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今日も雑誌の「文章術」の特集への「つっこみ」をやっていきます。
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[KID'S SIGNAL] キッズシグナル●第612号●2023年4月3日(月)
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%name_sei%さん、こんにちは。
昨日は雑誌の「文章特集」に物申したわけですが、他にも色々質問があって、どれも答がイマイチだったので、僕ならこう回答する、というのをお伝えしたくなりました。
なので、昨日と同じようなスタイルでやってみましょう。
■2.仕事ができる人の文章って?
設問の中に「仕事ができる人の文章ってどんなものでしょう?」というのがありました。
これなんて設問の意味自体がない。おかしな質問です。
どうおかしいのかは、後で説明しましょう。
かなりおかしな質問だなぁとあきれていたのですが、いちおう、この雑誌の特集タイトルが「頭がいい文章バカな文章」なのですから、まぁそういうレベルで質問も想定されているということです。
で、この質問に対する「専門家」たちの答が以下の通りです。
まず、A.のお笑いライターさんは、「要点がまとまっていること」として、そのあたりの話をしておられた。仕事ができる→ビジネス能力が高い→要点がまとまっている、という話なんでしょうけど、うーん、そうか? と思います。
B.の編集者の方は、「文章が明確で短い」というような話を書いておられた。これに関しては、いやもう妄想レベルかなぁとすら思います。本気?
C.のビジネスコンサルの人は「要件を先に書いている」というような事を書いてます。これも「そうなんじゃないかなぁ」というイメージだけの回答だと思う。
ということで、では僕の回答は何か? というと、「仕事が出来る事と、文章作成能力の間の関係性を考える事に何か意味はあるか? 多分ないよ」ということです。
これ、まともに考えればそうなるはずなので、上記のABCのお三方も、それは重々承知の上で、雑誌の企画のスタイルにあわせて回答された、ということなんだろうなと思うんですよ。いや、実際はどうなのか分かりませんけど。
で、僕の回答はどうなるか?というと、
■回答:「どういう状況であれ、まずあなたが仕事ができるようになることが先決で、仕事ができる人の文章スタイルをまねようとしたり、送信されてきたメールの書き方から送信者が仕事ができるかどうか、などの判定は一切できないし、無駄だからやめなさい。そして、あなたが仕事が出来る人、という信頼を得れば、あなたの書いているスタイルの文章が仕事のできる人の文章だ、ということになります。そもそも文章のスタイルなどで仕事ができるかどうかを判定すること、あるいは仕事の成果につながる文章スタイルを目指す事自体がナンセンスです」
と答えます。
えーと。例えばですね、仕事の出来る人で、けっこう多いのは、仕事は本当に信頼できる人と一緒にやるだけ、という人なんてとても多いです。で、そういう人は多分メールより直接電話するとかがメインのコミュニケーション方法になるはずです。
本当に仕事を成功させるには、かなり深い知識が必要で、それをいちいち文章でやっていては面倒で仕方ない、ということが実際には多いはずです。というのも、しゃべるスピードと、テキストデータを作成するスピードでは、しゃべりのスピードの方がはるかに早いんです。だからそもそも「仕事が出来る人」は文章によるコミュニケーションをメインの情報のやり取りツールとして使うことは少ないと思います。
なので、仕事が出来る人、ということと、「文章を書く」ということの間には、なんの関係も意味もないと思うのですが、「仕事ができる」という事の想定幅が、この記事では「一般的ビジネスマン」に限定されてしまっているんですね。
なおかつそういうお仕事の方にとっては根回しをメールで行うとか、「文章技術」が最低限必要なスキルになってきている、という現実があって、それに対処した「回答」だ、ということなんですよね。
だから形式としてはABCお三方のような回答が正しいということになるのでしょうけど、
●しゃべりと書き言葉では圧倒的に書き言葉が遅い
のですから、キチンとコミュニケーションを取るためには面談や電話などを主軸にしていかないとダメだ、ということです。この入力スピードの差は物理的に絶対に超えられないものですから、本当に仕事の上での「信頼」を得るには、会って話すしかないのです。ここは物理条件なので、本当に無視できないんです。だから、仕事の出来る人はそもそもしゃべりをベースに仕事を進めます。
そして、もうひとつ。この情報量の圧倒的な差を実感できるかどうかは、「仕事をきっちり成功させるぞ」という気合にかかわってくるということ。
メールなどの文章と、しゃべりの入力速度の違いなんて、まぁ普通の人には気付けないことなんです。だからこそ、「仕事を成功させるぞ!」という覚悟がないと、この文章と口頭との、とんでもない情報差は、見えてこないスキルなのだ、ということですね。
で、仕事が順調に進めば、たとえば「双方で納得した条件」などを、いったん文章にしておく必要が生じて、そこではじめて文章というものが出てくる。条件を明確化するための文章なのですから、「要点がまとまっている」とか「文章が明確で短い」とか「要件を先に書いている」とかのスタイルになるのは当然ですよね? ようは設問自体がそういう文章と「仕事ができる」こととの関係性を全然認識できていないへっぽこ設問だった、ということですね。
みなさんも、この入力スピードの問題を正しく理解して、出来る限り仕事は面談などを中心にするようにしてくださいね。
ということで、今日のメルマガはここまで。
ではまた明日。
--------------[KID'S SIGNAL No.612 -了-]---------------
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