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「ニセブラ」の人は悪気なく、「やってはいけない練習」を世の中に定着させている。
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[KID'S SIGNAL] キッズシグナル●第421号●2022年9月6日(火)
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今日はまたブラインドタッチの話をしますが、このあたりから、多分「世間の常識」とは全然違う話をたくさんしなくてはいけなくなります。
それこそ「え? そうなの?」と驚くことばかりになるんじゃないかなぁ。
理解してもらいにくいと思うので、しっかりついてきてくださいね。
まず、世の中には期せずして職場の「PC名人」「世話役」「パソコンの先生」になった人が多数いるわけです。
で、そういう人たちは、自分の努力でコツコツ勉強しているので、別に「本当にキチンと出来る人から学んだ」というわけではなかったりします。
で、ブラインドタッチに関しては、昨日も書きましたが「本当にキチンと出来る人」が極端に少ないのです。
だから、みんな「本物のブラインドタッチャー」の現実を知らずに、自分の想像をベースに「大きな勘違い」をしたまま努力されてるんですね。
で、その「大きな勘違い」のもっとも重要な部分が「修得時間」なんです。
先にも書いたようにブラインドタッチに必要な修得時間は長く見積もっても、たったの7時間です。
実際には3時間~5時間ほどの練習で身についてしまいます。
でも、「ニセブラインドタッチャー」の人たちは「ものすごく長い修得時間が必要だ」と信じ切ってるんです。
これは、僕もそうだったから、よく分かります。絶対に半年以上かかると思ってました。
なので、ここで「練習方法」の選択で大きな大きなミスを犯すのです。
「どうせ修得に長い期間がかかるのなら、楽しく長く続けたい」
と考えるのです。
そして大半の「うちの会社のPC名人」たちは、ゲームタイプの練習ソフトに手を出すんですね。
これがすべてのブラインドタッチ問題の元凶なのです。
ご存知の方も多いかも知れませんが、世間的には「ブラインドタッチゲーム」というのは、超恐ろしいほどの大ヒットをしているんです。
それはもう、いろいろな会社から多様な種類のソフトが販売されて、毎年ゲーム内容の更新があって(おもに登場キャラクターの変更だけですが)、とっつきやすいイラストと楽しそうなゲーム性で膨大な本数を売り上げているわけです。
一時期はゲームセンターにキーボード付きのゲーム筐体が登場してタイピングゲームが世間をにぎわしたこともあるくらいです。
このゲームタイプの練習ソフト。
あれでブラインドタッチが身に付くか? というと、
●絶対に身に付かない!
のです。
これは断言できます。
なぜなら、ブラインドタッチの練習目的は「キーボードを見ずに思い通りの文字を打つこと」なので、練習ソフトは、
●キーボードを一切見ずに練習できる
ように作ってなければならないのです。
ところが、ああいうゲームタイプの練習ソフトは
●キーボードをチラ見しないと点数すら稼げない
仕様になっているものがほとんどなんです。
画面にいきなり「リンゴ」とか「パソコン」とかの単語が出て、「この文字を打て!」とゲームが始まるものがほとんどなんです。
ゲームセンターにあったソフトもそういうタイプ。
そんなもんね、キーボードのどの位置にどのキーがあるかも分かってないのに、いきなり単語を出されたらキーボードをチラ見するしかないじゃないですか。
なので、あの手のタイプのゲーム型練習ソフトで練習を始めた人は、もうみんな「チラ見」のクセがついてしまします。
でしょ?
で、ここではっきりと書いておきますが、あの「チラ見」は、
●ブラインドタッチ練習では、ぜーーーーーーーったいにやってはいけない手法。
なんですよ。
なぜかと言うと、「キーボードを見ずに文字を打つ」練習なのに「キーボードを見るクセ」がついてしまうからです。
これ、本当に悪いクセなんです。
絶対にこの悪いクセを身に付けたらダメなんです。
なぜかと言うと、この「悪癖」を取り去ってしまうというのが、超、超、超、難しいからなんです。
だから、世間で一般的な「ゲームタイプのキーボード練習ソフト」は、ブラインドタッチ習得のためには、
●絶対にやってはいけない練習
なんですよ。
知ってましたか?
でも、「ニセブラインドタッチャー」の人たちは、「これが本当のブラインドタッチとは言えないかもしれないが、入力速度はかなり上がってきたし、実用的だから、これでそう悪いこともあるまい」と思って、実は周りにも「ゲームタイプの練習ソフトで練習したよ」と教えてしまうんですね。
本当に最悪です。
良かれと思って「害毒」を垂れ流してしまうんです。
これねぇ、実は「キーボードを一切触ったことがない」状態より悪くなっているんです。
分かりますか?
パソコンもキーボードも触ったこともない人だと「キーボードをチラ見して文字入力する」という悪いクセ自体がないんです。
ところがゲームタイプの練習ソフトで練習すると、この余分な「チラ見グセ」ばっかり学んでしまうんですね。
実際、僕が開発しているブラインドタッチ練習ソフトで、まったくゼロから学んだ人は、一切キーを見るクセが付かないんです。
だって、キーボードを見なくても「思った文字を打てる」ように作ってあるからです。
そして、ここが肝心なのですが、
●まったくゼロの完全初心者より、悪いクセのついた人の方が、ブラインドタッチ修得には時間がかかる。
のですよ。
それも、そういうゲームタイプのソフトで、たくさん練習してきた人ほど悪いクセがこびりついていてクセを取るのに苦労するんです。
コツコツ、コツコツ、自分の意思で努力してきた人ほど、悪いクセがこびりつくだけ、になってしまう。
本当に最悪なんです。
ということで、今日は「ニセブラインドタッチャー」の悲劇についてお話しました。
最後の方は、ほとんどホラーだったかも知れません。
このメルマガの読者の方の中にも、こういう「ニセブラ」の方がおられるかもしれないからです。
「えええええー、わたしの努力はなんだったのー! 聞きたくなかった!」
と思っておられる方もいるかも知れません。
すみません。
でも、これが現実なので、受け入れてください。
お願いします。
ということで、明日もまた、このブラインドタッチの話が続きます。
ではでは。
--------------[KID'S SIGNAL No.421 -了-]---------------
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木田 茂夫 :kids@kidashigeo.com
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