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「血液型と性格」の話は、話題にしただけで「永遠に否定されるべき思想」と烙印を押されかねないのです。
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[KID'S SIGNAL] キッズシグナル●第816号●2023年10月24日(火)
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%name_sei%さん、こんにちは。
さて、昨日は、
●「血液型と性格」の社会史--血液型人類学の起源と展開 松田薫 1991/5/24
が、面白すぎて、本題よりも昭和初期の雰囲気や、当時の様子を紹介するのに時間をかけてしまいました。
ただ、100年前と、つい数年前のテレビでの血液型ブームの「否定」の本質が、非常に似ているということに関してだけはご理解いただけたかと思います。
とても大事なことは、
●あまりに賛否両論が激しく争うから、事態を鎮めるために、とにかく否定した。
という要素が、100年前も、現代も、完全に共通している、ということです。
これは「科学的に物事を正しく検証していこう」という態度とは決して相容れないものだと僕は感じます。
しかし、どうしてこういうことが起きるのでしょうか?
それを僕はいろいろ考えていたのですが、かなり重要な要素にぶちあたります。
それは、「優生学」という学問の歴史と取り扱いの話です。
優生学(ゆうせいがく、英: eugenics)は、19世紀末から20世紀半ばにかけて多くの先進国で受け入れられてきた考え方で、進化論と遺伝学を人間に当てはめ、「集団の遺伝的な質」を向上させることを目的とした一連の信念と実践方法なわけです。
そして、優生学と言えばなんと言っても優生学を政治に持ち込んだのがアドルフ・ヒトラーです。ドイツ民族は精神・肉体とも遺伝的に優れていると主張したヒトラーは、その著作で優生思想への傾倒をはっきりと記しています。
ここで、「優生学」と「優生思想」という二つの言葉が出てきましたが、これは欧米では同じことを示します。しかし、日本では差別された方々が優生学という学問の部分と「劣性遺伝子を排除する」社会的な圧力とを区別するためか、「優生思想」という言葉で、とくに社会に対する影響を中心に「思想」批判をされていたりするのです。
優生学は、あまりにヒトラーの政治と深く結びついていたがゆえに、第二次世界大戦後では大きな広がりは見せていません。とくに「集団の遺伝的な質」を向上させるための
●「生殖に適さない人」への結婚禁止や強制不妊手術(断種)。
のような考え方が、「生殖に適さない」とされた、障害者や犯罪者、少数民族の人権を著しく阻害している側面は忌み嫌われている部分だろうと思われます。
ユダヤ人の大量虐殺の正当性を与えたのが、この「優生学」だった訳ですから当然です。
実際先の
●「血液型と性格」の社会史--血液型人類学の起源と展開 松田薫 1991/5/24
においても、「血液型と性格」の関連性を社会運用に活かす、という視点での話や応用・展開案がたくさん描かれていて、現代社会に生きている僕としては「そんなことをするための根拠に血液型と性格の関連性を持ってくるなよ」と、かなり憤りを感じてしまったほどです。
とにかく「集団的血液型判定公式」だの「集団の血液型傾向」だとかが実に多く、実際当時の陸軍だったかが、将校になれるのはO型のみとする、というような案を提示したこともあったらしいのです。
人の資質を、血液型のみで判定して、それを社会システムにも組み込んでいこう、というような、あまりに乱暴な話が、昭和初期の大騒動にもはっきり現れていましたし、1997年~2004年くらいまでのテレビでの血液型ブームにおいても、
●血液型別結婚の相性診断
といったヒトラーの差別思想とどう違うのだ? と疑わざるを得ない内容も、世の中には跋扈していたわけです。
なので、差別や社会的偏見の拡張を嫌う人たちからはヒステリックなほどの反応が出るのも当然だろうと思います。
「血液型と性格」の関係性を、話題にすること自体が優生学のような差別に直結すると考えるのも無理はないのかもしれません。
「血液型と性格」の関連性は、話題にしたとたん「優生学=ナチス:ヒットラーと同等」というイメージで見てしまう、そういう事なのだろうなと思うのです。
ということで、ここからは、かなり慎重に書かないと誤解を受けかねないので、続きはまた明日にします。
ではでは。また明日。
--------------[KID'S SIGNAL No.816 -了-]---------------
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