[1033号] ●バックナンバー一覧に戻る←前号へ次号へ→

突然ですが「移動する権利」というものについて、ちょっと語らせてくださいませ。

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
[KID'S SIGNAL] キッズシグナル●第1033号●2024年6月13日(木)
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

----------------------------------------
このメルマガは、

「メモ・ノート・手帳を使いこなすためのStationery Book 42」

をダウンロードくださった方を中心に、毎日発行でお届けしています。
「Stationery Book 42」の更新情報なども掲載しています。
それらの過去記事のまとめは、メルマガ本文のすぐあとにリンクを掲載しています。
----------------------------------------

読者さん、こんにちは。
今日は用事があって大阪まで出て行く日でした。

田舎に住んでいるいると、こうして少し遠出をするときに、どうしても車で移動しなければなりません。

もともと大阪で暮らしていましたから、その環境のギャップに当初は驚いたものです。

都会なら、交通網が整っているので、車など持っていなくても、誰でもどこにでも出かけることができます。

もちろん、駅やバス停までは歩かなければなりませんが、いったん交通網の中に入ってしまえば、乗り換え、乗り継ぎで大抵のところには出かけることができます。(ここまで接続性が良いのは日本独自の特性らしいですが。)

しかし、田舎に住んでいると、駅まで出かけるのが大変です。最寄り駅まで車で出かけるしかないという場合はとても多いのです。
いまや、バス網もそれほど整っていませんし、まず自分で運転できなければ遠出をすることも難しいでしょう。

うちの家で最寄り駅まで車で18分です。
駅までたどり着いたとしても、電車に乗り継ぐなら、車を駐車場に入れなければならず、当然駐車料金がかかります。

車だけで大阪まで出かけることも出来なくはないのですが、片道45分、往復で1時間半、本も読めなければ、ノートにメモすることもできないのはけっこう時間のロスを感じてしまうので、最近ではもっぱら車と鉄道の連絡技で出かけることが多いのです。

この、日常的な移動環境の違いが、都市部と田舎でずいぶんと異なると言うこと自体、僕は大きな問題だよなぁと思います。

近年では高齢になってからの運転は危いという事で、免許証の返納が増えてきています。僕の周りでも返納したと言う方を見かけるようになってきました。

しかし、車を持っていないとちょっとした日用品の買い出しにも困る田舎では、免許証の返納は生活の不便に直結するわけです。

車を運転するとても仲の良い友人がいるとか、子供や孫と一緒に住んでいるとかしないと、日用品を買い出しに出かけるのも不便だろうなと思います。

こんな具合に、交通環境の地域差がかなり大きくなったのは、なんと言っても国鉄を分割して地域ごとのJRに民営化してしまった事が一番大きいだろうと思います。

国鉄の民営化と言うのは、中曽根政権時代の政策なのですが、中曽根が日本に残したのは単なる不便だけだったのではないか? ろくでもないことをしただけの話なのではないか? と日々考えています。

こう言う時に考えなければならないのは、国民一人一人の「移動の自由」と言う権利問題だ、という事です。
本来、住んでいる地域によって、「移動する権利」に大きな格差があってはならない訳です。
しかし、国鉄のような公共機関を民営化した場合、発生するのはひたすら「不採算部門の撤退」ばかりになってしまう、という事なんですね。

僕が住んでいるのは奈良県なので、大阪にも近いし、奈良市の隣で医療などの施設も足を伸ばせばそれなりに使えます。

しかしこれが、北海道などの広い土地で移動手段が少なくなると病気になった時の対応も難しいなどの問題も出てくる訳です。

ですから、良く「民営化、民営化」と猫も杓子も民営化が良い事のように吹聴されますが、僕は「移動の権利」のような基本的な要件は国がキチンと保障するべき事だと考えるんですよ。それが整ってなかったら民間の事業もまともに発展しませんって。

だって、どんな商売をするにしても、日本全国の国民をお客さんにできる方が儲かる可能性は高い訳でしょ?
だったら、どこに住んでいても、どんなサービスでも移動して購入できるようにしないといけない。

当然だと思いませんか?

まぁ、中曾根は本当におかしな事をしたジジイだったとしか思えないです。

うーん、今日のメルマガはちょっと愚痴っぽくなったので、ここまでとしましょう。
ではでは、また明日。


--------------[KID'S SIGNAL No.1033 -了-]---------------


[1033号] ●バックナンバー一覧に戻る←前号へ次号へ→