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ポストイットは「片面使い」しかできないツールだからこそ、素晴らしいのですよ。
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[KID'S SIGNAL] キッズシグナル●第709号●2023年7月9日(日)
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%name_sei%さん、こんにちは。
今日は、昨日予告したとおり「ポストイット」の重要要素について、少し書いてみたいと思います。
ポストイットもまた、ホワイトボードやA4コピー用紙と同じく「無地」であることが重要なツールです。
文字の大きさは自由ですし、一行が歪んでいようが、誰も気にも留めません。
(この「誰も気にも留めない」というところが大切なのです。横罫ノートに慣れてしまうと、無地のノートは歪んで書くことになるから、誰かに見られた時に恥ずかしいというようなマイナス志向になってしまいがち。でも実際はそんなこと誰も気にも留めていないのです。この「誰も気にしていない」という感覚を実感するために、ポストイットやホワイトボードでのメモの取り方を思い起こしておくと良いかもしれません。)
しかし、ポストイットでもっとも重要な特性は、
●片面使いしかできない
という点です。
実は、メモを取るためのノートやメモ帳などにおいては、「片面使い」と「両面使い」の2種類の使い方があって、この使い分けというのは、かなりやっかいな問題をはらんでいるのです。
たとえば、綴じノートであれば、見開き単位で情報が完結するわけですが、一枚の「紙」として見た時には、同じ紙の表と裏で、まったく異なる情報が記述されることになります。
これが「綴じたまま」で使われる綴じノートの場合は、それで問題ないのです。
しかし、システム手帳やバインダーノートのように、「用紙(リーフ、リフィル)」の付け外しができるノートの場合は、「表と裏」でワンセットの書き方をするか、そうでなければ、「用紙(リーフ、リフィル)」の「片面使い」をするしかないわけです。
「用紙(リーフ、リフィル)」単体での活用の可能性があるわけですから、表と裏で別の情報を書いてしまうと、まったく用紙単品での活用ができなくなり、バインダー方式であることの意味がなくなってしまうわけです。
つまり、実はバインダーノートは「用紙(リーフ、リフィル)」の単品活用のためには、「片面使い」をするしかないんですね。
この「片面使い」の特性は、実は「カード」を使う場合の基本的な使い方と考えても良いと思います。
京大型カードにせよ、図書館にある個別の書籍情報のカードにせよ、基本は「片面使い」なんですね。名刺や、各種のチケット、レシート、なども基本は「片面使い」なのではないでしょうか?
紙の情報で「単品で扱う」様式のものは、多くは片面使いが基本なのです。
チラシやハガキなどは、両面使いがあたりまえになっていますが、おそらくはかなり特殊な用法でしょう。
そして、ここでポストイットに話がつながります。
ポストイットという存在は、裏面に糊がついていますから、「片面使い」しかできない構造なんですね。
表面に書かれている「メモ内容」こそが重要で、その「メモ内容」の位置を変えたり、保管先を変えたりできる、というものです。
これはまさに究極の「カード」でして、情報の最小単位として、「無地の用紙の片面使い」というのは、もっとも応用範囲の広い「様式」だろうと思います。
ポストイットという道具は、片面使い限定だからこそ、ノートの補足情報であったり、思い付きの記録(メモ)であったり、さまざまな応用方法が考え出されているのだと思います。
特にポストイットは「アイディア出し」などにも良く使われ、ポストイットを使ったKJ法など、「人間の頭の中のアイディアを、まず『形』にする」ための、とても重要なツールだとも考えられます。
これらの要素を勘案していくと、ポストイットという道具もまた、「無地」という特性を最大限に活かした、とても重要なビジネスツールなのではないかと思います。
これで、
●ホワイトボード
●A4コピー用紙
●ポストイット
という3大「無地」ツールの役割分析を行ったわけですが、これらの道具が、本当に良く使われている背景や理由に納得いただけたのではないかと思います。
これらのすぐれた特性を持つツールが、共通して「無地」であることは、簡単に見過ごしてよい条件ではないと思います。
やはり、仕事のスタート地点や、情報共有の基本的枠組み、発想の生まれるポイントなどでは、罫線は基本的に「邪魔」な存在で、基本は「無地」であることが重要なのではないか? と僕は思います。
とくに、ホワイトボードにおける、「手書きでの、意味の要約工程を含んだ、キーワードメモ」というのは、ビジネスのあらゆる面で重要なメモ技法だろうと思います。
たとえば、ノートを取る時に、罫線どおりに文章形式のメモを取るのではなく、ホワイトボードを持ち歩いている気持ちで、打ち合わせ内容をつねに要約しながら「キーワード」をメモしていく、というやり方は、おそらくあらゆる情報活用を真に有用なものにしてくれる、重要な要素が詰まっているのだと、僕は思います。
学術的にもPCによる逐次メモより、手書きによるキーワードメモの方が長期記憶に残りやすいという証拠もでています。
※パム・A・ミュラーとダニエル・M・オッペンハイマーの研究「The Pen Is Mightier Than the Keyboard: Advantages of Longhand Over Laptop Note Taking:ペンはキーボードよりも強力です:ノートパソコンよりも手書きの利点ノートをとる」
今日明日、もし紙のノートを取る機会があるなら、ぜひ、ホワイトボードへのキーワードメモや図表の使った説明などを思い出して、ホワイトボードを持ち歩いているのだ、という気分でメモをとってみてください。
罫線を一切無視して、文字のサイズも自由にメモをしていると、思っている以上に、効果的なメモが取れるようになるはずです。まちがいない。
ということで、今日はここまで。
ではまた明日。
--------------[KID'S SIGNAL No.709 -了-]---------------
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