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40年も昔に練習した「タイピング練習ソフト」の仕様は至極まっとうでした。身に付いたもの。
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[KID'S SIGNAL] キッズシグナル●第690号●2023年6月20日(火)
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%name_sei%さん、こんにちは。
昨日、「いまのタイピング練習ソフトは、ブラインドタッチのできない人が作っています」という話を書いて、これがかなりの確信を突いているということに、自分で気付きました。
なので、少し最近のタイピング練習ソフトや無料のタイピング練習サービスサイトなどを覗きに行ったのですが、少し前に僕が指摘した、「こんな練習ソフトで練習したら一生ブラインドタッチにならない」という条件の、
●ランダム単語を入力して速度を競う
という仕組みから外れているソフトが、ほぼほぼありませんでした。
もう、なんと言うか「これはえらいことだ」とぞっとしました。
おそらく、何年も何年も昔に、最初の原型となるソフトが作られた時に「ブラインドタッチではない人」が設計して「それらしいソフト」を組み上げたのだと思います。
そして、多分おそらく、利用するユーザーも、その無料サイトを運営する企業も、ほとんど全ての人が「ブラインドタッチャー」ではないのだろうと思われます。
そこで思い出したのが、僕自身がブラインドタッチを身に着けた時に練習したタイピング練習ソフトの仕様です。
企業向けのリースで提供された「ワードプロセッサ」に添付されていたタイピング練習ソフトだったのですが、おそらく当時のタイピング教則本などをベースに作り上げられたものだったのだろうと思います。
その仕様と、現在ネットなどで使われているタイピング練習ソフトでは、根本的な設計思想がまったく違います。
練習は「人差し指」→「中指」→「薬指」→「小指」と、指を中心とした練習でした。
ホームポジションは必ず守らなければならなくて、練習開始前には、必ず「キーボードは見てはいけません」と念押しされたものです。
そして、(最初にJISかなのブラインドタッチを練習したので)、人差し指を、キーボードの縦一列に上下に動かす練習が一番最初で、「ま」「な」「や」「も」という具合にホームポジションから一段ずつ上にあがり、それから下に下がって「も」のキーを押し、これを何度も何度も繰り返して「右手の人差し指を、ホームポジションからどの程度上下移動すれば、『まなもや』になるのか?」ということを、「指に覚えこませる」という練習をやったわけです。
分かりますでしょうか? いまネットで一般的なタイピング練習ソフトとの仕様の違いを。
ネットで一般的な練習ソフトは、
●ランダム単語を入力して速度を競う
という形式で
●「単語」→「指」
という流れです。
いきなり「単語」が出て、「とにかく指を動かしてヒットするように練習」という、かなりのムチャぶりソフトなんです。
しかし、もう40年近く昔に練習したソフトは、
●「指」→「文字」
なんです。ひとつの「指の動き」が一意に一文字に確定されているのです。
だから、これを練習すれば、絶対、必ず、どんなことがあろうと、キーボードなど一切見ることなく「ブラインドタッチ」が身に付くようにできていたんです。
(僕はこの練習の方法は、間違いのない正統派の練習手法だと太鼓判を押します。ただ、あまりに生真面目すぎて、練習するのが苦痛になりがちなのがたまにきずというところです。)
一時期、市販のタイピング練習ソフトはほとんどがこの形式でした。
そして、ソフト一本が10万円とか、12万円とか、けっこう高額であったと記憶しています。
僕が練習していた業務用ワープロに付属の練習ソフトも、ワープロ単体が100万円前後だったと思うので、順当な値段と仕様だったのではないでしょうか。
(実際、毎日お昼休みの休憩時間30分程度を使って練習して、ひと月少しでJISかなタイピングを習得できました。「指」→「文字」という条件付けだったからです。そして、キーボードなど一切見ることはありませんでした。)
どうでしょう?
●A「単語」→「指」
●B「指」→「文字」
という関連付けの違い。
どう考えても、Aでは身に付かず、Bなら身に付くと思いませんか?
で、はっきり言いますが、Aの「単語」→「指」という仕様で練習して身に付くのは、ブラインドタッチではなくて、「キーボードをチラ見するクセ」だけです。
どんなことがあろうと、こんな練習をしていて、ブラインドタッチが身に付くはずがないのです。
というか、そもそも「身に着けてはいけない悪いクセ」であり、ブラインドタッチには一切不要である
「チラ見」
を、無理やり覚えさせるために設計しているとしか思えない仕様がAのタイプのソフトなんですね。
こんなことをしていたら、入力速度自体はどんどん上がるかも知れませんが、そもそも不要な「チラ見」のクセをわざわざつけた後で、それを何年もかけて「悪癖修正していく」という、実に不毛な練習にしかならないわけです。
「練習の時からキーボードは一切見ない」というのがやはり絶対なのです。
●指をどう動かしたら、どんな文字が出るのか?
ここをスタートラインにすれば、完全なブラインドタッチは必ず身に付くわけです。
わかります? 当然そうですよね?
ということで、また明日もブラインドタッチの話を続けます。
--------------[KID'S SIGNAL No.690 -了-]---------------
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