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雑誌の「文章の書き方特集」に、ちょっと「物申したい」気分になったので書いてみます。

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ [KID'S SIGNAL] キッズシグナル●第611号●2023年4月2日(日) _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ ---------------------------------------- このメルマガは、 「メモ・ノート・手帳を使いこなすためのStationery Book 42」 をダウンロードくださった方を中心に、毎日発行でお届けしています。 「Stationery Book 42」の更新情報なども掲載しています。 それらの過去記事のまとめは、メルマガ本文のすぐあとにリンクを掲載しています。 ---------------------------------------- %name_sei%さん、こんにちは。 昨日、たまたま子供が読みたがっている書籍の受け取りに図書館に出かけたのですが、そこである雑誌の表紙が目に入りました。 特集のタイトルが「頭がいい文章バカな文章」となっていたので、いちおう長年ライターをやってきた人間としては、どういう基準でこういう特集を組んでいるのか気になりましてパラパラと眺めたのです。 まぁ一般的なビジネス誌ですから、「こんなもんかな」とも思ったのですが、途中に読者からのQ&Aに文章の専門家が回答する、というようなコーナーがあって、「どれどれ」としっかり読んでしまったのです。 そうしたら、もう、その質問も回答も突っ込みどころが満載で、「おい、おい、おい。おい、おい、おい」と、一言言わずにはいられなくなってしまったんです。 ということで、今日は、その「突っ込みどころ満載のQ&A」について、ちょっと書いてみたいと思います。 ネット社会になって、メールなど誰もが文章を書く機会も増えていると思うので参考にしていただければと思います。 ■1.伝わる文章とは何でしょうか? 最初の質問がこれでした。うむ。まぁわかったようなわからないような設問ですが、そもそも設問がタイトル一行しかない、という段階でおかしいんですよね。そんなもん文章の良し悪しなど状況で大きく変わるんですから。 でもまぁ、こまかいことは置いておいて、「専門家」の答を見てみました。 回答しているのは、A.お笑い系のライターさん、B.雑誌編集者、C.ビジネスコンサルというような人たち。 うーむ。この人たちが果たして「文章の専門家」としてふさわしいのかどうかがあやしい。 で、回答を見てみると、 A.のお笑いライターさんは「伝わるのはわかりやすい文章だ」とされていて、分かりやすい文章を書くにはどうしたらいいかという話を書いておられました。 B.の雑誌編集者の方は「逆に伝わらない文章とは何か?を考えて、それを避けよう」という話で、専門用語を避けようとか身内話では伝わらないとか、そういう注意点を述べておられた。 C.のビジネスコンサルの方は、義務教育を受けた人が理解できるように、というのが最低限必要な配慮でしょうという話をされてました。 ま、全員間違ってはいない。 間違ってはいないんですが、職業的に文章を書いてきた人間としては隔靴掻痒、かゆいところに手が届いていない感じがしてしょうがなかった。 伝わる文章とは何か? と考えた時、大切なのは、「何を伝えたいのか?」と「誰に伝えたいのか?」なんですね。この一番の基礎の基礎、基本の基本について誰も何も書いてない。大丈夫か? って思ったわけです。 伝わる文章を書く必要が出たなら、まず「誰に向けて書くのか」というのが最重要です。 マーケティングの用語で言うなら「ペルソナ」という言い方をします。 まず情報の受け手である「読者像」を明確にするのが「ペルソナの設定」なのですね。 文章が掲載される媒体が何であるのか? 雑誌であったり新聞であったり、企業の広報誌であったり、業界の専門誌であったり、「ビジネスの文章」と言っても多種多様です。いま例に出した、多くの読者に一斉に伝える場合もありますが、最近だとメールの文章なんていうのもありますから、これだと一対一です。 これらの媒体ごとに読者特性は異なるんですから、まずそこの把握が必要です。 で、その媒体特性から導きだされるおおざっぱな読者像を、一度グッと絞り込んでイメージしやすい「一人の個人」を設定する。というのが「ペルソナの設定」です。 この媒体は30歳〜50歳くらいまでの女性がターゲットです、おもに生活にゆとりのあるような方が読まれます、というような読者層が見えてきたら、これをたとえば「39歳既婚、子供はひとり、旦那さんは地方銀行の銀行員で収入は600万円…」というような感じで「代表読者」を設定します。 で、この代表読者に向かって文章を書いていく、というのが「ペルソナ設定」を使った文章術ですね。 まぁ、あまりテクニックに走るのは好きではないのですが、どちらにせよ、「伝わる文章」を書きたいのであれば「いったい誰に対して書いている文章なのか?」は、つねに意識しないとダメでしょう。 たとえ話を挿入するにしても、どんな話題が適切なのか? とかは、このペルソナ設定でずいぶんと変わってきますから。 さて、これで「誰に」の部分を紹介できたので、今度は「何を」の方です。 何を伝えるべきなのか? という事に関しては、「その情報を伝えた結果、読者にどうなってもらいたいのか?」を想定していないと、まぁまず「伝わる文章」にはなりません。 僕はもともと広告のコピーライターですので、商売として文章を書く時は、この目的部分に関しては重要で外すことのできないポイントです。 商品コピーなら商品を買ってもらうために文章を書くのだし、企業イメージを高めるためのブラインドイメージ広告なら、広く多くの方の共感を得られる内容を考えなければなりません。 読んだ方にどう動いてもらいたいのか? が「何を伝えるべきか?」を考える起点になる、ということです。 これで「誰に伝えるのか?」と「何を伝えるのか?」が明確になりました。 ここまでごちゃごちゃ書いてきましたが、それでも「誰に」と「何を」の二つだけです。本当はここに「どう言うのか?」という表現の仕方、という要素が入ってくるわけです。 それこそ、専門家のための業界紙・誌であれば、専門用語をシビアに選んで、数値情報なども適切に入れないといけない。 この特集コーナーの回答者の中に「雑誌編集者」がおられて「専門用語を使わない」と言っていたのは、それが「一般大衆向けの雑誌を作っている」という環境におられるからそう思うのであって、世間には、本当に超専門的な雑誌も存在していて、そういう雑誌に広告を出すとか記事を書くとかする場合は、専門用語をこそ「超正確に」使わないと、そもそも掲載してもらえません。 だから、「どう表現するか?」ということも、条件でかなり大きく変わってくるということですね。 僕自身は、「どう表現するか?」という部分は、書き手の個性でもかなり変わってくることなので「伝わる文章を書くにはどうすればよいか?」という設問への答としては「伝えよう!と思う気持ちの強さが表現として現われてくる。だから伝えよう!と真剣に考えましょう」という回答になるかなぁと思います。 これで、「誰に」「何を」「どう?」という文章を書く時の三大要素について書いたことになります。 物事の表現ということでは、この三要素が大切なのですが、僕は「どう書くか」という表現については、まぁ個人の好きにすればいいじゃんと思っているのでとりあえずは「誰に」と「何を」だけはハッキリさせれば、まぁ良いかな? とかは思っています。 ともあれ、文章を書くだけでなく、映像を作るにしても、ポスター一枚作るにしても、とどのつまり「表現する」という事においては、「誰に」「何を」「どう?」というのが重 要な3ポイントだと思います。 雑誌のQ&Aのようなコーナー記事であれば、基本中の基本の考え方を中心に演繹し、回答を組み立てて欲しいんだけどなぁと、かなり残念な気持ちになったので、ちょっと「自分の覚え」として、今日のメルマガのネタにさせてもらいました。 この他にも「なんだよ、その回答はよぉ!あかんやろ」と思うようなことが多々あったので、また記事にするかもですが、とりあえず今日は一問だけ書きました。 ということで、今日のメルマガはここまで。 ではまた明日。 --------------[KID'S SIGNAL No.611 -了-]--------------- ====過去記事一覧==== https://hankai.chakin.com/company/kidssignal/index.htm ==過去連載記事などのまとめ== ●文具関連名著42冊のうちのベストテン ●角二の封筒とファイルエクスプローラ。書類管理の基本はこれだ! ●「Stationery Book 42」ブックレビュー https://hankai.chakin.com/company/kidssignal/hukuro_file.html" ●あっと驚くブラインドタッチの秘密 ●ブラインドタッチ練習ソフト「WEEK」とは何か? https://hankai.chakin.com/company/kidssignal/blindtouch.html ------------------------------------------------ 僕のメルマガを面白いと感じてくださったら、 おともだちにメルマガ登録をおすすめください。 よろしくお願いします! ●無料メールマガジン[KIDS SIGNAL]読者登録フォーム https://www.itm-asp.com/form/?810 メルマガ・ブログの内容を紹介したい方は、以下のページが便利です。 ●メルマガ:KID'S SIGNAL & ブログ:コトノハコトバ 記事サンプルとメルマガ登録ボタンのページ http://www.kidashigeo.com/kotonohaselect.htm いつもほんとうにありがとうございます。 木田 茂夫 :kids@kidashigeo.com

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