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まだ咳が出ています。昨日の「風邪に風呂」の話の補足をします。ゴホゴホ。
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[KID'S SIGNAL] キッズシグナル●第793号●2023年10月1日(日)
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%name_sei%さん、こんにちは。
どうも昨日から症状が改善しませんねぇ。うーむ。困った。今日は日常的な買い出しに出かける予定だったのですが、延期ですかねぇ。
それはそれとして、昨日は「風邪を引いたら熱い風呂に入ろう」という話を書きました。
しかしこれ、世間一般で言われている「風邪の時は風呂を控えましょう」という話と矛盾しております。
実際、いまでも、世間のお医者さんで風邪の診断をした人に「しばらく風呂は控えてゆっくり寝てください」と伝えている人も多いのかもしれないと思います。
ただこれは、ほんとうに「風習」のようなもので、お医者さん側としては「風邪の時に熱い風呂に長く入るのは体力を落とすから、避けた方が良い」ということと、「銭湯に行く人は湯冷めで体が冷えてより悪化することもあるから気をつけましょう」という意味で言ってることがほとんどなんです。
実際には「体を温める」ために風呂に入ることは間違った対処の仕方ということはないんですね。
そもそも風邪を引いた時に「体を温める」というのは、世界中であたりまえの一般的な対処方法です。欧米で言うと、通常はシャワーしか浴びないのが日常ですが、風邪をひいた時だけは「バスタブがあるなら、体を漬けて暖まりましょう」というのは、ごくごく一般的な考え方なわけです。
逆に言うなら欧米の人がバスタブを使うなんて風邪の時くらいしかない、とすら言えるわけです。
じゃあ、なぜ、毎日湯舟に浸かる日本で、「風邪の時は風呂を控えよう」という言説が出てきたか? というと、これは情報の出所がはっきりしていまして、貝原益軒の「養生訓」からの影響なんです。
「養生訓」は、正徳2年(1712年)発行ですから、江戸時代の大ベストセラーなんですね。内容は「養生」つまり、日常生活で健康を保つにはどうすべきなのか? ということを書き記した内容なわけです。
この中で「風邪の時は風呂を控えよ」ということが書かれているわけです。
ただ、これ、江戸時代ですから。
江戸時代の風呂というと、「湯屋」に行くか、家で「行水」するか、ですから、基本的にとてもぬるいお湯なんですね。
江戸時代の「湯屋」は、町に一つはあるというくらいポピュラーなものだったらしいのですが、湯舟にたまっているお湯はそれほど熱いものではなかっただろうと考えられるんですね。
なぜかと言うと、熱いのが好きな人のために「湯舟」とは別に「岡湯」というものが存在していたからです。
「舟」と「岡」という文字が示すように、みんなで入っている湯舟から出て、家に帰る=陸(おか)に上がる時に体を温めるお湯をかぶる、というわけです。
江戸の町というのは、紙屑ひとつすら売買されるほどに超節約社会で、風呂にくべる薪にしてもかなり節約していたはずですから、「岡湯」があるなら、「湯舟」はかなりぬるいと想定できるわけです。
湯舟がぬるいのなら、それほど体があたたまっているとは言えず、それで「岡湯」を被っても、自宅に帰るまでに湯冷めをしてしまっては、本当に風邪には逆効果でしょう。
なので、「風邪の時は風呂は控えよ」ということが定説として定着して、現代にまで引き継がれてきている、というわけなんです。
現代では各家庭に自動給湯器が供えられて内風呂が当然になってきていますし、銭湯も大きな湯舟にたっぷりの熱いお湯が張られていますから、かなり事情は違います。
あまりに熱いお湯や長時間浸かることさえ避ければ、家のお風呂で体を温めた方が風邪には効果的ですし、銭湯も歩いて5分以内にある銭湯なら、むしろ体が良く暖まって風邪の症状を軽減するには効果が高いと僕は思います。
まぁこのあたりの健康情報はさまざまな判断がありますし、最終的にはお医者様の判断にしたがってください、としか言えないんですが、「風邪の時は風呂は控えよう」という話には、こういう背景情報も存在しているんですよ、ということは知っておいても良いかもしれません。
ということで、今日のメルマガはここまで。
ではまた明日。
--------------[KID'S SIGNAL No.793 -了-]---------------
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