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伝わらないコミュニケーションをするのはもったいないと思いませんか?
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      [KID'S SIGNAL]  キッズシグナル●第60号●
      長月(9月) 4日  /  2015年10月16日(金)
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%name_sei%さん、もう10月も半ばになりました。
キンモクセイの香りが毎日楽しめてうれしいですね。

さて、今日は先日テレビを見ていて衝撃を受けたので、そのお話を。

子供がまだ小さいのでEテレ、昔の教育テレビを良く見るのですが、その中で、若い人たちが独自の取り組みや仕事に関わっている報告のような番組があります。

その日紹介されていたのは、さまざまなボランティア活動を推進することを「仕事」にしている若い(と言っても29歳とかですが)男性。

あるIT企業(超大手です。通信系のインフラを担う会社ですね。)の社会貢献室の仕事をしている方でした。
その社会貢献室ではボランティア活動というものをもっと促進するために、さまざまな社会貢献活動に参加したいと思っている人をインターネットを通じて募集するというプロジェクトを行っていたのです。
複数のプロジェクトがあって、海外に出かけるボランティアもあれば、震災支援のプロジェクトもあるという形です。

しかし、ネットを通じて募集をかけてはみたものの、200名目標の募集プロジェクトが、やっと100名にしか届かないという事態に陥っていたのです。成果がなければその担当者のクビもあり得る、というお話でした。

「はぁ、こりゃ大変だなぁ」

と、僕は思って見ていたのですが、その中でこの担当の方は、問題を洗いなおすために、まずボランティアをよく行っている人にインタビューをして、実際のサイトを見てもらい、どこで目を止め、どこでクリックするのかを観察していたわけです。

すばらしい! 常に受け手の目線での反応を確かめる。それこそ王道だ! と感心していたわけです。
やはり予算に余裕のある大手企業は違うなぁと。

見ていると、やはりサイトに出ている写真に目を止め、それをクリックすることが多い。
そういう事実を確かめ、今度は募集をしているNPOを訪ねることになります。

このNPOは、恵まれない子供たちにボランティアでサポートを行う団体でした。そこで参加してくれる人を募集しているわけです。いろいろなNPOがある中でも、ここで募集しているボランティア募集の人数は100人近い大枠です。
この大枠の反応がすごく悪い。

だから、この担当者は、このボランティア人員募集サイトの項目の「写真」を変更することにしたわけです。
というのも、この「こどものためのボランティア募集」のページに出ていた写真は、子供の世話をしている「大人」の写真がドーンと大きく出ているものだったからです。

「え?なにこれ?」と僕は思いました。

これでは何も知らずにページをさらさらと見ているような人には、

「こどものためのボランティアなのだ」という事が、全然わからないわけです。
確実に読み飛ばされます。
子供のために何か活動してあげたいなと思っている人がいても、そういう人をキャッチすることがかなり難しいのです。
(検索のキーワードで「こども ボランティア」などでやってきた人には問題ないかも、ですが、そういう人でも読み飛ばす可能性は大です。)

ウソやろ。なんやこれ。
でした。

いやいや、待て待て。こら、伝わらんで。と。

番組を見ていると、不幸な環境にいる子供たちをサポートする活動なので、子供たちの顔が映らないようにしたかった、というのが真相だったようです。

いやまぁ、事情はわかるけど、でも「子供のための活動」する人を募集するページに「大人の写真」はないんじゃないの? と思わざるを得ませんでした。

結局、その若いIT企業社会貢献室の彼がNPOの方と交渉して、なんとか子供の顔が映った写真を掲載することができるようになって、目標達成となったのですが。

でも、これ、ずっと印刷物などでコミュニケーションツールを作成してきた私としては、本当にあり得ない話でした。
子供の顔が映せないのなら、レンタルポジを使って「イメージ」としてでも良いから子供の姿を出さなければ、そりゃ最初から「意図」が伝わりません。

だから、もっと驚くのは、そういう基本的なところの検討・検証なしにとりあえずページを作って、それがうまくいかないからと、受け手のインタビューをして修正を行うというスタイルで作業が進行しているという事実。
うーん、工程として、かなりの無駄があるように思えてなりません。

いやまぁ、仕事の進め方としては全然間違ってはいないんですが、こういう初歩的なところでモレ・ヌケがあったまま進むのが、いまの世の中の仕事の仕方なのかなぁと驚くばかりでした。

確かにWEBの仕事は「改良し続けること」でして、私のように印刷物から仕事をスタートした人間のように「作る前にある程度シミュレートしてから制作する」というスタイルは、もう古いのかもしれません。
それでもこれは、少し想像力を働かせば分かる事なんじゃないのかなぁと驚くばかりだったというお話です。

伝わらないコミュニケーションをして、それを改良するのは、ちょっともったいないのではないでしょうか?

それよりも、「これなら伝わるだろう」と考えられるところまで作りこんでから、その成果を計測して、もっともっと良い形に改良した方が得られる果実も大きく、予算も無駄にならないのではないか?

やはりコミュニケーションは、単に形を整えるのではなく、「伝わるのか伝わらないのか?」という基本は押さえておかねばなりません。
これは時代を超えて当然のスタンスでしょう。

久々に考えさせられた番組でした。

[了]


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