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「見て打ち」は、自分で書いた文章を見ずに、次の文を書くことになるから気持ち悪いんですよ。
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[KID'S SIGNAL] キッズシグナル●第687号●2023年6月17日(土)
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%name_sei%さん、こんにちは。
昨日は、「ブラインドタッチは気持ちよさのために身につけるのだ」という話をしました。
で、今日は、「見て打ちの気持ち悪さ」について書きます。
パソコンで文章を打つ時に、キーボードを見て、ディスプレイを見て、それを何度も繰り返す、ということをやっている人は多いと思います。
というか、先日も書いたように、まぁほぼ98%くらいの人は、それをやってると思います。
キーボードとディスプレイを見ている比率は、人それぞれでしょうけど。
多くの人は、キーボードは瞬間だけ見て、できるだけディスプレイを長く見れるようにしていると思います。
でも、これ、どこまで行っても、「100%ディスプレイだけ見る」にはなっていない訳です。
チラ見が上手になった人は「85%くらいはディスプレだけ見る」だろうし、慣れていない人なら「キーボードとディスプレイと半々かな」とか、本当にパソコン初心者なら「キーボードで文字を探してる時間の方が長いね」とかになるんでしょう。
言っておきますが、ブラインドタッチというのは、「100%ディスプレイだけ見る」入力の仕方でして、たとえ1%でもキーボードを見ていたら、それは「見て打ち」なわけです。ブラインドタッチじゃない。
では、ブラインドタッチが「気持ち良い」なら「見て打ち」は「気持ち悪い」なわけです。
この「気持ち悪さ」がなぜ発生するかわかるでしょうか?
ここを意外とキチンと論理的に考えている人が少ないんですね。
そもそも、先にも書いたように「見て打ち」でも、手書きよりは速いんですね。なのに、実感としては手書きより遅いとか「すっきりしない」感じがどうしても残ります。
なぜかと言うと、じつは「自分が書いた文章を読みながら続きを書くことができない」からなんですね。
分かるでしょうか?
手書きだと、ペンであれ鉛筆であれ、紙の上を見て文章を書くので、それまでに書いた自分の文章は、文章を書いている最中も「見えて」いるわけです。
なので、あたりまえですが、その自分が書いた文章を「読み」ながら、文法的におかしくないように「続き」を「考え」て、それから「書く」のです。
つまり、紙の上で文章を書く時は「自分が書いた文章を読みながら続きを考えて書いている」んです。
なので当然、文章の流れが自然になります。文章の「てにをは」も一意に確定するし、一度書いた文章の読み直しもラクラクです。
ところが、「見て打ち」の人がパソコンで書くと、どうしてもキーボードを見ている間は、すでに書いた自分の文章を読み直すことができません。
つまり、文章の流れを自然にさせることもできなければ、「てにをは」を正確に使い分けることも苦しくなってしまうわけです。
「見て打ち」の気持ち悪さは、この「自分が書いた文章を読み直しながら書く」ということを、ものすごく難しくしてしまうんですね。
とにかくキーボードをチラリとでも見た瞬間に「すでに自分が書いた文章」が頭の中から消えてしまいます。頭の中には、その続きとなる文章の出だしの数文字だけが頭に残っている状態です。
パソコンで文章を書くのは、手書きよりうんと速いんですが、でも書いている最中には楽しさはほとんどありません。
なぜなら、まず自分がそれまでに書いた文(今後「既文」と呼びます)を読んで、その続きを考えます。考えついたら、その続きの分(今後「未文」と呼びます)を覚えて、ディスプレイからキーボードに目を移し、「未文」の一文字目を探して打ちます。この間、ずっと「未文」を頭で覚えておかなければなりません。「未文」を覚えておくだけで、脳みその脳力はほぼほぼ満杯になります。
こういう「文章記憶」をずっと続けなくてはならないのが「見て打ち」の気持ち悪いところなのです。
ブラインドタッチができれば、目はずっとディスプレイだけを見ています。そしてそこに映っているのは「既文」です。この「既文」を読んでいれば、自然と続き(未文)は思いつくのですが、「見て打ち」をしている人は、「未文」を思いついたら、それを忘れないように記憶して、キーボードの文字を探す作業にうつるわけです。
この過程の間、脳はずっと余分な記憶作業を施されるわけです。
そりゃまぁ、気持ちも悪くなるよなぁって思うのです。
これが、「見て打ち」の「気持ち悪さ」の原因なんですね。
でも、多くの人は、この「気持ち悪さ」に耐えながらパソコンを使っているわけです。
それで本当にいいの? って思うんですけどね。
ということで、今日のメルマガはここまで。
実は、この「気持ち悪さ」こそが「速さ」を重視する間違った判定基準を生んでしまっているんですね。
そのあたりの話を明日またお届けしたいと思います。
ではでは。
--------------[KID'S SIGNAL No.687 -了-]---------------
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