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ブラインドタッチに関してはデマ・ウソ・勘違いが世間に流れすぎていて困ります。
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[KID'S SIGNAL] キッズシグナル●第675号●2023年6月5日(日)
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%name_sei%さん、こんにちは。
昨日は、ブラインドタッチの「間違った常識」を3つ取り上げて紹介しました。繰り返しになりますが、以下の3点ですね。
[×:間違った常識]
●ブラインドタッチの修得は、ものすごく手間のかかるスキル
●ブラインドタッチは、文章入力にしか使えないスキル
●ホームポジションは守らなくてもいい。チラ見してもいい。
というものでした。本当は、
[〇:正しい常識]
●ブラインドタッチの修得は、全工程7時間しかかからない。
●ブラインドタッチができればオフィスソフトは「呪文操作」できる。
●ブラインドタッチ習得はキーボードを一切見ない方が早く身に付く
ということで、大きくは上記の3つが最重要の間違いなんですが、他にもたくさん間違った常識が世の中にはびこっているので、今日はそのあたりをざっくり紹介したいと思います。
■×間違い4.「ブラインドタッチ」ではなく「タッチタイプ」と呼ぶべき
これは僕個人の意見になりますが、タイピング技術のことを、「タッチタイプ」と呼ぶのは、いいかげんやめた方が良いと思うんですね。
なぜかと言うと「ブラインド」という言葉は「目が見えない」という意味があって、このキーワードこそが最重要だからです。
タイピング技術を学ぶのに、何より重要なのは「キーボードを一切見ない」ということなんです。「タッチタイプ」という言葉には、その最重要概念が反映されていないので、技術習得のポイントがぼけてしまうと思います。
特に「ブラインドという言葉は盲人の意味があるから差別につながりかねない。だからタッチタイピングと呼ぼう」という意見は、バカ丸出しだと思っています。
ブラインドという言葉が盲人の意味を持っているのは、明らかな「リスペクト」でしょう。
盲人のピアニストが素晴らしい音楽を奏でる。そういう指先の魔法のような技術へのあこがれと尊敬です。
これなくして、タイピングは身に付かないと僕は思います。
■×間違い5.欧米人ならブラインドタッチができるかもしれないが日本人には無理
この勘違いもけっこう多いんですが、事実は「日本人は漢字変換が必要なのでブラインドタッチ必須」なんですね。そして欧米人はアルファベット文化なので、実は「キーボードを見て打つだけで一切問題はない」のです。
だって漢字変換がないんだから。同音異義語を画面上で選択する必要がありません。
でも日本人は「コウエン」と打っても「公園」「講演」「後援」「公演」「好演」「紅炎」「後円」のどれなのかはディスプレイで確認する以外に方法がないので、ブラインドタッチでないと、ディスプレイとキーボードの両方を見比べてへとへとになってしまうんです。
ちなみに「タッチタイピング」というのは、欧米のタイピング技能の名称です。漢字変換がないから「ブラインド」という言葉が入ってないわけです。(欧米でも「ブラインドタッチ」という名称が使われていたという話は聞くのですが、一般的には圧倒的に「タッチタイピング」が多いようです)
「ブラインドタッチ」という言葉は、おそらくは日本で独自に広がったもので、漢字の同音異義語を画面で選択しなければならないことから、英語の直訳である「タッチタイピング」ではなく「ブラインドタッチ」という言葉が一般化したんだと思います。
日本と欧米との、かな漢字変換の問題はかなり大きな違いですので、ここは日本人なら「ブラインドタッチ」を修得すべきだ、と言い直しても良いくらいのところです。
■×間違い6.入力スピードこそが最重要項目。早く入力すれば、完全なブラインドタッチになる
この「スピード信仰」も、根本的なとても悪い勘違いですね。
タイピングはミスタッチをしてしまうと、その間違いを修正するのに、とても時間が取られるので、入力スピードを上げることを考えるより、とにかくひたすら「正確性」を上げることを考える方が重要なんです。
実は、ディスプレイとキーボードの両方を見ていると、キーボードを見ている間は、自分が書いた文章を見ることができないので、悪くすると「何を書きたかったのか」を忘れてしまいかねないんですね。だから、ブラインドタッチが身についていないと、自分の書いた文章と、それに続く自分の書きたい文章の両方を頭にいれて入力しなければならなくなります。
この頭の中に文章を記憶させておくためには、入力時間をできるだけ少なくして、すぐさまディスプレイを見ないとダメなんですね。タイピングを学んでいる人が「スピード」を気にするのは、結局はここなんです。
しかし、完全なブラインドタッチができるなら、手元のキーボードを見ること自体がありません。ずっとディスプレイを見続けることが可能です。つまり「自分の書いた文章をずっと見ながら続きの文章を入力している」ので、「文章を考える」ということができます。
で、文章を考えていると、その間は入力する必要がないので、スピードは不要ですし、思いついた文章は、思いついたその瞬間にすでに文字になっているので、入力スピードを意識すること自体がほとんどない、というのがブラインドタッチの真実なんですね。
しかもその上、「文章を考える速度より早く打てても、一切無意味である」という最重要の事実があります。
入力スピードは「正確に打つ」という事さえ意識していれば、自然と早くなり、文章を考える速度に付き従う程度の速度で充分になっていくものです。
入力スピードを成長基準にしている練習ソフトなどは、完全に無意味なので無視しましょう。
長くなりましたので、このくらいにしますが、ブラインドタッチに関する「勘違い」はまだまだあるので、また書きましょう。これまでの間違い、勘違いをまとめておくと、
[×:間違った常識]
1.●ブラインドタッチの修得は、ものすごく手間のかかるスキル
正解→ブラインドタッチの修得は、全工程7時間しかかからない。
2.●ブラインドタッチは、文章入力にしか使えないスキル
正解→ブラインドタッチなら、オフィスソフトを「呪文」で操作できる。
3.●ホームポジションは守らなくてもいい。チラ見してもいい。
正解→ブラインドタッチ習得はキーボードを一切見ない方が早く身に付く
4.●「ブラインドタッチ」ではなく「タッチタイプ」と呼ぶべき
正解→「ブラインド(盲人)」へのリスペクトなしにブラインドタッチは身に付かない
5.●欧米人ならブラインドタッチができるかもしれないが日本人には無理
正解→かな漢字変換がある日本人にこそブラインドタッチは必須の技術
6.●入力スピードこそが最重要項目。早く入力すれば、完全なブラインドタッチになる
正解→考える速度より早く打てても無駄。急いで打ち間違えたら修正によけいに時間がかかる。
ということになります。
あまりに真逆のことばかりですねぇ。本当にひどい。
ということで、この話題、もう少し続きます。
--------------[KID'S SIGNAL No.675 -了-]---------------
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