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ハイパーインフレの定義ってご存知ですか? 知らなかったら使わないようにしましょう。
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[KID'S SIGNAL] キッズシグナル●第649号●2023年5月10日(水)
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%name_sei%さん、こんにちは。
今日はまた方眼罫の話を少し書いてみたのですが、面白くないのでやめました。
で、急遽、またお金の話をしようかな? と思ってます。
というのは、この連休前後にいろいろな方とお話をしていて、国の施策をあんなことをすればいいとかこんなことをすればいいとか、ご意見を伺っていたわけです。
でまぁ、その実行のための予算をどうするか? という話になって、僕が「そういうのは全部国債でやったらいいんですよ」という事を言ったら、その複数の方々全員が、まるで判を押したように、
●そんなことを国債でやったら、ハイパーインフレになる。
とおっしゃるんですよ。
え?
なんですか? と。
はいぱーいんふれですって? と。
僕は耳を疑ったんですが。
でも、全然関係のない人たちが同じように同じ反対意見を述べられるわけでして。
これはいったい何が起きてるんだろう? という感じでした。
少なくとも、うちの近所の土地持ちで道楽で畑をやってる方とか、うちの地域でかなり面倒見の良い事で通ってる地域の顔役さんとか、それに加えて、僕の弟とか。
全然関係のない、つながりのない人間が、みな同じように「かなり学問的におかしな間違い」を頭にインプットされてるわけです。
なんだこれは!
ということなんです。
説明すると長くなるので簡単に言いますけど、経済学はものすごくシンプルで、すべては「需要」と「供給」の関係で説明できます。
「需要」は欲しいと思って買う力の事。単純にお金のあるなしと乱暴に単純化もできます。
「供給」は、その欲しいと思われるものを提供できる能力、力のこと。これは工場や作業員、職人さんのことです。
ハイパーインフレというのは、この「需要=お金を持っている力」がとんでもなく強くて、「供給=商品・サービスを提供する力」がとんでもなく低い時に起こるんですね。
逆に言うと、この二つが超極端に離れていないと起こらないんです。
だから戦争が終ったあとのように工場が軒並みつぶれて、生産する作業員も戦争で死んでたとか。そういう状況ですね。
そういう状況の時に政府が悲惨な状況をなんとかするために、他にできることもないからと、国債を刷りまくってお金を超超ばらまきをしたら、みんなが金持ちになって、ハイパーインフレになるんです。
それこそパン一個が簡単には作れなくて、そんでもってみんなが超お金持ちだから、一個140円だったパンが一年で二万円くらいまで値上がりしてしまうと。
これがハイパーインフレなんですよ。
でも、いまの日本、工場つぶれてますか? 若い人は減ってるけど、サービスそのものは生産機械とかも充実してるから、全然物不足じゃないですよね?
「供給力が全然ない」というような状況ではありません。
だったら、「供給力がある」時に、いくら「需要」である、みんなの「お金を持っている力」を押し上げても、まぁまずまずハイパーインフレになんかならないんですね。
そもそも日本も戦後の混乱期は急激なインフレの時期でして、そのインフレ率はなんと500%。一年でモノの値段が5倍にまで上がる大変な状態でした。
でも、これはハイパーインフレじゃないんですよ。急激なインフレではあったけれど、そこまでひどくもなかった。
覚えておいて欲しいんですが、ハイパーインフレの定義って年率13000%の値上がり率なんです。「いちまんさんぜんぱーせんと」です。覚えておいてください。「500%」くらいはハイパーインフレではないんです。
このあたりは、経済学の基礎の基礎の基礎なので、分かっていたら「国債を発行したらハイパーインフレになる」なんて言うはずないんです。
でも、けっこう僕の知り合いの多くの人が、そういう間違った知識に侵されてるんですね。
たぶんテレビでウソを垂れ流してるんだろうなー、とは思うんですけど、僕はテレビをほとんど見ないのでよくわからないんですけどね。
まぁとにかく、ハイパーインフレの定義、というのは年に「いちまんさんぜんぱーせんと」、つまり130倍の値上がり、パン一個140円のものが18200円にまで値上がりすることを指すので、よほどの「供給不足」がない限り、そう簡単には起こらないんだと覚えておいてください。
国債を刷っただけでハイパーインフレには、しようと思ってもできないですねぇ、モノあまり気味の日本では。
いや、マジで。
ま、今日のメルマガはここまで。
ではまた明日。
--------------[KID'S SIGNAL No.649 -了-]---------------
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