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タイピングを入力スピードで判定するのは実に滑稽。トンチンカンにもほどがあります。
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[KID'S SIGNAL] キッズシグナル●第688号●2023年6月18日(日)
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%name_sei%さん、こんにちは。
さて、ブラインドタッチは「気持ちよさ」のために身につけるべきだ、という話の続きをします。
昨日も書いたように、文章を書くというのは、「すでに書いた文章(既文)を見ながら、これから書く文(未文)を考えていく作業」なわけです。
特に日本語は必ず主語が必要というわけでもなく、「てにをは」の入れ替えで文意がより伝わりやすくもなったりしますし、「未文」を整えるために「既文」を修正することも多いのですね。単語や文節単位での順序の入れ替えなども行われるでしょう。
「見て打ち」をしていると、こういう「既文」「未文」を入力したり編集したりする作業が「キーボードの文字探し」という作業によって中断してしまいます。
そして、その「文字探し」をしている間は、「既文」や「未文」を記憶しておかないといけないんですね。
この「覚えておかなければならない」ということが「見て打ち」の「気持ち悪さ」の全ての原因です。
ずっとディスプレイだけを見ていれば、この「記憶作業」は一切要らないんですね。
でも、「見て打ち」は「キーボードをチラ見している間」だけは、その記憶作業がどうしても発生してしまうんです。
この「覚えておく」という作業は、脳にかなりの負担になります。そして、キーボードを見ている時間が長いと、「覚えていた未文を忘れてしまう」という緊急事態も発生してしまうわけです。
なので、「見て打ち」の人は、
●未文を覚えている間に、「急いで」文字位置を見つけなければならない。
という大変なストレスを抱え込むことになるんですね。
ですから、キーボードを高速に打っている「見て打ち」の人は、実は自分の記憶との競争をしているわけです。
これがキーボード練習において、「入力スピード」ばかりが、判定基準になってしまう、根本原因なんです。
つまり、
●「見て打ち」をしているから、未文を忘れないうちに、高速にキーを打たないとダメ
ということなんですね。
キーボードを見ているから「既文」が読めず、それに連なる「未文」を忘れてしまうのですから、高速性が必要なのは「キーボードを見ている期間」のみです。それ以外に記憶に頼る場面は出てきません。
「既文」や「未文」を忘れないようにスピードを上げることが必要になるのであって、「既文を読んで未文を考えている期間」は、高速性はまったく必要ないわけです。
だから、この「なぜ高速入力が必要なのか」が明確に分かると、ブラインドタッチ練習を「入力スピードで判定する」ということが、いかに滑稽なことかがはっきりと分かるはずです。
だって、「既文」はつねにディスプレイに表示されていて、いつでも読み返せるのだから、完全ブラインドタッチャーには、そもそも「記憶に頼る」必要が一切ないからです。思い出したいときはただ視線を既文の方に移動させるだけです。見て打ちをしている人のように、「既文や未文を記憶して、それからキーボードを見て、覚えた文を忘れないように急いで打つ」という必要性自体がゼロなんです。
しかし、「見て打ち」の人は、「既文や未文を記憶する」「キーボードで文字を探す」「その間忘れないように既文や未文を覚えておく」ということをする必要が出てくるわけです。だから「高速で打つ」という必要が生まれるのです。
だから「高速入力の必要性」は「見て打ちをしている人」にこそ必要なのであって、「完全なブラインドタッチャー」には、そもそも「高速入力」自体が必要ではないんです。
そもそも、タイピング能力を速度で判定すること自体がタイピングを何も分かっていない証拠と言えます。
ということで、また続きは明日です。
--------------[KID'S SIGNAL No.688 -了-]---------------
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