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ブラインドタッチと、「入力スピード」との間に相関関係なんか一切ないということをご存知でしたか?
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[KID'S SIGNAL] キッズシグナル●第422号●2022年9月7日(水)
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さて、昨日は「ニセブラインドタッチャー」という人種は「キーボードのチラ見」という悪癖が沁みついてしまっていて、パソコン経験ゼロの初心者より「よくない状態」になっている、という話をしました。
実は、この「チラ見するクセ」というものが原因で、多くの「ニセブラタッチャー」たちは、異様に「入力スピード」にこだわるようになってきます。
あなたも聞いたことはないでしょうか?
「ブラインドタッチって、あの高速でキー入力できる奴?」
というようなセリフ。
この言い回し、世の中にすごく多いんですね。
それだけ、「キーボード入力はスピードが重要」と思われているわけです。
でも。
僕は完全なブラインドタッチャーですが、入力スピードなんか気にしたことはほぼありません。そんなこたぁ、どーでもいい。
なぜどうでもいいか? というと、ブラインドタッチだと、頭で考えた文章が自動的に画面に現われてくるような状態になるからです。
「考えた言葉が自動的に画面に出る」のですから、基本的には、「自分が文章を考えるスピード」より入力速度が速くなっても意味がないわけです。
ところが、「ニセブラインドタッチャー」の人たちは、そういうわけにはいかないんですね。
入力速度こそが、「文章を書くために絶対必要な生命線・命綱」になってしまうんです。
なぜか? 話はものすごく簡単で、
●キーボードを見るためにディスプレイから目を離すと、自分の書いた文章を忘れてしまうから。
なんです。
文章というのは、とどのつまり「一本の長い線」のようなものでして、それまでに書いてきた内容と、これから書いていこうとする内容がうまくつながっていないと文章にならないわけです。
なので、ちゃんと文章を書こうとしたら、自分の書いた文章がつねに「視認」できる状態でないと、文章を書くこと自体ができないわけです。
キーボードの「見て打ち」は、この最低限の必要条件を破壊するんですね。
もうね、キーボードをチラッとでも見た瞬間に、ディスプレイ上にある自分の書いた文章なんて簡単に飛んでしまいます。
忘れちゃうんです。
ブラインドタッチャーは、この「自分が書いた文章」をつねに監視し続けられる状態なんです。画面から目を離すことはありませんから。
しかし「ニセブラタッチャー」は「キーボードのチラ見」をするしかないので、つねに「自分の書いた文章を忘れている」状態なんですね。
だから、キーの位置を確認してキーを打ったら、一刻も速く画面を見る状態に戻らないといけないんです。
なので、ニセブラタッチャーは「画面←→キーボード」の視線移動を超超超高速にして「自分が書いた文章(と、これから自分が書こうとしている文章の両方)を、「忘れてしまわない」ように、高速で打鍵しなければならなくなるのです。
ブラインドタッチャーの場合は、ずっと画面を見続けていて、そこに自分の書いた文章はつねに表示されていますから、必要に応じて読み返せばいいだけ。
「忘れてしまう心配」なんかありません。
どんな「続き」を書けばいいかを考えるだけで良いのです。
ところが「キーボードの見ながら打ち」をする人は、キーボードを見るたびに「書いた内容」を忘れているわけです。書いた内容を忘れてしまう状態だと、実は、いま打ち込もうとしている「続きの文章」も、覚えておかないとダメになるわけです。
だから、とにかく高速で「思いついている文章」をキー入力してしまって、もう一度ディスプレイを見て問題がないかどうかを確認しなくてはならないわけです。
これが、「ニセブラタッチャー」が、ひたすら「高速入力」をあがめるような風潮を作り出している原因なんですね。
ブラインドタッチに関して、世の中がどうなっているのか? というのを調べてみたりもしているわけですが、この「高速入力信奉」はかなり根強いなぁと思います。
よく見かける言い方が
「当初と比べて、かなり文章入力が速くなってきました。もう少し速くなれば、ちゃんとしたブラインドタッチになれるんじゃないかな」
というもの。
いや、それ、無理だから。
そんなことしてたら、いつまでたってもブラインドタッチャーにはなれないから。と絶望的な気持ちになってしまいます。
「ゲームタイプの練習ソフト」でブラインドタッチを習得しようとした人は、いま、こういうことで無駄な努力をえんえん続けていたりするんですね。
「もっと高速で打てるようになったら、完全ブラインドタッチになる」
これです。
この間違った思い込み。
これが世の不幸を生み出していると思う。
本当にこういう悲惨な状況をなんとかしたいなぁと思うわけです。
ということで、話はまだまだ続きます。
--------------[KID'S SIGNAL No.422 -了-]---------------
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木田 茂夫 :kids@kidashigeo.com
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