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「スマホの前に、Palmがあった」という話の続きです。
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[KID'S SIGNAL] キッズシグナル●第1020号●2024年5月31日(金)
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読者さん、こんにちは。
昨日お話した、「スマホの前に、palmがあった」という話の続きです。
palmという機種が登場したのは、1997年。そこから数年を経て、僕がpalmを導入したのは、palm市場が熟しきったようなタイミングの2002年の末か、2003年ごろでした。
賢く使いこなす人を見かけたから導入したとは言え、「失敗したらもったいないよね」と考えて、できるだけ安く中古品を買ったはずです。
そしたら、使ってみると想像以上に便利で、僕はかなりの衝撃を受けたんです。
で、ちょっとこのスマホが出るまでの「モバイル機器」の歴史について整理しておきます。
まず、一番最初は、意外にも、紙のリフィルを交換する「システム手帳」のブームがかなり大きかったと思われるんですね。
これが1980年代後半です。
で、そのシステム手帳ブームとともに、最初は「電子手帳」というものが人気を博します。
これは単純に言ってしまえば「電子住所録」として人気が出たんだと思います。手帳に挟み込むようなカタチの電子手帳も多かったわけです。
メモは紙。電話番号は電子手帳。という振り分けでしょう。
僕はこの頃は電子手帳というものは全然使ってませんでした。
そんなおかしなツールを使うより、電話番号を全部キチンとテキストファイルで整理して、使用頻度準に並べ替えて、ものすごく小さいフォントでシステム手帳のリフィルサイズにプリントすれば、その方が圧倒的に便利だと思っていたからです。
で、そのすぐあと、1989年には世界初のノートパソコンダイナブックが東芝から発売されます。でも、この時のノートパソコンの重量は3kg程度で、かなり重かったわけです。僕はNECの98シリーズのノートパソコンを買って出張などに持って出かけましたが、やはり重さだけはかなり困りものでした。
その後、1993年にアップルから世界初のPDA、「Newton」が発売されます。
そして、同じ年に「電子手帳」から進化した形の日本のシャープ製「ザウルス」が登場するわけです。
で、この時の僕は、この「Newton」も「ザウルス」も、おバカなマシンとして、まったく見向きもしていませんでした。
そもそも、キーボードでブラインドタッチができる人間としては、電子手帳とか、ニュートンとか、ザウルスとか、そういう「キーボード以外で文字を入力する方法」というものに、まったく信用性を感じなかったからです。
当時のザウルスにせよ、ニュートンにせよ、基本は「手書き認識でテキストを入力」という形でしたから、「手書きで書いた後にデジタルに変換する」わけでして、それは「絶対必ず手書きより遅い」入力装置になるわけです。
「それやったら紙に手書きで書いた方が早い」
ということにしかならなかったわけです。
ましてやブラインドタッチができる人間には、すでにノートパソコンが発売されていましたし、電子手帳やザウルス、ニュートンなどに魅力はまったく感じなかったんですね。
で、palm自体は、1997年(平成9年)に、「Pilot 1000」という初代機が出て、それ以降かなりの人気で普及していったわけですが、僕は2002年末ごろまでの4年間くらい、完全にpalmのことは無視し続けていたんです。
(というのは、この期間はモバイルギアという文字入力に最適なツールを使い続けていたからなのですが、それは別の話なので、またいずれ)
で、僕がpalmを使い始めた時には、すでにpalmという機種には、多くのアプリケーションソフトが、やまのように発表・発売されていた時期だったんです。ユーザーが必要とするツールやアプリが、すでにインターネットのネット上にあふれかえらんばかりに存在していました。
なので、palm 自身はスマホのように通信機能は持っていなかったものの、パソコンとpalmをケーブルで同期させる機能はすでに定着していましたし、ネットで必要なアプリを見つければ、自由自在にpalmに組み込むことができる状態だったわけです。
iPhoneが発売されたのが2007年でしたが、その5年ちかい前に、すでに「アップストア」と同じ環境が、palmには整っていたと言えるんですね。
なので、2007年にiPhoneが登場した時は、本当に、心底「携帯電話機能のついたpalmやんけ。完全にpalmや。パクリやでこれは」と思いました。
palmのムーブメントは、ほぼほぼ2005年にソニーがpalm対応機種であるclieシリーズから撤退したことで市場がシュリンクしてしまっていましたから、iPhoneが出た時はマジで「palmやないか。なんでソニーは無理してでも頑張ってこれに到達せんかったんや」と嘆きました。
ということで、2007年にiPhoneが登場するより3~4年前に、僕はすでにソニーのクリエシリーズというpalm機を使って、
●外付けキーボードをつないで原稿書き
●外付け通信アダプタをつないでインターネット閲覧と検索
●PDFファイルで資料読み
●内蔵カメラでちょっとしたメモ程度の写真撮影
●内蔵カメラで雑誌記事の切り抜き撮影
くらいは、クリエ(palm)でやっていたんですね。
ということで、当時の写真を少しお見せしましょう。
ファミレスや喫茶店では、クリエに折りたたみキーボードをつないで原稿書きをしてました。
https://hankai.chakin.com/company/kidssignal/img/palm_keyboard.jpg
この環境がかなり快適で、本当に良くファミレスで原稿を書いたものでした。
折りたたみキーボードもいまのスマホ程度のサイズだったし、それとクリエの二個を持ち歩いてました。
事務所に帰ったら、PCにつないだクレードルでデータを転送。
https://hankai.chakin.com/company/kidssignal/img/display_clie.jpg
クリエには外部SDカードスロットを取り付けるオプション品もあったので、クレードルを使わずにSDカード経由でPCにデータを取り込んだことも多かったです。
いや、本当にこの時期、Palm(クリエ)は良く使ってました。
なかなかに楽しい期間でした。
ということで、今日のメルマガはここまで。
ではまた明日。
--------------[KID'S SIGNAL No.1020 -了-]---------------