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世の中というのは、「おかしな正義」で「間違った対応策」が広がるものなんですよ。悲しいことに。
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[KID'S SIGNAL] キッズシグナル●第515号●2022年12月9日(金)
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%name_sei%さん、こんにちは。
ちょっと自分でも「ああそうか!」という気付きが大きかったので、また「裏紙利用」の話。
そもそもミスプリントやミスコピー用紙を減らすべきだ、という話だと書きましたけれど、そういう話とは別に、
●パソコン上で書いたものは、プリントして読まないとチェックできない。
という恐ろしいルールが、どうにも世の中には蔓延してるんだよね、ということに思い至ったわけです。
「いや、それ、ほんまか?」
と思うわけです。
確かに、大昔はパソコンの画面も小さかったし解像度も低かった。640ドット×400ドット(NEC-9801シリーズ)なんていうのが普通だったわけです。
そういう条件のころは、プリントアウトしないと読み返せない、文章チェックできない、ということはあったと思うわけです。
(と言いつつ、そんな「狭い」画面の時代でも、僕は「高速スクロールエディタ」と、「アウトラインプロセッサ」と、「キーワード検索」の組み合わせで、ほぼプリント作業をすることなく原稿チェックをしてましたけどね。それで充分だったし。プリントアウトしてる時間があったら高速スクロールで何度も読み返す方が圧倒的に確実でした。でもまぁ、僕の場合は特殊なのかもしれませんので、まぁ「例外」としておきましょう。)
しかし、いまはパソコンのディスプレイはかなり大きいわけです。
どんなにチープな環境でも、最低で1280×800くらいは余裕で表示していると思います。PC-9801時代の4倍の面積です。
このくらいの解像度があれば、ほぼほぼA4一枚分の表示はできます。
実際には、デスクトップのパソコンであれば、ディスプレイは自分で「買い足す」ことも難しくないので、こういうチープなディスプレイを2枚用意して並べて使う、なんてこともラクラクになってきてます。そもそもディスプレイの価格がとても安くなってきてますから、この程度の低い解像度のディスプレイなんて数千円であるでしょう。
WXGA++(1600×900)の有名メーカーのディスプレイでも1.5万円程度なのですから。
だからもう、「ディスプレイ上ではちゃんと校正できない」とかいう都市伝説をいつまでも抱え込まないで、さっさとディスプレイ拡張でもやれ! と僕は言いたいです。
こういう話は、まずハードをなんとかするのが一般人にとっては最重要項目です。
僕のようにマニアックなエディタを使って高速するロールするとかは使いこなしとか大変だから、そういうのは回避して、物理的に画面サイズを大きくすればいい。
この手のディスプレイを2台使いすれば、複数ページをドーンと全部表示することもできるはずなので、プリントして校正などをするのとまったく変わりなく作業できるはずです。
なので、「プリントして読まないとダメ」派は、さっさとディスプレイを買え!
もう「プリントして読まないと」というのは通用しないし、させてはいけないし、完全に否定して弾圧する。とんでもなく無駄だから。
と、「ディスプレイの2台使い」で最低限の保険を張った上で言いますが、本当は僕が640×400ドットの狭い狭い画面でもちゃんとチェックができたみたいに、
●テキストデータをしっかり読み返しできる機能のあるアプリ
さえあれば、じつは物理的に大画面を用意することすら必要ないわけです。
この「読み返し機能」というものの中には、WORDとか、エクセルとか普通のエディタとかメモ帳とかでも、たいてい「標準装備」されている、
●検索機能
というものもあるわけです。
僕は、自分が書いた原稿などでは、この検索機能は恐ろしいほど何度も使いました。
たとえば、長い文章を書いたとして、その文章の中で同じ言葉を同じ表記で記述しているかどうか? ということのチェックのために、こういう機能を使っていたわけです。
専門的な話になりますが、「表記の揺れ」というのは、長い原稿や複数人の著者がいる場合には、なかなか統一の難しい項目なんです。
これを確認するだけでも大変な労力が必要になります。
これは、いくらプリントアウトしたって、そう簡単にはチェックできません。
でも、パソコン上でなら簡単です。
検索用の入力ボックスに検索したいキーワードを入力して実行するだけです。それだけで、同じ文字が何か所で使われているかが、即座に分かります。
本当に瞬時で分かるわけです。
なので、自分が書いた原稿とかでは、いつも何度もこの機能で出来るか限りの「語句の統一」をやっていました。(語句の統一はやりすぎもダメなんですが、あまりにマニアックな話なのでやめときます。)
こんなことね、プリントアウトしたって、できゃしません。
だから、ちんたらとプリントアウトしてるヒマがあったら、とにかく「パソコン上でやれるチェック」を全部済ませてからにしろよ! というのをものすごく強く感じていたわけです。
「チェックしなきゃ」と言ってプリントアウトして、プリントアウトしてる間は他の仕事してるわけです。つまり「校正・校閲」の仕事自体は停止しているだけなのです。
で、それでプリントアウトチェックしてもね、「語句の統一」までは出来てないわけですよ。いやほんま。
意味ないやん! それ!
と思うわけです。
プリントアウトしてチェックして、それでいて「語句の統一」は全然見れてない。そんでもって「不要になったプリント用紙」ばっかりは増えていく。
で、僕がアイディアをまとめようとしたら「裏紙を使え」と言われるわけでして。
こんな理不尽な話はありません。
でもね。
フリーランスのライターになって長々と仕事をいろいろやってきて、そろそろ友人・知人や先輩たちも現役引退かな、と言い始めたころに、同年齢の友人のコピーライターにワープロソフト(WORD)とかエディタなどに標準でついている「検索」機能の話を降った時に「そんな機能があるの? 便利やな。知らんかったわ」と言われた時の衝撃!
え? 君、なんのためにパソコン使ってるのよ?
と、問いただしたくなりました。
君、ライターなのに、検索機能を知らんのかね? それで仕事は成り立っていたのかね? それほど世間は非効率の愚図愚図な世界なのかね?
と、思ったんですが、いや、愚図愚図な世界なんですよね、いまでも。
最近になってやっと分かってきました。
「裏紙を使え」とか「検索? なにそれ?」とかの方がメジャーだし、一般的だし、パソコンの機能を調べもせずに「文章チェックにはプリントアウトでしょ」と当然のごとく「裏紙用用紙」を大量排出する方が「標準の人間」なんですよね。
「環境保全のためにソフトの使い方を覚えよう!」とか言っても、多分そういう人たちには理解もされない可能性が高いよなぁと、しみじみと思うのです。
世の中というのは、このように「おかしな正義」で「間違った対応策」が広がるものなんだなぁと。
ただひたすら、そう思うばかりです。
ということで、今日はここまで。
ではまた明日。
--------------[KID'S SIGNAL No.515 -了-]---------------
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