようになってきて、そこまできてやっと「あ、私たちがやりたかったのはこういう事なんだ」と、自分たちの目的を設定できたり、価値観が見極められたりする。

まったく逆の流れですよね?

デビッドアレンさんに言わせれば、この逆プロセスから始めるのでは効率が悪いから、まずナチュラルプランニングモデルで、目的と価値観を見極めた後に、結果・ブレスト・思考の整理・行動と流れを作るべきだとしています。

そして、「頭の中身を俯瞰すること」「個別の案件のあるべき姿を考えてみる事」「次にとるべき行動を考える事」「これらを習慣にすること」という大きな柱があって、それを実践するための具体策として、Todoのリストアップや週次レビュー(リスト整理)があるという、「流れとしての情報整理」を説いているという事がとても大事なんです。

なので、結局この本のキモはP.70にある「ナチュラル・プランニングモデル」にこそある! と断言できるでしょう。

気になる事のリストアップと週次レビューばかりが話題になるGTDなのですが、それよりも、その背景にある「よい結果を得るために最適な行動を10秒で良いから考えてみよう」という考え方、「ナチュラルプランニングモデル」こそが大切なのだなぁと実感しました。

「考え方」こそが本当に重要で、これは、情報整理系の書籍では、絶対に読まねばならないという、まさに定番の一冊でありました。






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