[1026号] ●バックナンバー一覧に戻る←前号へ次号へ→

「スマホの前に、palmがあった」の番外編です。ザッカーバーグとジョブズではこんなに違う、という話。

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
[KID'S SIGNAL] キッズシグナル●第1026号●2024年6月6日(木)
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

----------------------------------------
このメルマガは、

「メモ・ノート・手帳を使いこなすためのStationery Book 42」

をダウンロードくださった方を中心に、毎日発行でお届けしています。
「Stationery Book 42」の更新情報なども掲載しています。
それらの過去記事のまとめは、メルマガ本文のすぐあとにリンクを掲載しています。
----------------------------------------

読者さん、こんにちは。
「これで終わり」と言いつつ、今日もまた「スマホの前に、palmがあった」という話になってしまいます。

いや、というのも、昨日仮想ディスプレイのことをいろいろ調べていた関係で、Youtubeに関連情報がやたらと表示されるようになっちゃったんです。
で、基本は無視して、スルーしてたんですが、その中でけっこうビッグなニュースが取り上げられていて「なんじゃこりゃ!」とあわてて中を確認したものがあったんです。

それが、

●Meta社がMeta QuestのOSをオープン化し、サードパーティーでのゴーグル開発を許可した。

というものでした。

これ、ニュースとして簡単にまとめると、 2024年4月22日、Meta社が、Meta Quest用のOSを “Meta Horizon OS” と改称して、サードパーティーでの開発も開放することを発表し、“Meta Horizon OS”上でのMRデバイスの開発が可能になる、という話なわけです。

「おおおお、すごいニュースじゃないか!」と僕はあわてて、そのニュース動画を見たわけです。

これがどうすごいか? というと、たとえば「パソコン」のOSはWindowsが世界標準で覇権をにぎってます。そしてその次のデバイスである「スマホ」のOSはAndoroidが世界標準で、MicrosoftはWindowsをスマホに広げることに失敗しました。

で、僕は次は「仮想ディスプレイ(ゴーグル)」がかなりの可能性があると見ているわけですが、そこをMeta社(FaceBook)が取りに来た、ということだと思ってるわけです。成功するかどうかは別にして。
(仮想ディスプレイ・ゴーグルが市民権を得るかどうかには、超巨大矛盾点があるので、かなり難しいんですけど、その話は長くなりすぎるのでまた今度)

「これはちゃんと見なきゃ」

と思ってその動画を見たんですが、さすがにこれだけ重要な発表だから、Meta社の総帥である、マーク・ザッカーバーグ自身がプレゼンテーションをやってたわけです。発表と同時に、Microsoftのゲーム機であるXboxと、台湾のPCメーカーASUS、中国のPCメーカーLenoboが、このOSに参加するということも発表されたようで、なかなかに熱い展開。

でね。そんなに重要な発表なのに、この「ザッカーバーグのプレゼンテーション」で、ザッカーバーグ、手にピンマイクを持って話をしてるんですね。
なんじゃこりゃ? って思ってしまった。

プレゼンテーションにおいて手の動きなどの「ジェスチャー」というのは、人間の感情表現をサポートする重要なアピールポイントでして、このあたり、舞台の上で魅力的に発信をしていたスティーブ・ジョブズとの違いをあまりに大きく感じ取ってしまったんですね。

いやー、ピンマイクはあかんやろ。

いろいろ言いたいことはたくさんあるんですけど、スティーブ・ジョブズがMacを発表した時に、「キーボードは必要ありません」とやって、「マウスだけで充分です」と言い切ったこととか(のちにキーボードは標準品になったし、マウスはiPadの登場時に消え去りました)、iPadを発表した時に(当時はタブレットPCはペンが必須だったのに)「ペンは使いません。私たちは指一本で扱えるようにします」とやったこととか、(いまアップルペンシルあるよね?笑)
そういう「ケレン味」もないわけで。

いや、そもそもリモートでの出演だったしさぁ。まぁ時代が時代だからというのはあるにしても、あまりに地味。

なんだかなぁとおもってしまいましたね。

仮想空間を提供する、こういうヘッドセット・ゴーグル市場は、ずっといろんなところが製品をだしてはグズグズしていて、どこが覇権を握るでもなくモヤモヤと進んできたんですけど、MetaのMeta Quest 3 がMicrosoftが9年前に提案したMR(ミックスドリアリティー)をパススルー機能(外部の風景をカメラで取り込む機能)を高精度に実装するようになってから売り上げが伸びてきたようで、(そんなもん9年前から分かってたことやろ!と僕は思うんですが)、まぁジョブズ不在の市場がなかなか活気づかない典型みたいなもんだなぁと思います。

アップルも遅ればせながら Vision PROで参戦するみたいですけど、まぁジョブズはいてないしねぇ。頭抜けた結果には、なかなかたどり着かないかなぁ。

とまぁ、「先行者」と「改革者」の話はしましたけど、いま業界に必要なのは真にすぐれた「改革者」だと思うんですよねぇ。
そうでないと、もうずーっと「どんぐりの背比べ」を業界がやり続けることにしかならないから。

いやまぁ、そうやってチマチマ、コツコツ進んでいくのも、まぁ「社会の急変を起こさない」とか、良い点はたくさんあるから一概に悪いとは言い切れないわけですけども。

ま、「スマホの前にpalmがあった」の話のエピローグ的お話として聞いてくださいませ。

ということで今日のメルマガはここまで。
ではまた明日。


--------------[KID'S SIGNAL No.1026 -了-]---------------


[1026号] ●バックナンバー一覧に戻る←前号へ次号へ→