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これからのPC環境に「AI」は、必須のようです。僕なりに何が大事なのかのポイントを考えてみます。

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[KID'S SIGNAL] キッズシグナル●第1029号●2024年6月9日(日)
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読者さん、こんにちは。
今日は、すこし最新のニュースをベースに、これからの時代について考えてみたいと思います。

というのは、先日5月21日にMicrosoftから、新世代PCの考え方「Copilot+PC」というものが発表されたからです。

僕はもう、かなり前からブラウザは Microsoft の「Edge」を使っておりまして、けっこうこのブラウザが気に入ってるんですね。
で、このEdgeに搭載されているAI機能が、現在では「Copilot」という名称になっています。
つまり「Copilot+PC」というのは、本当にストレートに「AI標準装備のパソコン」と考えて問題ないと思います。

とくにこの「Copilot+PC」というのはAI専用の内蔵チップ「NPU」というものを装備していて、現在のEdgeに搭載されているCopilotのように、いちいちネット経由でCopilotの返答を聞くのではなくて、パソコン内に入っている「AIチップ」で返答してくれる、というものなんですね。

PC本体内で処理できるし、専用チップを使っているので、超高速に応答できるし、トンチンカンな返答もグッと減るということのようです。
しかも、ネット経由ではないので、ネット経由で個人情報が外部に漏洩する可能性がグンと低くなりますから、自分自身のプライベートな情報をPCに学習させて、より適切な回答をさせるようにすることも可能。

とくに話題になっているのが、「Recall(回顧)機能」。

自分がこれまでにPC上で行った作業をPCが覚えておいてくれて、ちょっとしたキーワードなどでその作業状態での情報を検索して返答してくれる、というものです。
ネット通販でさんざん商品を探し回っても、いちいちお気に入り登録しなくても「あの青い服でレースのついてたやつ」というような質問を投げかければその情報が表示される、というものです。

あと「すごいなぁ」と思ったのが「リアルタイム翻訳機能」でして、リモート会議を4か国をつないで行ったとしても、4か国の言葉をほぼリアルタイムで翻訳してテキスト表示してくれるようです。

このCopilot機能は、すでにWindows11の基礎機能として組み込まれているようで、各種のアプリケーションソフトベンダー等にもこのレイヤーは公開されて、たとえばアプリを使うに際して「こんなことがしたいんだけど」とマイクで話しかけると、「それなら、メニューのこの部分を開いて●●という機能を使ってみましょう。一緒に体験しますか?」という具合に返答してくれるようになっていくようです。

今後はアプリケーションソフトは、このAI対応機能が目玉機能になっていくんでしょう。

先日紹介した「MR(複合現実)ゴーグル」を使った仮想空間ディスプレイなどともあいまって、PC作業というものが、かなり「アベンジャーズのトニースタークチック」になっていくんだろうなぁと思うのです。
(意味が分からない方はマーベル映画を観てください。「アイアンマン」シリーズのアイアンマン開発シーンとか「スパイダーマンファーフロムホーム」のスパイダーマンスーツ開発シーンとかが良いです。)

で、このAI活用の流れ、というものがどうなっていくのだろうか? という点ですが、僕が思うに、「人の可能性拡大のハードルをグンと低くしてくれる」と思っているんですね。
これがかなり大きな要素だと思います。

もう少し具体的に言うと「苦手分野の克服が簡単」というようなコンセプトだと思います。

これは実際、いますでに、Microsoft Edge に搭載された Copilot の機能を使って、ブラインドタッチ練習ソフト「WEEK」の開発をしているのでリアルに感じられます。

もともと僕はプログラマーでもないし、プログラム作成スキルだって高くはありません。しかし、「こんなソフトなら良いのに」というアイディアとイメージだけは明確に持っているので、それがAIとのやり取りで簡単に実現していくのは実に楽しいです。

この話はまたしっかりしたいので、詳細は省きますが、やはりこの「苦手分野の克服」というのはけっこう人生の質は高めてくれるように思います。

で、もうひとつ思っているのが「プロにはAIはつねに役立たず」だろうなぁ、という話です。
今後はますます、本物のプロ、人間力のある良いサービスや、人間的な品質、より深い実感を漢字させてくれる体験や作品が超重要になっていくだろうな、ということです。

いちおう僕はライターですので、実感しているのですが、AIで書かせた文章というのが、それはもう面白くないんですね。
いや、ある程度のことはできてるし、プロレベルのところまで行ってるのは確かなんです。
でも、最後の最後、「人間ならでは」のサムシングエルスだけが、常に欠けている感じ、というのが、AIで作成されたコンテンツにはすごくするんですね。

なので、大きな方向性としては「AIが感性の部分で人間を超えるのは、まだ100年は無理」という気がしています。
いや、かなりプロっぽい作品とか、もうこのまま使えるじゃん! と感じさせるところまでは完全に到達しているとは思うのですが、どうも最後の「不気味の谷」だけは超えられない気がします。

ただし、この「不気味の谷」を感じ取れるのは、その分野に精通したプロだけ、という可能性はあります。
なんというか「この程度でいいのよ、この程度で」というようなものは、どんどんAIに置き換えられていくかなぁという気はしますねぇ。

ということで、とりあえずに「AI時代のPC」に関する僕の感想はそんなところです。

本日のメルマガはここまで。
ではまた明日。


--------------[KID'S SIGNAL No.1029 -了-]---------------


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