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みんなが大絶賛の「ゴジラ-1.0」。僕の評点は40点です。その理由のほんの一部を話します。
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[KID'S SIGNAL] キッズシグナル●第848号●2023年12月9日(土)
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%ATTR0%さん、こんにちは。
そろそろ年末。みなさん今年一年はどんな感じでしたでしょうか?
我が家はコロナ明けということもあって、うちの奥さんの海外のお友達が次々に来日した、超国際的な一年でした。
ブラジル、スウェーデン、台湾、オーストラリア。
会いに出かけたり、泊っていただいたり。
そういうイベントの計画と準備に忙殺された年でした。
さて、実はおととい、いま話題の映画「ゴジラ-1.0」を観てきたんです。
北米で、これまでの日本映画での最大の興行収入を達成した「子猫物語」を抜いて歴代一位を獲得しましたし、映画評価サイトであるロッテントマトでの観客の評価も9.8と大変な高評価なわけです。
でも、僕は映画を見て大変失望いたしまして、点数で言うと40点だなぁと言う評点になったのです。
この映画に関して詳しく書き出すと、このメルマガで10回でも足りないくらいたくさん書かないといけないので、それはやりませんが、まぁとにかく失望させられた映画でありました。
FaceBookなどでは知り合いに「とにかくCGの質が低くて見ていられなかった」という部分だけを書いて40点の理由を説明していたのですが、それは本当は表面的な話でして、もう本当にいろいろな複雑な気持ちがあって、とてもじゃないですけども高い評点はあげられないんですね。
で、その複雑さをあえて整理して2点に絞ると、
●1.特攻を描くなら佐々木友次さんの話を描かないと話にならない。
●2.「ゴジラファン」は、日本の映画業界のガンになっている。
ということなんですね。
実は上記の2.と同様の話で、
●「マリオファン」はゲーム業界のガンになっている。
というのがあるんですけど、これはまた別の話なので、書きません。
というか2.のゴジラファンの話も話が長くなるので書きません。
今日書くのは1.の「佐々木友次」さんのことだけです。
佐々木友次さんというのが誰かというと、劇作家の鴻上尚史さんが書いたドキュメンタリー的書籍「不死身の特攻兵」の主人公であり実在の人物なんですね。
どういう人かと言うと、特攻に9回出撃して9回とも帰って来た人なんです。
この「不死身の特攻兵」の帯には、
「死ななくてもいいと思います。死ぬまで何度でも行って、爆弾を命中させます」
というセリフが書いてあって、「おお!」と思うわけです。
言ってることがまとも、まっとうだと思いませんか?
そもそも、戦闘機乗りというのは、空中から敵艦に爆弾投下をするという、かなり高度な作業をする「プロ」なわけです。育成に時間もかかりますし、本当に実戦の役に立つ人材にしようと思えば大変な練習期間が必要です。
ですから、そういう本当に「敵艦にダメージを与えられる人」を特攻で死なせるなんていうのは狂気の沙汰でしかないわけです。
しかも、特攻をすると飛行士だけでなく、貴重な貴重な戦闘機まで失うわけです。
だからもう、そもそも「特攻」という作戦を立案すること自体が狂気そのものなわけです。
で、その「狂気」に対して、正々堂々真正面から正論で「いや死なずに帰って、もっと敵を倒します」と主張して帰ってくるわけですから、軍部にとっては存在していること自体が困る隊員なわけです。超正論だもの。特攻の完全な絶対論破。特攻作戦、撃沈。轟沈。全否定。すべては軍部の失策。軍部消滅。責任追及。国民発狂。政府崩壊。そこまで行きます。でしょ?(ここ、超大事です。)
なので、そもそも特攻隊員は出撃が決まった段階で「戦死公報」が出されるので、死んだことにされて、存在してなかったことにされるんですね。
で、日本国内では「死んでお国を守ります」みたいな訳のわからないお涙ちょうだいで、この軍部の狂気が正当化されてしまっているわけです。
で、特攻というと、少なくとも「死んで英霊となって、お国を守ります」みたいなおかしな洗脳が日本国内に蔓延していて、実はその洗脳ドラマは戦後も死に絶えずに残っていくわけです。
だって、そりゃそうでしょ、自分の大切な家族が敵と戦って死んだのではなくて、軍部とか国の上層部によって、死ななくても良いのに殺されたわけですから納得できるはずもなく「死んで英霊となって、お国を守ります」みたいな、おかしな洗脳ドラマでも見てなきゃやっとられんわけですよ。せめてウソでもいいから「役に立ったんだ」とか思い込みたいわけです。無駄死にとか絶対に言われたくない。
これが日本の「反戦」とかをすごくいびつにしてるんですね。
でもね、現実は特攻で死んだ人は、はっきり「ムダ」なわけですよ。無駄死に。で、それを誰が命じたのか?と言えば、当時の軍部だし、政府なわけです。
だから、特攻隊員の家族の方々は、当時の戦争責任者を嬲り殺しにしても良いと僕は思ってます。ほんとうにひどいんですから。単なる死刑ですら軽すぎる。
でも、ゴジラ-1.0には、そういう話は出てこないんですね。
ただ、主人公は特攻で出撃したけれど、死ぬのが怖くなって「機体が故障した」と行って帰ってきた「臆病な兵士」ということになっているんです。
ここがね。うーん。って思うんですよ。
佐々木友次さんのような方だと、「特攻兵は無駄死にです。絶対に良くありません」と堂々と主張されると思うんだけど、実際に家族を特攻で亡くした人の気持ちを考えると、佐々木さんのようなまっとうな人を主人公には設定しにくいわけです。
「お前の家族は無駄死にだったんだ」という辛すぎる現実を突きつけなくちゃならなくなるので。
ここのところがね、日本の反戦映画をダメにしてると思うんですよ。
僕はもうこれはハッキリ「特攻は超ムダ死にでした」と明示しないと話が進まないと思うんです。
神木隆之介くんが演じるゴジラ-1.0の主人公の名前は「敷島」で、これは海軍の第一回特攻隊「神風特別攻撃隊」の部隊「敷島隊」の名前から取っているようですし、「隠蔽はこの国のお家芸だ」というセリフも出てきているので、ゴジラ-1.0の山崎貴監督はけっこう特攻隊の事も調べていて、もしかしたら、多少は「生きて帰った特攻兵」の佐々木さんのことも知っているのではないか?という気もするんです。
ただ仮に存在を知っていたとしても、それでもやっぱり佐々木友次さんのような人を主人公にはできないのかも、とも思うわけです。とくに映画はヒットしてなんぼですから、「死んでお国を守ります」を完全否定してしまうと、それこそ家族を国に殺された遺族および、そういうなだめすかしを受け入れている層が、発狂して映画を拒否してしまいかねないからです。
でもねぇ、これを完全否定しない限り、日本に本当の平和は来ないんですよ。だから、僕ならヒットしなくてもいいから佐々木友次さんのような人を主人公にするんですがねぇ。
うーん
まぁゴジラ-1.0を観た後で、不死身の特攻兵を読んだら受け入れられるのかもしれない、というのがわずかな救いですけどね。
他にも「40点」の理由は山盛りあるんですけど、とにかく「死んでお国を守ります」をやんわりソフトに否定する、という程度にしないと高評価が得られないのが現実だとは思うので、実はこの気に入らない部分は僕はあまり前に出して批判はしてなかったりするわけです。あー、実にはがゆい。
特攻なんて、本当に本当に「作戦」としてはまったく機能してないし、「作戦」とすら呼べない、国と軍部のプライドのためだけの失敗隠し以外の何物でもないんです。
ただただ、下級の兵隊が自分たちの国の人間の「失敗を認めたくない、謝りたくない」ということのためだけに殺された、という本当にとんでもない話なんですけど、ここがねぇ、直視されてないし、いまだに直視がしんどいという不幸。
僕はもう、ここははっきり描こうよと思うんですけどね。ここを直視しないと、原爆を落としたアメリカの側の罪も指摘できなくなっちゃんですが、うーん、これもまた別の話ですね。
ということで、僕が「ゴジラ-1.0は40点」と、低評価にしている理由のひとつがこれでした。
ということで、
●不死身の特攻兵 軍神はなぜ上官に反抗したか (講談社現代新書)
鴻上尚史 (著)
https://amzn.to/3GC8mbU
この本は超おすすめです。ぜひ読んでみてください。こういう人が日本にいたんだ、ということを本当に知ってほしいと思います。
ということで、今日のメルマガはここまで。
ではまた明日。
--------------[KID'S SIGNAL No.848 -了-]---------------
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