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「血液型と性格」は、昭和の初年度に大ブームが起きていたんです。

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ [KID'S SIGNAL] キッズシグナル●第813号●2023年10月21日(土) _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ ---------------------------------------- このメルマガは、 「メモ・ノート・手帳を使いこなすためのStationery Book 42」 をダウンロードくださった方を中心に、毎日発行でお届けしています。 「Stationery Book 42」の更新情報なども掲載しています。 それらの過去記事のまとめは、メルマガ本文のすぐあとにリンクを掲載しています。 ---------------------------------------- %name_sei%さん、こんにちは。 さて、心理学界においては過剰に「血液型と性格」に関して否定する人が多いのではないか? という話を、昨日は書きました。 僕が引用したのは動物行動学者の竹内久美子さんの書籍からの引用でしたが、ネットで調べてみると、確かに心理学者が血液型と性格の関係性を否定する時に過剰に否定するパターンは良く見られますし、冷静な態度を取っておられる方でも「いちおう学術的には血液型と性格の関係に科学的根拠はない、ということになってますね」と、例の「定形の否定文」を引用するに留めている人が多いのですね。 そこには「可能性があるのであれば、積極的に実験・観察を進めて科学的に明確にしていくべきですね」という意見はほぼほぼ見られません。 これはいったいどういうことなのか? というと、まず第一に「血液型と性格」というジャンルが「歴史が浅い上にニーズがない」ということがあります。 そもそも血液型が発見されたのが1901年ですから、せいぜい120年ほどの歴史しかありません。 そして、日本では血液型がA:O:B:ABが、4:3:2:1と、キレイに分布している特殊状況がありますから、一般人までもが語るブームになる条件が整っていますが、病気と血液型の関係で話をしたように、アメリカなどではほとんどA型とO型しかいないわけですから、4種類に類型化する意味がないわけです。 なので、「血液型と性格」というのは、日本における特殊条件が重なった時だけブームになるんですね。 そして、そのブームは一定期間続いた後、最終的には下火になります。 日本においては、昭和の初年度の約10年間と、昭和50年ごろの「血液型人間学」(能見正比古:著)ブーム、そして昭和の終わりから平成に移るテレビでの「保育園児と血液型観察」の三度という事になるでしょう。 この中で特徴的だったのは、やはり昭和初期の古川竹二による論文発表と、この古川が研究を進めるために「子供の血液検査」をしようとしたことが、新聞で強く批判されたことでしょう。(昭和3年6月) 先に一度、この古川の子供の検査の話はしましたが、これがマスコミ、とくに新聞で強く批判されたわけです。当時は、血液型という知識する一般人は知らなかったわけですから、医者ではなく、社会教育学、教育心理学の人間である古川竹二が「子供の血液検査」をするという事自体がセンセーショナルに取り上げられました。 これで、この種の実験は全面ストップするのですが、当時マスコミでも有名で、法医学の専門家としても有名だった古畑種基という学者がいて、この人が古川の論説を強く擁護したんですね。海外の研究結果との比較であるとか、この研究をすることで、どれだけの効用が得られるかなどを主張されたようです。マスコミとの人脈も深く持っていた人のようで、この人の擁護があったおかげで、古川の話題は一転して、マスコミにおける「流行の話題」に転換してしまうんです。 また、古畑と同様、法医学者の浅田一(当時長崎大学教授)も、古川学説の擁護にまわり、この三人の活動が昭和の初期に大きな血液型ブームを引き起こすことになるのです。 こまかい話はいろいろありますが、当時はまだ「O型とAB型の間に実子関係はない」という事実レベルの知識も、まだ整理されていない時代ですし、観察結果と事実関係を関連付ける統計学のカイ二乗検定もまだ発見・採用されていなかった訳ですから、科学性を担保するのは、大学教授であるとか、海外の論文であるとか、まさに「権威」によってしか判定できなかったわけです。 そういう意味で、「法医学」というまさに権威と結びついた学者の意見は重視されたということです。 しかし、まえまえから書いていたように、古川のもともとの「仮説」には甘い点も多々ありましたし、時代の浅いこともあって、古川を批判する学者も一定数いた上に、浅田一に至っては当時の長崎大学での派閥争いにまで発展して、血液型と性格に関する研究が「賛否両論の大渦」に巻き込まれて行ってしまったのです。 この大ブームの大うねりの中で、古川はあまり血液型の話題を出さなくなり、浅田も派閥争いから身を引く立場になって、「血液型と性格」の話題は、大きな岐路に立たされるんですね。 残るは文化勲章まで授与された古畑種基ひとりという状態になった時、古畑は、「血液型と性格」の科学的進展を図るより、自分の「権威者」としての生き残りの方を選択したんですね。 どいういうことかと言うと、突然、いままで擁護していた古川の論文を否定しはじめ、「血液型と性格」関係性まで否定しだしたわけです。 「血液型と性格の関係性には科学的根拠がない」という態度を古畑が急に取った、ということなのです。 おそらく、この事が、日本の心理学界や法医学業界、あるいは大学関係者などに、大きなトラウマとして傷跡を残したのだろうと思われます。 ●「血液型と性格の関係性には科学的根拠がない」 とすることで、一定の権威、システムが保たれ現状維持がなされたのだろうと考えられるんですね。 ですから、 ●「血液型と性格の関係性には科学的根拠がない」 という言い回しに「タブーにふたをする匂い」があるのは、実は当然の話で、まさに「くさいものにはフタをしろ」という古畑の態度急変の言い訳が、そのまま業界に残ってしまった、ということなわけなのです。 ということで、今日の話はここまで。 しかし、話はこれでもまだ終わらないので、続きを書いていきたいと思います。 ではまた明日。 --------------[KID'S SIGNAL No.813 -了-]--------------- ====過去記事一覧==== https://hankai.chakin.com/company/kidssignal/index.htm ==過去連載記事などのまとめ== ●文具関連名著42冊のうちのベストテン ●角二の封筒とファイルエクスプローラ。書類管理の基本はこれだ! ●「Stationery Book 42」ブックレビュー https://hankai.chakin.com/company/kidssignal/hukuro_file.html" ●あっと驚くブラインドタッチの秘密 ●ブラインドタッチ練習ソフト「WEEK」とは何か? https://hankai.chakin.com/company/kidssignal/blindtouch.html ------------------------------------------------ 僕のメルマガを面白いと感じてくださったら、 おともだちにメルマガ登録をおすすめください。 よろしくお願いします! ●無料メールマガジン[KIDS SIGNAL]読者登録フォーム https://www.itm-asp.com/form/?810 メルマガ・ブログの内容を紹介したい方は、以下のページが便利です。 ●メルマガ:KID'S SIGNAL & ブログ:コトノハコトバ 記事サンプルとメルマガ登録ボタンのページ http://www.kidashigeo.com/kotonohaselect.htm いつもお読みいただきありがとうございます。 木田 茂夫 :kids@kidashigeo.com

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