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どんな「特許」であっても、コピーライターがいれば「役立つ技術」に変換できるとご存知でしたか?
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[KID'S SIGNAL] キッズシグナル●第59号●
葉月(8月) 17日 / 2015年9月29日(火)
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スーパームーンの中秋の名月も終わりましたね。あなたは、どこであの美しい月をごらんになったのでしょう? なかなか良いものでした。
さて、今日は前回の話の続きをしたいと思います。
前回は、「価格分の価値」、つまり、
価値
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価格
という公式についてお話をしました。同じ価格でも、価値が多ければお客さまは、その商品に強い魅力を感じる、という事なんです。
実はこの公式、当たり前のように見えて、かなり重要な意味を持っているんですね。
たとえば、世の中には特許という他社が利用できな独特の技術というものが存在します。
その技術を利用しようとすれば特許料を払わなければならなかったり、勝手に技術を使うと訴訟問題に発展したりします。
ですが。
では、その特許は「価値」を生むのでしょうか?
ここが実はかなりの問題です。
いくら画期的な技術であっても、それを求める「お客さま」が存在しないのでは、残念ながら「価値」は生まないのですね。
だから、いくら画期的な技術であっても、「それを使いたい」という人が現れなければ商品価値が高まらない、という事になります。
先日読んだ本に、この件で大変面白い話が載っていました。
それは宇宙ロケットの姿勢制御を行うための「ジャイロ技術」に関するお話です。
宇宙ロケットに活用する技術ですから、非常に精度の高い姿勢制御技術なんですね。当然特許技術でしょう。
しかし、宇宙ロケットを飛ばせるお客さまなんて、世の中にそんなにたくさんいるはずがありません。ですから、普通に考えれば、この技術はロケットのための専用特許というだけで話は終わるはずだったんです。
しかし、この技術は、イタリアの超豪華なクルーザーを製造しているメーカーから問い合わせがあり、クルーザーの姿勢制御に活用されたんですね。
では、なんのためにこのジャイロ技術はクルーザーに導入されたと思いますか?
実は、超豪華クルーザーですから、港で停泊している時に、オーナーが船の中でパーティーを開きたいという要望があったわけです。そしてそのパーティーで「ワインをこぼさず飲みたい」というニーズがあったわけです。
わかりますか?
ワインですよ。
それがこぼれないようにする技術ですよ?
「そんなもん、深めのコップで飲んどけ!」と、超金持ちというわけではない私は、大阪人的に突っ込みを入れたくなるのですが、やはりそれはそれ、ワインはワイングラスになみなみ注がれていなければ趣も、おいしさも発生しないのかもしれません。
いやすごいですね。
宇宙ロケットの技術で「ワインをこぼさない」です。
すごいニーズが発見できましたから、このジャイロ技術はお金になったわけです。良かった良かった。
いや、この場合はそれでいいでしょう。
でも、「活用先」が見つからなかったらどうなるのですか? 単に宇宙ロケットに使われて終わりですか? すごい技術を持ってるのに。
でも、コピーライターなら、その特許技術をマーケティング的に活用することは十分可能なんですね。
たとえば、このジャイロ技術なら、宇宙ロケットに使われたという「人類の最先端分野を切り開いた事実」自体が、充分に売り物になるだろうと、すぐにあたりはつけられます。
この特許技術があるだけで、企業としての志の高さを格調高く訴えることもできるでしょうし、どの商品にでも、そういう人類最先端技術が生かされているというイメージで、文章を作成することもできます。
ただそれだけの事で、企業や商品の「価値」自体をグンと高める事が可能になるわけです。
でしょ?
思いませんか?
宇宙ロケットに使われた技術と聞けば、そこまでの価値を感じてもおかしくはないですよね?
極端な話、そこまで最先端の技術であれば、商品の魅力どころか、「価格」自体を高めることまでできなくはないわけです。
でも、これ、キチンと論理的に、読んだ方が納得できる形で文章にしないと、誰もそんな風に「価値」は感じてくださいません。
「宇宙ロケットに使われた技術です」「ああそうですか。それで?」となっておしまい。
だれかが、企業価値や商品価値と結び付けて「ああ、関係があるかもなぁ」と思ってくれてはじめて「そりゃすごい」という話になるわけです。
これをビジュアルで、ロケットやジャイロ装置の写真をカッコよく出したところで、「この高い技術が当社の製品に息づいています」とか、「このクラフトマンシップで、製品を作り上げています」くらいまでの納得させる一言を書いておかないと、「ああ、そう、良かったね」だけで終わって「価値」にはならないわけです。
なんでもないことのようですが、この差はかなり大きいという事なんですね。
[了]
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