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「スマホ」の前に、「Palm」があった、ということを知ってる人はどのくらいいてるのでしょう。

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[KID'S SIGNAL] キッズシグナル●第1019号●2024年5月30日(木)
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読者さん、こんにちは。
今日は、僕があまりやらない、「昔懐かしい思い出話」をやってみたいと思います。

「思い出話」って嫌いなんですよね、実は。昔の知り合いと会った時とかに「あの頃こんな事があったよねー」とか言うやつ。
あれがどうも性に合わない。

それよりも「いま何してるの?」と聞く方が好き。

でも今日は、ちょっと昔を振り返ってみたい気分なのですね。なんでかな? ということについては、また後で。

で、書きたいことは、

●スマホの前にPalmがあった。

という話なんです。
Palm(パーム)というのは、本当に手帳サイズのPDA(Personal Digital Assistant)でして、一言で言うと「電子手帳」ですね。
日本ではシャープが出していた「ザウルス」というのがありましたが、あれは僕は一度も使ったことがないんです。
何度か触ったこともあるし、中古を買って試しに使ってた時期もあったかも知れない。でもとてもじゃないけど使える道具とは思えなかったんですね。

でも、Palmは「使える」道具でした。
そのあたり、当時のことを振り返っている記事があったので、リンク貼っときます。

●Palmが作り上げた“スマホのスタンダード”とは? スマホ誕生の影に、PDAという大いなる実験の舞台
https://kakakumag.com/pc-smartphone/?id=10873

で、なんでこのPalmに興味を持って使うようになったのか? ということなんですが、僕は基本的に仕事はPCでブラインドタッチ、スケジュール管理などは紙の手帳(バインダー手帳の草分け「システムダイアリー」がベースでした)という振り分けでした。

そもそも手帳をデジタルでやる、という発想は基本は持ってなかったんです。(ただし例外があって、スケジュールに関してだけはネットで共有してやっていくというのが定着するだろうなと思ってました。共有スケジュールというのはビジネスツールで必須になりましたわな、やっぱり。)

実際、身の回りで「ザウルス」を使っている人を見ても、あまり便利そうには思わなかった。どうしてもお遊びでやっているとしか感じなかったんです。

ところが!

あるIT系の仕事に関わった時に、その仕事のとりまとめをしている人というのが、それはそれは能力の高い人だったんですね。
打ち合わせをしていても、クライアントへの質問や確認の取り方が本質を突いていたし、仕事の割り振りも的確で判断も早かったんです。

その人が実はPalmを使ってたんです。

「え? どういうこと?」

と思いました。
なんせそもそも「ザウルス」等の電子手帳系を使っている人は無能とまでは言いませんけど、デジタル仕事に関してはかなり鈍い人が多かったからです。

だからデジタル系の仕事をしていて、しかもパソコンを持ち歩くのではなく、「電子手帳のようなもの」を使っていて、それをどうも真に実用的に使いこなしているらしい、というのが、僕的には不思議で不思議で仕方なかったわけです。

特に気になったのが、打ち合わせをしていて、メモを取る時も、その Palm でやっておられたことでした。
これがやたらとかっこ良かった。

それで一度だけ「そのデジタル手帳でメモっておられますけど、どうやってるんですか?」という質問をしたことがあるんですね。
そこでその方が教えてくださったのが、「Graffiti (グラフィティ)」でした。

これはアルファベットを簡単化した「一筆書き文字」で、これを電子手帳の小さなマス目に書きつけてやるだけでテキスト入力ができたんですね。

実際の「一筆書き」がどんなものだったかは、以下のウィキペディのページに掲載されているので見てください。

●グラフィティ (Palm)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%86%E3%82%A3_%28Palm%29

これがもう、本当に実用的だったんです。
このグラフィティを使って、ローマ字入力と予測変換すると、本当に驚くほど速く文字入力ができたんです。

ザウルスはひらかなと漢字で変換してたわけですけど、手帳にキーワードなどをメモする、というようなスタイルには向いてなかったと思う。

このグラフィティは、本当に画期的に便利でした。

でも、考えてみれば、いまのスマホなどで使われている「フリック入力」というのも、この「Graffiti (グラフィティ)」の設計思想と、基本的には同じじゃないか、と思うんですね。

ようは、「表示させたい文章の<取り出し記号>をすばやく入力させる」という考え方なわけです。

だから、「スマホの前にPalmがあった」ということを考えたくなったということなんですね。

ということで、話が長くなったので今日はここまで。
明日もまたPalmの話になるかもです。

ではでは、また明日。


--------------[KID'S SIGNAL No.1019 -了-]---------------


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