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ということで、僕が「カリオストロの城」に腹を立てた核心のところ「だけ」を書きます。
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[KID'S SIGNAL] キッズシグナル●第657号●2023年5月18日(木)
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%name_sei%さん、こんにちは。
さて、このくらいの前置きを説明しておかないと、僕が「カリオストロの城」の何に腹を立てたのか? ということが分からないと思うので、前置きばかり長くなりました。
先に説明したように、宮崎駿は「カリオストロの城」の公開前に、自分自身の第一回監督作である「未来少年コナン」を成功させていました。
で、これはなかなかの名作で、僕はこの作品は、大変楽しんで観ていたのです。
で、この段階では、あのつまらないかった「ルパン三世」のテレビの第1シーズンの後半を担当したのが宮崎駿ということも知りません。なので、基本的に宮崎駿に悪印象もないわけです。
で、「カリオストロの城」が公開された時に、僕はけっこう期待して観に行ったんですね。
というのは、劇場用ルパン三世は、その前に「ルパン三世 ルパンVS複製人間」という作品があったんです。
でもこれ、「大人向けルパン三世」という触れ込みだったんですけど、ストーリーの骨格がSFだったので「いや、それはちょっと違う。映画でやるなら、やっぱりフィルムノワールやろ」と思って観にもいかなかったんです。
「これやないんや」
というイメージがすごく強かった。
いや、のちのち見てみたら、まぁそれほど悪い出来でもなかったんですけど、でもやっぱりテレビ第1シーズン、あの良さは全然ない。SFは違うのよなぁというのをかなり強く感じたんですよね。もっとリアルな現実の話でないとルパン三世の魅力は生きてこない。
そもそもテレビ第1シーズンの監督をしていた大隅正秋氏は、この劇場用第一作にも関わってないんですね。いや、当時はそういう「誰がテレビ版ルパン三世を作ったか?」ということも知らなかったので、ただただ、テレビ第1シーズン1話~6話くらいのイメージを持っていただけだったんですけども。
で、「カリオストロの城」が劇場用第二作として登場したわけです。
これは! とすごく期待したわけです。SFじゃない。城と伯爵が出てくる、正統派アルセーヌルパンの系譜。
おお、これだこれだと思って劇場に出かけました。
冒頭から偽札の強奪。で、アニメならではのカーチェイス。
実は、このカーチェイスで「ん? いやちょっと…」というのはあったんですけどね。クルマはフィアットだし、クルマ自体をキャラクターであるかのようにデフォルメした表現とか、「いやー、それはちょっと嫌だなぁ。んー、でもまぁ、ルパン三世の人気とか、ユーザー層とかを考えれば仕方ないか」と辛抱して見てたわけです。
ところが! そこから後はもう、許せないことだらけだったのですな。
なんでかというと、主人公が、ルパン三世ではなく、未来少年コナンの「コナン」だったからです。
アクションシーンのことごとくが、全部コナン。コナン、コナン、コナン、コナン。
アクションだけでなく、表情もまんまコナン。ルパンの渋い表情なんかほとんどない。
シナリオ自体は、かなり良く練られていて、良い出来だったので、なおさら腹が立ったわけです。
どう見てもルパンじゃないんだもの。これはコナンでしょう。やれやれ。
そんなにコナンがやりたいんなら、オリジナルキャラクターとかでコナンをやれよ。何もわざわざルパンをコナンにする必要はないだろう。と思ったわけです。
エドガー・アラン・ポーからの推理小説界隈のキャラクターのパロディまで含めた歴史とか系譜を意識している人間としては、宮崎駿は、自分のやりたいことをやるために、人類の財産を壊して平気な最低の人間に思えたわけです。
屋根の上でモノを落として、屋根から屋根へ飛び回るシーンとか「いらんやろ、これ」と強く思った。
クラリスに手品を見せるシーンなんか絶対にルパンじゃないのですね。これはコナンやろ。どう考えても。
おまけにラストのクライマックスは、昔の東映動画のノリ。高い塔の上でのアクションというのは「長靴をはいた猫」そのままでして。
とにかくものすごく不完全燃焼で劇場を後にした記憶があります。
そういう不満があった後に、ずいぶんと時間がたった後で、テレビ第一シーズンのクソつまらなかった13話以降を担当したのが宮崎駿であり、「怠惰なフランス人じゃない、イタリアの若造だ」とおかしな設定変更をしたのも宮崎速雄だと知ったのですね。
で、この言いぐさがまた大嫌いでねぇ。いや、それ、キャラクターを自分の動かしたいように動かしたかっただけやろが! 屁理屈を言うな。「アニメだし、子供向けにしろと言われたからやんちゃに動き回らせたい」と正直に言えば腹も立たなかったんですが、それを「フランス人じゃなくイタリア人だ」とか平然と言い訳をペロペロしゃべるところが、本当に大嫌いなわけです。
まぁ、これが僕の腹立ちの「核心」部分なんですが、これもねぇ、いまはちょっと感想は変わってしまってるんですよね。
これ、かなり長くなってますけど、なぜかもっと書きたいので書きます。
本当に重要なのは、実は宮崎駿とルパン三世なのではなくて、宮崎駿と高畑勲という二人の毛色の違うアニメ人の確執なんですよね。
本当は。
高畑勲が亡くなって、そのあたりがけっこう普通に語られだしたので、「あー、そういうことだったのか」と僕の怒りもかなり収まってきてるので、そのあたりについて、もうちょっと書いてみたいと思います。
--------------[KID'S SIGNAL No.657 -了-]---------------
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