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「血液型と性格」を否定する「定番の文言」は、「もめごとは避けたい」という、単なる事なかれ主義そのものなのです。
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[KID'S SIGNAL] キッズシグナル●第811号●2023年10月19日(木)
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%name_sei%さん、こんにちは。
昨日は、「血液型と性格」に関して「記述」するなら、生物学における「スケッチ」のように、行動を構造的に記録するべきだ、という話をしました。
しかし、当時のテレビ局にそんな学術的な発想があるわけもありませんから、学術的な「スケッチ」ではなく見たままを雰囲気で描く「デッサン」のような紹介になってしまったわけです。
たとえばA型の子供たちが靴を揃えて脱いでいるところを見たら、「A型は几帳面」という見たままの印象表現に陥ってしまったわけです。
当然、靴を揃えないO型は「おおざっぱな性格」と言われてしまいます。
この靴を揃えるという行動ひとつとっても、こういう行動が現れた可能性は、
1.親から厳しくしつけられていた。(A型の親はA型である可能性も高いのであり得る)
2.隣の子が揃えたから、まねをして揃えた。(グループへの同調性が高い可能性)
3.靴がいがんでいると気持ち悪いと感じたので(先天的に物事を整えたい性質がある)
くらいの心理的原因は考えられたはずです。
なのですから、これらの設問を用意したうえで、自由記述項目も加えた上で、A型、B型、O型、AB型の全員の子供たちひとりひとりに、「靴をそろえた(あるいはそろえなかった)理由」を聞き取り調査をして、データとして整えなければならなかったはずなのです。
そこまでやった上で、各グループの回答傾向を分析して、そのアンケート結果をまとめる、というようにすれば、これはキチンと「スケッチ」になったし、そういう工程をこそ経てほしかったな、と僕はとても残念に思っているわけです。
しかし実際には番組内では恣意的な「A型は几帳面」「O型はおおざっぱ」というようなまとめられ方をしただけだったわけです。
結果、この番組の評価はどうなったかというと、想像をはるかに上回る膨大な数の反応があり、テレビ局の電話が鳴りやまなかった、という話が残っているわけです。
ただし、この時点での視聴者からの反応は「良い番組だったからもっとやってくれ」という声と「子供をダシに使って性格を決めつけるような差別的内容は許されない」という完全に反対方向の意見に真っ二つに割れたらしいのです。
とんでもない大きさの反響が出たので、他局も似たような番組を企画して放送したらしく、この年から数年間は、どの局も年に一度、二度と同じような内容の放送を重ねていくことになるわけです。
そして、どの番組も、視聴者からの膨大な電話に忙殺され、反響のすさまじさを目の当たりにすることになります。
そして、この「賛否両論」は、各社の各番組ごとで、「どう結論付けるか」という点で悩ましい問題を抱えてしまう事になるわけです。
なぜなら、「もっと見たい」という声と「二度と企画するな」という両極端の声が放送を重ねるごとにエスカレートしていったからです。
現実問題としては、前回、前々回に僕が書いたように血液型ごとにグルーピングしてグループごとに違いが出たのなら、程度の差はあるにせよ「血液型と性格」の間に関係性は「必ずある」とするしかないはずなのです。
しかし、この「賛否両論」は、新聞などにも飛び火し、一番組だけの判定でどうのこうのと言える状態ではなくなっていくんですね。
新聞などでは、
(引用開始)------------------------------------------
「放送倫理・番組向上機構(BPO)」には、視聴者から「子供が血液型でいじめを受けた」
「一方的な決め付けで不快」などの抗議が4月以降、50件以上寄せられた。
このためBPOの青少年委員会は番組内容などを検討し、「科学的根拠があるかのような体裁で問題がある」
などと判断、近く民放各社に対し、番組制作にあたり慎重な対応を、と要望する。
(引用終了)------------------------------------------
という騒ぎに発展していきます。この記事が2004年です。
1997年6月15日に放映された「検証! 血液型性格のウソ・ホント」[関西テレビ系の『発掘!あるある大事典』]から、すでに7年経っていますが、これだけの長期間、テレビ業界は答を出せずにいたわけです。
(当然視聴率は稼げますから、簡単にはやめられません。)
実際、最初に血液型の保育園でのグルーピングを企画した「発掘!あるある大事典」では、最初の放映から2年ほど経った段階で「第二弾」を放映するわけですが(要望が高いのですから、やらないわけにはいきません。)、すでに、「第二弾」の段階で「血液型と性格の間に関係性はない」という否定的なトーンの内容に変わっていたのだそうです。
(これも僕が実際に見たわけではないので伝聞情報なのですが、でも簡単に想像はつきます。)
番組の恣意的な「スケッチ」的表現に、日本中の神経質な人たちがヒステリックに騒ぎ立てているのだから、より多くの視聴者にアプローチするTV番組が反対している人の声を無視するわけにもいかなかったのです。
そして、その数年後にはヒステリックな(言ったらなんですけど、血液型と性格の関係性を否定する人は本当に非科学的で完全に恣意的だと僕は思っています。グルーピングして違いが出たのなら、分類を分けるのが当然だと思う。生物学的にそうならざるを得ない。否定する方が頭が狂っていると思います。)意見がBPOへと上申され、この件に関しては、「一番組」ではなく「局をあげて」対応すべき問題に格上げされてしまったわけです。
その結果どうなったか? というと、「性格」を取り扱うのは、心理学が適応すべき学問だろう、ということで、この連載の冒頭から僕が否定しまくっている、
●「血液型と性格の間に関係性を示す科学的な根拠はない」
という「決まり文句」が、マスメディアの「共通認識」となったんですね。
で、実はこの事は、BPOに取り上げられてからは、全テレビ局での申し合わせ事項になったらしく、これ以降、「血液型と性格」に関する番組は、一切製作されないことになったんです。
ご存知でしたか?
たとえば若いテレビマンだとか、番組制作会社のスタッフだとかが、「血液型と性格」に関する番組企画を出しても、「血液型」というのを見た段階で、
「あ、これ、ダメ。制作できないから。」
と、番組プロデューサーとかがダメを出すわけです、で、若手が「何でですか?」と聞くと、判で突いたように、
「血液型と性格の間に関係性を示す科学的な根拠はない、からだよー。」
と軽くあしらわれるわけです。
仮に若手が「じゃあ科学的に追求したらいいじゃないですか」と食い下がったとしても、
「ばぁか、このテーマに手を出したら、泥沼なんだよ。大変な事にしかならないって分かってるの! 科学的根拠なんてどうでもいいんだよ。現場がにっちもさっちもいかなくなるから手は出さないの! 覚えとけ!」
と言われておしまい、なのです。
お判りでしょうか。
まさに
●「血液型と性格の間に関係性を示す科学的な根拠はない」
という一言こそが、喧々諤々の大論争を抑止するための「決まり文句」になっている、ということがよく分かるではありませんか。
これこそが、
●「血液型と性格の間に関係性を示す科学的な根拠はない」
という定番の「否定語」が、繰り返し繰り返し、マスメディアのあらゆる場所で、何度でも、おまじないのごとくに唱えられる理由なんですね。
で、僕が書きましたように、実際には、はっきりと血液型と性格の間に関係性はあるわけです。(ここまで書いて「ない」と言い張る人は、本当にマスメディアに洗脳されたバカな人なので、一生この問題に関わらないでもらいたい。バカは黙っとけ。)
ここまで書いて、やっと最初に掲げた
●「血液型と性格の間に関係性を示す科学的な根拠はない」
という定説に問題がある、という僕の主張の骨格が見えて、「ああ、そういうことだったのか」とすっきりされた方も多いかもしれません。
でもね。
実は、ここまでの説明が、僕が書きたい話の「大前提の話」であって、実はここからこそ、本題に入っていくのです。
ということで、けっこう長くなっちゃいました。
続きはまた明日。
ではでは。
--------------[KID'S SIGNAL No.811 -了-]---------------
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