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「テレビはウソばかり言う」という事の代表が「血液型人間学の科学的否定」であることをご存知ですか?
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[KID'S SIGNAL] キッズシグナル●第333号●2022年6月10日(金)
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%name_sei%さん、こんにちは。
えー、このところ「テレビはウソばかり言うからテレビは見るな」という話ばかりしてる気がします。
「テレビは見るな、本を読め」という話ですね。
で、「テレビはウソばかり言う」という事の代表例として血液型の話をしたいと思います。
えっとですね、テレビではいまは血液型と人間心理の関係に関する番組は一切やってないんですね。
で、テレビ界においては、そういう血液型人間学のような企画は、いくら出しても一切通りません。
まず、この事実があるんです。
で、なぜそうなったのか? と問うとテレビ業界の方々は「血液型と性格の間に関係性があるという科学的な根拠はない」という、主に東大心理学系列の最終結論が話題として出て「だから企画は通さないんです」という事になってるんです。
なってるんですけど、これは単に「ああ、良い言い訳が見つかった!」という事で使われてるだけで、テレビ局の本音は「血液型と性格とかの番組作ったら視聴者からものすごい批判が来るから絶対アウト!」なんです。
分かりますか? これ。
実はですね、テレビ局が本気を出して血液型と性格の関係性を調べるような番組を作ると、どうしたって「関係がある」としか思えないような番組になってしまうんですよ。
で、そういう「血液型と性格の間に関係性がある」というような内容の番組を作ってしまうと、視聴者から、それはそれは、とんでもない批判の電話が殺到するんです!
ここが一番重要!
「人間を血液型で決めつけるな!」という声が、ひっきりなしに電話で寄せられて、テレビ局は対応できなくなっちゃうわけです。
これね、科学的に正確性のあるような実験とか取り組みとか、すればするほど「関係がありそう」となって、より一層「決めつけるな!」批判が増えるんですよ。
具体的にはいまから十数年前だと思いますけど「血液型と性格と言っても、大人になってから身に着けた性格も多いだろう。しかし、そもそも血液型には共通する『気質』があるのではないか? であるのなら、後天的に身に着けた性格とは関係のない幼稚園児を血液型ごとにグループ分けして、それを観察してみてはどうだろう」という番組があったんですよ。
そしたらこれ、それはもう、驚くくらいに、血液型ごとに子供たちの反応が違うし、同じグループ内ではまったくと言って良いほど同じ反応をするんです。
たとえば、幼稚園に入る時の靴の揃え方。A型は全員キチンとしていて、他の血液型はバラバラ。お風呂に入ると、大きなお風呂の真ん中で目立ちたがるのはO型グループ、他の血液型は周りでおとなしくそれを見ている、などなど。
この番組は、僕はまったく見ていなかったんですけど、その実験結果を聞いて「あー、やっぱりそうだったんや!」とものすごく納得したわけです。
しかし、テレビ局ではそれどころではなかったわけです。
当然「決めつけるな!」の声は圧倒的に強かったし、「やらせだ!」という声もものすごく多く、そのうえ「子供を実験台に使うなんて!」と実験の趣旨も理解してないような猛烈な批判の電話がずーーーーーーーーーーーーっと鳴りっぱなしだったそうです。
こんな企画、業務が滞るから二度とやりたくないし、そもそも一般大衆の方々が「決めつけられた」と嫌な気持ちになってしまうような番組に、スポンサーになってと企業におすすめできるはずもないわけです。
だからテレビでは、「血液型と性格の間には関連性を示す科学的根拠はない」という「結論」が採用されて企画を出さなくなったのです。
しかし、ですね、この「血液型と性格の間には関連性を示す科学的根拠はない」という結論は、そもそも心理学がいまだに「性格の定義」すら出来ていないということが「根拠はない」とする一番の理由なのだ、ということを分かってる人なんか全然いないわけですよ。
クレッチマーの性格分類とかありますけど、決め手に欠けるし、そもそも心理学では「性格」というものを分類すること自体が不可能な状態です。
で、何より、この「結論」自体、明治のはじめに「血液型と性格」の関係性を取り上げた古川竹二の「血液型による気質の研究」論文からはじまっていて、実はこれが当時、とんでもないブームを巻き起こすんです。そのブームがものすごいものだったから、古川氏は学長にまでなるとかそういう話になってきて、実はそれを妬んで派閥闘争が起きたわけです。それで心理学の世界が本当にぐしゃぐしゃになって、これではいかん、と、なんとか矛を収める方法として「心理学的にはまだ性格というものを定義もできていないのだから科学的に根拠を出して結論づけることはできない」というところで落ち着いたわけです。
ようするに、現代のテレビの批判電話と同じことなんですよ。形は違うけど、あまりに関係性がありそうだから一気に話題になって、それで大騒動になる。
まったく同じことなんです。
●あまりに関係性がありすぎる
のが問題なわけです。
分かりますか?
分かってくださいね。
で、血液型と性格の関連性を示す大規模な調査や実験も、それこそ全世界で大規模に行われていますけども、そもそも「性格とは何ぞや」というところがあいまいなまま、たとえば、どう考えても「それはおかしいやろ」というようなクレッチマーの性格分類とか、そういう基準値を「とりあえず」使って実験してるわけですから、まともな結論が得られるわけがないんですよ。当たり前の話です。
だからその手の実験は全部「科学的な関連性は見つからなかった」になるわけ。
あたりまえやん!
まず先に「性格とは何か!」とか定義を考えてから実験しろ! バカ! という話なんです。
だから、この心理学的な「結論」を持って「血液型と心理の間に関係性があるというのはエセ科学である」と言ってる奴は、なんの勉強もしていないし、身の回りの人間の性格をじっくり見てもいないし、人を愛するという気持ちすらもない、どうしようもないバカなのだ、ということなんですよ。
身の回りの事実をキチンと観察もせずに「〇〇ということになっている」という通説を信じているだけの頭の弱い人だと思ってかまいません。
そういう人の話を信用してはなりません。
とはいえ、あまりにセンセーショナルな話は、やっぱりテレビでは取り扱えないよなぁとは、僕も思うのです。
だからこればかりはしょうがないよなと思います。
えーと、血液型に関しては、まだまだ書きたいことはありますが、長くなるのでこのへんで。
ではでは、また明日。
--------------[KID'S SIGNAL No.332 -了-]---------------
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木田 茂夫 :kids@kidashigeo.com
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