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【みんな大好きお金の話】(4)「国の借金をもっと増やせ」が正しい理由、分かりますか?

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ [KID'S SIGNAL] キッズシグナル●第575号●2023年2月25日(土) _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ ---------------------------------------- このメルマガは、 「メモ・ノート・手帳を使いこなすためのStationery Book 42」 をダウンロードくださった方を中心に、毎日発行でお届けしています。 「Stationery Book 42」の更新情報なども掲載しています。 それらの過去記事のまとめは、メルマガ本文のすぐあとにリンクを掲載しています。 ---------------------------------------- %name_sei%さん、こんにちは。 ちょっと久しぶりに「みんな大好きお金の話」シリーズを書きたくなったので、少し書きます。 これまでに3つ書いてます。 ●【みんな大好き「お金の話」】お金って、どこで生まれているの? というお話。 https://kidscomp.exblog.jp/29969534/ ●【みんな大好きお金の話】借金は、必ず誰かの資産です。どんなことがあっても。 https://kidscomp.exblog.jp/29969563/ ●【みんな大好きお金の話】知っているようで知らない「二つのお金」紙幣と硬貨。 https://kidscomp.exblog.jp/29969569/ どれも面白いと思うし、経済の基本の基本を書いてあるので、良かったら読んでみてください。 また、上記の3本以外にも番外編的な話もちょろちょろ書いてますが、まだ過去記事としてもまとめていないし、ブログにも上げてないですね。随時やっていきます。 で第二回で「国の借金一千兆円、国民ひとりあたり800万円の借金」という考え方が根本的におかしい、間違った考え方だ、という話を書きました。 簿記三級程度の、「貸借対照表(バランスシート)」の知識があれば、「国の借金」という、どういう組織が借りているお金なのかよく分からない、あやふやな表現など、不明確な言い方自体がおかしいわけで、現実は「政府が国民(=民間)から千兆円借りている」としなければバランスシートとして書くこと自体できないわけです。 で、借り手は「政府」で、貸し手は「民間(国民)」なのですから返す主体は政府であって、国民ではありません。日本銀行ですらがちゃんと株式を発行している純然たる民間企業なんですよね。 もちろん、日本銀行は政府が株式の55%だったかな? とにかく半分以上を持っているので政府のコントロール下にある組織ではありますが、「国が株式55%を持っている」ということは、逆に45%の株は民間が持っているのだから政府組織とはまったく異なる民間企業なのです。 実際国債を買うのは銀行や生保、金融会社などの機関投資家ですから明らかに「民間」です。(もちろん個人の買主もいますし、海外資本が購入している場合もありますが、非常に少ない量です) これらを考え合わせると、いったい「国民一人当たり800万円の借金」というのは何が言いたいのか? と理解に苦しみます。 そもそも国債は金融商品ですから、国の償還を待たずして売買は行われていますし、常に現金化は可能なのですから、証券市場さえ安定して存在していれば、いつでも現金化できます。なので返済そのものが不要だとすら言われています。実際、国債の返済をしている国自体がほとんどありません。 というわけで、国民は、「お金を返してもらう」側なのですから、これらの現状を踏まえて言いなおすなら「国民ひとりあたり800万円の借金」ではなく、「国民一人あたりの資産に直すと800万円になる」とするのが正しいわけです。 良いでしょうか? この「国民一人当たりの額」は、「借金」ではなく「資産」とするのが正しいわけです。 さて、であるなら、国民の側からみて、「政府の借金(負債)」は、果たして「減らす」のが良いことなのでしょうか? そもそも、企業経営においては通常、数年先を見越して投資をしているのが普通ですから、単年度決算では赤字になってもなんの問題もないのです。 5年先の需要を見越して、銀行から借入をして研究開発棟を建てた、なんて話を、僕はコピーライターとして何度も何度も書いてきています。 そして、そういう「将来への投資」をしている企業は高く評価されますが、投資もしていない企業は評価が低くなるのがあたりまえです。 もう、これ、ほとんど「一般常識」の範囲です。 国家の施策などは5年計画や10年計画で実行していてもまったくおかしくありませんから、計画が複数進んでいた場合、単年度決算で赤字になっても、そんなことはあたりまえの話です。 それを単年度決算で黒字にしたい、とする財務省の「プライマリーバランスの黒字化目標(財政健全化目標)」というのは、そもそも「目標としてとんでもなく不適切」なんですね。 本当は、日本国民が将来を見越して平和で幸せな国になるように、現在の時点で「本当に効果のある施策」を、借金をしてでも実施しないとダメなわけです。 だから、「国の借金をもっと増やせ」という考え方こそが正しい、という言い方もできるわけです。 個人的には財務省の単年度決算でしか考えられない「プライマリーバランスの黒字化目標」は、国家としてあるまじき基地外目標であり、こんなものを掲げていては日本国民全体がとんでもなく不幸になるしかないと思っています。 ともあれ、会社経営においても単年度決算が赤字だから良くない、借金も返せないということはすぐには経営危機にはつながらない指標であって、そんなもののために国家という巨大組織が振り回されるのはかなりおかしい話であり、「借金は返さなければならない」という理屈とともに「もっとリターンを得るために投資額を増やし、赤字を拡大しなければならい」という考え方も平行して検討してはじめて「まとも」と僕は思います。 ということで、今日はここまで。 また、明日をお楽しみに。 --------------[KID'S SIGNAL No.575 -了-]--------------- ====過去記事一覧==== https://hankai.chakin.com/company/kidssignal/index.htm ==過去連載記事などのまとめ== ●文具関連名著42冊のうちのベストテン ●角二の封筒とファイルエクスプローラ。書類管理の基本はこれだ! ●「Stationery Book 42」ブックレビュー https://hankai.chakin.com/company/kidssignal/hukuro_file.html" ●あっと驚くブラインドタッチの秘密 ●ブラインドタッチ練習ソフト「WEEK」とは何か? https://hankai.chakin.com/company/kidssignal/blindtouch.html ------------------------------------------------ 僕のメルマガを面白いと感じてくださったら、 おともだちにメルマガ登録をおすすめください。 よろしくお願いします! ●無料メールマガジン[KIDS SIGNAL]読者登録フォーム https://www.itm-asp.com/form/?810 メルマガ・ブログの内容を紹介したい方は、以下のページが便利です。 ●メルマガ:KID'S SIGNAL & ブログ:コトノハコトバ 記事サンプルとメルマガ登録ボタンのページ http://www.kidashigeo.com/kotonohaselect.htm いつもほんとうにありがとうございます。 木田 茂夫 :kids@kidashigeo.com

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