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人間には本当に「想定外」の顔があるんですよ。そういう想定外の顔に出会った時に、びっくりしたりしないようにしたいものですね。
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[KID'S SIGNAL] キッズシグナル●第1039号●2024年6月19日(水)
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読者さん、こんにちは。
今日は予定が立て込んでいて、なおかつ予定外の出来事などがありまして、メルマガを書く時間がまったくありませんでした。こんな遅い時間の発行になってしまってすみません。
さて、今朝、自宅のバターケースのバターがなくなりまして、新しいバターを入れ替えしたんです。
なので、バターケースを洗ったんですね。
油がついているので、けっこう多めの洗剤を使わないといけません。
で、「けっこう多めの洗剤」ということで、ふと、ずいぶんと昔のことを思い出していました。
昔勤めていた会社で、「コーヒーを飲むためのコップ」を洗う当番、というのがあったんです。
当時、その会社では、コーヒーはインスタントだったと思うのですが、自由に飲めたんですが、コップは自前で用意することになっていて。で、そういうコップを毎朝洗う当番というのがあったわけです。
こんなもの、自分で洗えば良いというようなものですけど、仕事が忙しくなってくるとほったらかしになるし、洗わないまま置いてあると、すごく汚らしい。なので、毎朝当番を決めて洗うようになったわけです。
で、この当番というのが「二人一組」だったんですね。つねに誰かと一緒に洗うことになっていて。
しかも、組み合わせはつねに変わる仕組みでした。
(30人ほどの会社でしたが、どういう仕組みだったかは忘れました。そう簡単に同じ組み合わせにはなりにくいのです。)
で、ある日、僕が当番になりまして、ある女性社員(コピーライターです)の方と一緒にコップを洗うことになったわけです。
この女性社員さんというのが、一つ年上だったけど、大変な美人の方で、それはもう、僕より年上のデザイナーさんとかライターさんとか、みんな鼻の下を伸ばしているというか、まぁそういう人だったんですよ。
で、僕の方は社内でどういうポジションだったかというと、ライターにはめずらしく「機械もの」に強く、コンピューターとかも得意分野ということもあって、(会社にワープロを導入する旗振り役をやりましたし、ブラインドタッチもその時に覚えました)会社の中では「ヲタク」的な印象を持たれていたと思います。
で、多分、その美人さんにも、かなりの「ヲタク」と思われていたと思うんです。当時はシステム手帳が流行っていたような時期で、その美人さんから、「木田さん、こんな手帳知ってはります?」とシステムダイアリーの広告かチラシかを見せられた記憶があります。
・手帳が好き
・パソコンに詳しい
・ワープロ導入に気合入ってる
・けっこう「特撮もの」とかが好き
みたいなことで、偏見というと大げさですが、まぁその手の男と見られていたんだと思います。
で、その美人さんと洗い物を始めたわけですよ。
「こんな面倒なこと嫌ですよねー」とか話しかけられたと思うんですよ。で、僕はまぁ面倒だなぁとは思うものの、たかが洗い物ですし、ちゃっちゃっと片づければいいや、という感じだったんです。
で、先にその美人さんが洗い始めたわけですよ。スポンジに洗剤をつけて。
で、その時に、
「え? そんなにつけたら多すぎですよ!」
と、言っちゃったんですよね、僕。
いや、それはね、驚くほどの量の洗剤を、スポンジにダボダボかけてらしたんですよ。
なので、僕も驚いてしまって、つい声が出てしまったわけで。
そしたら、その美人さんも
「え? ええええ?」
とすごく驚いてらして。
多分、あんまり炊事とかされない方だったんでしょうねぇ。
でもって、僕のことも「家事なんか全然しないオタク」と思い込んでおられたんだと思うんです。
だから、僕が「皿やコップをそれなりに洗える」という想定すらされてなかったようなんです。
いやー、皿洗いくらい、普通に暮らしてたらやるでしょ? それに僕は大学時代、半年程度でしたけど一人暮らしもしてましたしねぇ。
なので、その洗剤の付け方の多さに驚いたのと同時に、美人さんは僕に基本的な生活スキルがあること自体に驚かれたわけです。
で、なおかつ僕は自分がそういう「ヲタク=生活スキルナッシング」と見られていたことに、これまた二重に驚いたわけです。
もうね、多分二人両方ともに「偏見」のひどさにビックリしあっていたんじゃないかと思うんですよ。
僕は美人さんだから、女性として基本的な生活スキルくらいはあって当然と思っていたからです。
なんというか、単に「コップ洗い」という簡単な作業を共同でやっただけで、自分たちの個性の全然異なる「相」に遭遇してしまったわけです。
もうね、その時本当に数分間、なんだか妙に気まずい雰囲気になってしまいました。
僕はね、この出来事を、本当によく思い出すんですね。
●人には仕事とはまったく違った顔がある。
その当たり前の事実を思い出すのにちょうどよいエピソードだからなのかもしれません。
人と人とのつながりは、実はものすごく細い糸でつながっているだけなのだろうと思うのです。
特に仕事を通じた人間関係は本当に「仕事だけ」のつながりです。
その後ろに想像もつかない「想定外」の個性が生き生きと脈打っているんだ、ということを意識していれば、たぶんこういう出来事があっても「びっくり」したり「驚いたり」することはないと思うんですね。
●人間をステレオタイプで見ないこと。
というのは、よく言われることです。
でも、それを本当に実践するのは、そう簡単でもないと思います。
日々、人の内面の深さ・広さを、できるだけイメージできたら良いな、と思います。
ということで、今日のメルマガはここまで。
ではではまた明日。
--------------[KID'S SIGNAL No.1039 -了-]---------------