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ポインティングデバイス、「ねずみ」と「板」に共通する「欠陥部分」について話します。

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[KID'S SIGNAL] キッズシグナル●第1048号●2024年6月28日(金)
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読者さん、こんにちは。
さて、今日もマウスカーソルを移動させるための「ポインティングデバイス」について語ります。

なんか一回か二回程度で終わらせるつもりだったんですが、いざ誰にでも分かるように書こうとしたら、ものすごく手間のかかる作業になってしまって、自分で連載の長さに驚いてしまっております。

で、今日は「マウス」と、「トラックパッド」というノートパソコンのいまや標準のポインティングデバイスに成り上がった道具の「どうしようもない欠陥部分」について書きたいと思います。

数日前のメルマガに書きましたが、昔、パソコンが大流行した時期は、広告だとかマンガだとかで、良く、

●初めてパソコンに使った人がマウスを持って、「机の端が足りません!どうしましょ」と困る。

という図式が、本当に良く見られました。
で、

「いや、そういう時は、マウスを浮かせて、元に戻して、そこからまた移動させればいいんだよ」

とかの説明を「パソコンの操作をよく知っている人」が教える、というようなことが頻発していたわけです。

この動作のことを、これ以降

●浮かしマウス

と呼ぶことにしますが、この「浮かしマウス」という操作方法、果たして本当に「机の端が足りない」問題の解決策になっているのでしょうか? 僕はまずそこを問いたいわけです。

マウスを使っている人をよく見ると、まるで机にマウスを叩きつけるかのごとく、この「浮かしマウス」操作をすごいスピードで繰り返している人を見たりします。

でも、あの操作というのは、本当に、単にマウスカーソルを、画面の端から端まで移動させたい、というためだけにやっているんですよね。

●マウスカーソルを移動させる

ためだけなら、別に「浮かしマウス」でも良いのですが、仮にお絵描きソフトで、長い手書きの自由曲線を描いている途中だったとしたら、これはもうどうしようもなくなります。

マウスを浮かせて机に接地させるたびに、描いていた線の動きが中断してカクカクした線にしかならないわけです。
マウスだと、そもそも、ゆったりとしたフリーハンドの曲線、のようなものが描けないんです。

で、これはノートパソコンに付いているオマケ機能の「板」、「トラックパッド」でも同じことなんですね。
トラックパッドの場合は、あの「板」の大きさより長い直線は永遠に描けないわけです。

「板」と「ねずみ」であれば、実はわずかにネズミの方がマシでして、トラックパッドはあの板の大きさ以上の線は描けないんですが、マウスの場合は、マウスを動かす空間を最初から大きく取っておけば、この問題は解決します。
単純な話、ディスプレイの端から端までと同じ程度の距離をかせげる空間があるなら、マウスを使っていても「浮かしマウス」は発生しません。まぁ、かなりの広さの空間が机上に必要になるので、あまり現実的な解決策とは言えないのですが、まぁ解決策がないわけではないわけです。

しかしトラックパッドの方は、もう完全にこの「不具合」は解消のしようがないわけです。
だからもう、僕としては「解決不能の問題がある」という時点で「欠陥商品」「不良品」と見なしてしまいたくなるわけです。

その点、「赤ポッチ」で有名なスティックタイプのポインティングデバイス、「トラックポイント」なら、スティックを倒したままにしておけば、マウスカーソルは永遠に(画面の端にぶつかるまで)、ずっと移動し続けてくれるわけです。

「赤ポッチ」は「ネズミ」や「板」とは、そもそも、根本的な仕様そのものが、まったく異なっている、ということなんですね。

極端な話をすれば、畳数枚分のディスプレイがあったとしても、「赤ポッチ」のトラックポイントなら、人差し指の軽い押し倒し状態で、画面の端から端まで自由に移動できますし、途中の小さなアイコンもスティックをゆっくり動かすことで、押し間違うことなく、確実に押せる精密さも実現します。

で、ここまで便利な操作を、トラックポイントの場合は、キーボードを手に持って、ソファに寝っ転がってでも操作できるわけです。

もちろん、マウスでも、マウスを移動させるための空間が新聞紙の半分程度の広さがあれば、大画面操作は「赤ポッチ」と同じようにできるかもしれませんが、さすがに「寝っ転がって」の操作はできないでしょう。

ポインティングデバイスの進化は、この後、ノートパソコンではなくiPadを代表とする「タブレット」が登場して、「タッチパネル」が随時導入されていくわけですが、このタッチパネルは、あくまで「腕が届く範囲まで」しか役に立たないんですね。

それこそいま書いたように、畳何枚もあるようなディスプレイだと、数メートルは距離を離さないと閲覧することすら無理です。ですから、そういう大画面ディスプレイにおいてはタッチパネルも役立たずなんですね。

しかし赤ポッチの「トラックポイント」なら、マウスカーソルは人差し指の軽い「押し倒し」だけで、画面の端から端まで移動できるので、そういう問題も軽々クリアできるわけです。

「畳何枚分ものディスプレイ」なんて、単なる机上の空論だろ、と言われる方もおられるかもしれませんが、株のトレーダーなどを職業としている人などは、ディスプレイを何枚も用意して、複数画面を常に見比べて取引しているなんて普通ですし、その手の職業の人だと、ディスプレイを4枚5枚と上下左右に並べて仕事をしている人もザラにいてるわけです。

こういう場合は、キーボードの「デスクトップの切り替え操作」で、簡単なキー操作でディスプレイを変更するというやり方もあるんですが、まぁ画面を全部連続した一枚画像にしておいて、トラックポイントでササッと移動する方が、おそらくはラクだろうと思われます。

ということで、スティックタイプのトラックポイントは、かなり完成された「ポインティングデバイス」で、この利便性を上回るポインティングデバイスを、いまだに見たことがありません。

そして、「浮かしマウス」操作をしなければ使えない、という制限がある限り、僕にとっては、「マウス」も「トラックパッド」も、どうしようもない「欠陥商品」にしか見えないということなんです。

とまぁ、こういう事を説明したかっただけなんですけどね。
長々と時間がかかりました。

まだもう少し追加説明したいこともあるんですけど、それはまたいずれ。
ということで、今日はここまで。
ではまた明日。


--------------[KID'S SIGNAL No.1048 -了-]---------------


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