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世界中で大ヒットした「マリオの映画」であっても、つまらんもんはつまらんのです。それは最初からわかる。

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ [KID'S SIGNAL] キッズシグナル●第659号●2023年5月20日(土) _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ ---------------------------------------- このメルマガは、 「メモ・ノート・手帳を使いこなすためのStationery Book 42」 をダウンロードくださった方を中心に、毎日発行でお届けしています。 「Stationery Book 42」の更新情報なども掲載しています。 それらの過去記事のまとめは、メルマガ本文のすぐあとにリンクを掲載しています。 ---------------------------------------- %name_sei%さん、こんにちは。 今日は発行が遅くなってしまいました。多分書いたら長くなるだろうなと思ったので、先に断りをいれておきました。 ということで、昨日の話の続き…でもないですが、関連したお話。 昨日も書きましたが、高畑勲は宮崎駿より評価サイトで高い点数を取っている、ということがあります。 それから、アメリカのアニメネットワークのエージェントは、複数本のスタジオジブリの作品を観て「明らかに品質の高い作品がある」ととりあげたのが、高畑勲の「かぐや姫の物語」だった、という話も書きました。 で、これは、単に「見る側の好み」の話ではなくて、映画を仕入れる仕入れ人の「確かな目利き」というものであり、個人の好みというようなあやふやなものではなく、「これは質の高い作品だ」というのは、キチンとした選択眼を持つ人にとっては、はっきりと存在している「絶対的評価軸」なのだ、という話もしました。 このあたりが、どうも最近ははっきりされていない感じなので、いま話題の「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」について書いておきたいと思います。 これ、実は「専門家による評価」と「観客による評価」が、恐ろしいほどに分かれている映画(映画なのかどうかもちょっと謎なんですが、それは後述)なんですね。 この映画、クリス・プラットがマリオを、ジャック・ブラックがクッパを演じ、ピーチ姫は人気のアニャ・テイラー=ジョイがやっているという超豪華な出演陣なわけです。 で、もう世界中で、超大ヒットと言って良い興行収入を叩き出しています。 でも、そもそも僕はまったく見る気はないし、観る前から、「これは絶対に評論家の低い点数の評価が正しい映画に間違いない」と確信していたんです。 で、公開されて以降、それこそ、ネットにあふれかえる映画好きユーチューバーたちからの評価を観てみると、もうそれこそ「大絶賛」のオンパレードでして、それを眺めながら「ああ、やれやれ、この人も分かってなかったか」「この人もダメだったか」と「分かってない自称・評論家たち」にがっかりし続けてきたわけです。 しかし、さまざまな感想動画やブログ記事などを観ていくとやはり、ものすごく数多くの映画を、それも特定ジャンルにこだわらず、ただ「おもしろそう」という判定だけで、山のように観てきた方の意見は、はっきりと共通して「及第点以下」だったんですね。 「ほらな、やっぱりな」 という感じ。 知り合いで、アマゾンプライムやら名画座のような映画館などで、とにかく一日に1本くらい、邦画を中心に映画を観まくっている人がいて、その人は「最初の出だしこそ面白さを感じたけど、途中から他の国に迷い込んだところからまったくのれなかった。これはゲーム好きでないと楽しめないのだろう。私はゲームをしないので、その楽しさはわからない」と言っておられました。この方は僕と同年代なので、ま、おじさんおじいさん世代でしょう。 しかし、これは世代に限らないようで、やはり、アマゾンプライムで毎日のようにジャンルにこだわらずに映画を見まくり、どの映画が面白かったのか、埋もれた名作などを紹介するユーチューブチャンネルを持っているユーチューバーの方がいて、この人も「マリオファンの方は、ここから後は読まないで欲しいのですが、映画としてはまったく評価できません。私はゲームをやらないので、まったく面白くありませんでした。ゲームをしている人なら楽しめるのかも知れませんが、映画とは呼べない代物でした」と言っていたんですね。 で、僕はゲームをやる人ですし、ゲームがかなり好きな人だし、それこそ「テレビゲーム」と呼ばれるものは、その一番最初の原型である「テーブルテニス」とか「ポン」と呼ばれるものが登場した時から、ゲームセンターに通いながら楽しんできた人間なんですけど、今回の「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」は、評論家と観客の間で評価が分かれているという話を聞いただけで、「あ、これは完全に絶対評価で最低の映画だわ」と瞬時に判定できたんです。(ここがなぜなのか? については、また書きます。) ま、誤解を恐れずに言えば、そもそも「スーパーマリオ」というゲームを好きな人間というのは、もともと「バカ」だからです。ものごとの面白さの判定力自体が壊れている人、だからです。ま、アルコール中毒と一緒。お酒を「おいしい」と思うか「薬物中毒」と見るかの違いのようなものです。そもそもマリオなんかを面白いと思ってるような人間に映画の良し悪しなんか分かるわきゃねぇよ。 ま、これが僕の判定なんですけど、ここで、岡田斗司夫の話が出てきます。 岡田斗司夫という人は、別名「オタキング」と呼ばれていて、アニメや漫画、ゲーム、映画などなどサブカルやエンタメなど、かなり広範囲の創作物の評論や評価をなりわいとしていて、僕はけっこう、この人のバランスの良い判定を高く評価していたりするんですね。 かなりするどく、頭の良い判定をつねにされていると思います。 この人がですね、この「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」のことをどう言ってるかというと、「映画としては60点とかで、どうしようもない見るところのないものなんだけど、マリオを遊んだことがあって、マリオ好きの人なら、ものすごく楽しい、マリオが好きなら絶対見ておくべき映画なんだ」と言ってるわけです。 ああ、なるほどなと。 そういう評定をだされますかと。 まぁバランスの良い答だわなぁと思うんです。 アル中のおっさんが「これは名酒だ」という言い方を否定しないわけです。 それは単なる薬物中毒や! とか、口が裂けても言わない。 僕みたいな言い方をしたら、全世界のマリオファンを全員敵に回すだけで、なんの得もない。正しいのは岡田斗司夫のような評価だろうなぁと。 それでいて、岡田斗司夫は映画も半端なくたくさん観てますから、マリオの映画を映画としてはこきおろすわけです。話にならないと。 ここがまぁ実にバランスがいいんですね。 この岡田斗司夫のファンの若い人が、やっぱりマリオの映画について過激な意見をメールで送ってくるんですよ。それがどういうものかというと、 「こんなに面白い映画の素晴らしさを分からない、評論家は古い世代の感覚の狂った人たちなんだと思う。どうして古い世代には、この新しい時代の新しい面白さがわからないんだ。エンタメの世界は、このマリオのような表現を使って、もっと進化していくべきだ」 というような内容なわけです。 つまり、多くの映画を観てきた評論家という「絶対評価軸」が、自分の感想と異なっているから「古い」と信じ込んでるわけです。 で、こういう評価に岡田斗司夫がどういうかというと、「映画には、面白いものと、すごいものと、楽しいものとがあって、×××という映画は面白いんだ。▽▽▽という映画はすごい映画。そしてマリオは楽しい映画だね。で、君には分からないかも知れないけれど、マリオは映画としては面白い映画じゃないんだよ。どっちかというとダメな映画で面白くない映画なんだ。でも、マリオが好きな人にはものすごく楽しい映画。そういう違ったものがある、というのが実際のところなんだよ。いまのところそれが僕の評価です」と、本当に諭すように、ていねいに解説をして、現実的な回答をしてるんですね。 いや、まぁなんというか、実に見事な回答で、敵を作らない正しい態度だなぁとは思うんですね。 で、目利きとか、絶対的評価軸、なんていうのは、やっぱり自ら積極的に「知ろうとする態度」を持たない限り、学習しえないんですよね。 で、そういう目利きの力が身についていると、まぁ、世界中で大ヒットしようが、「ダメなもんはダメ」って、はっきり言えるわけです。 今回は、「ダメなもんはダメ」とはっきり言える人が、どういう人なのかがよく分かって、実に面白い体験ができました、という話でした。 長くなりましたが、今日の話はここまで。 ではまた明日。 --------------[KID'S SIGNAL No.659 -了-]--------------- ====過去記事一覧==== https://hankai.chakin.com/company/kidssignal/index.htm ==過去連載記事などのまとめ== ●文具関連名著42冊のうちのベストテン ●角二の封筒とファイルエクスプローラ。書類管理の基本はこれだ! ●「Stationery Book 42」ブックレビュー https://hankai.chakin.com/company/kidssignal/hukuro_file.html" ●あっと驚くブラインドタッチの秘密 ●ブラインドタッチ練習ソフト「WEEK」とは何か? https://hankai.chakin.com/company/kidssignal/blindtouch.html ------------------------------------------------ 僕のメルマガを面白いと感じてくださったら、 おともだちにメルマガ登録をおすすめください。 よろしくお願いします! ●無料メールマガジン[KIDS SIGNAL]読者登録フォーム https://www.itm-asp.com/form/?810 メルマガ・ブログの内容を紹介したい方は、以下のページが便利です。 ●メルマガ:KID'S SIGNAL & ブログ:コトノハコトバ 記事サンプルとメルマガ登録ボタンのページ http://www.kidashigeo.com/kotonohaselect.htm いつもほんとうにありがとうございます。 木田 茂夫 :kids@kidashigeo.com

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