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商品の魅力は、「価格分の価値」である、という公式をご存知ですか?
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[KID'S SIGNAL] キッズシグナル●第58号●
葉月(8月) 13日 / 2015年9月25日(金)
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%name_sei%さん、本格的に秋の気配が漂い始めました。読書の秋、食欲の秋。思索を重ねるにもとても良い季節ではないでしょうか?
私が最近、思う事は、コピーライターの仕事というのは、基本的に、
●価値の伝達
にあるんだな、ということです。
どんな商品にも良い点、魅力があって、それをお客さまに伝えなければ「買いたい」とは思ってもらえません。
その魅力を、分かりやすく、印象的に伝えるのがコピーライターの仕事だ、ということです。
この価値情報は、商品をお持ちのメーカーや企業の担当者の方から資料などをいただいて広告表現やパンフレットにすることもありますが、コピーライター自身が、
●価値の発見
●価値の創造
を行う場合もあります。
広告やマーケティングの世界では、超有名な話ですが、こんな実例があります。
1920年代初頭のアメリカでは、10社以上のビール会社が激しくシェアを争っていました。その中で5位に甘んじていたビール会社が、ある著名な広告制作者(クロード・ホプキンス)に広告を依頼したのです。
この広告制作者は、ビールの事を何も知らなかったので、製造工程をつぶさに見学・取材しました。
そして生まれた広告は、
「当社のビールは、ビンを清潔に保つ為に、高温の蒸気で消毒しています。」
というものでした。5位のビール会社の経営陣は「こんなことどこのビール会社でもやっているよ!なんでこんな事を宣伝するんだ? 優位性なんかないのに」と評価はとても低かったのです。
しかし、いざ広告を出してみると大ヒット。そのビール会社は業界のトップに躍り出たのです。
これは、「どこでもやっていること」ではあったのですが
「誰もお客さまにお知らせしていなかった」
事が、重要なポイントです。みんなが知らなかった事だから「価値」があったのですね。そして、その価値の本質は何か? と言えば、
●清潔で安全な商品供給に気を配っている企業です。
というとても基本的で、誰もが望んでいる「価値」だった、ということなのです。たぶん「おいしさ」以上に安心・安全が重要なのだと当時のビール愛飲家は、気づいたのではないか?と僕は想像しています。「おいしくて、しかも安全!」という事ですね。
これこそ、まさに「価値の発見」を広告制作者が行ったことになります。
どこのメーカーでも同じような商品を出しているときに、「安全」という社会的な価値を上乗せしたから、一気に人気が出たわけです。まったくと言ってよいほど、同じような商品だったのに!です。
ここで分かる事は「価値」を上乗せすれば、評価が変わる、という事。
●価値が価格を上回れば大ヒットする
という当たり前の公式です。価値という情報を上乗せすれば、どんな商品であっても、比較対象的に値ごろ感が高まるのだ、という事です。
ですから、覚えておいていただきたいのは「価格分の価値」、つまり、
価値
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価格
という、この公式です。
(タイトルの「価格分の価値」という見出しで「値段に相応した商品価値ということか?」と予想された方は残念でした。)
いま世の中は、「価値」を変えずに、価格を下げてヒットを狙う低価格路線を狙う戦略が横行しています。
しかし、価格を変更するのではなく、「価値」を高めてヒットにつなげる戦略もまた、世の中には存在しているし、それは別に最新のマーケティング手法ではなく1920年代から存在していた、基本的な手法なのだ、という事なんですね。
「価値」は上手に見つけて、伝達しやすい表現で、印象深く表せば、お客さまに価格以上の魅力を演出することができます。あなたの会社、あなたの商品にも、お客さまにお知らせし損ねている「価値」があるのではありませんか? まずは、その「価値」を探してみてください。
その価値を発見したら、とにかく言葉にして伝達する、というのがもっともシンプルでわかりやすい方法でしょう。
そして、そういう文章作成が、私のようなコピーライターの仕事でもある、というわけです。
[了]
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