[1056号] ●バックナンバー一覧に戻る|←前号へ|次号へ→
20年来の友人がパソコンの業務効率に全然、まったく無頓着だった理由を聞いてのけぞった話。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
[KID'S SIGNAL] キッズシグナル●第1056号●2024年7月6日(金)
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
----------------------------------------
このメルマガは、
「メモ・ノート・手帳を使いこなすためのStationery Book 42」
をダウンロードくださった方を中心に、毎日発行でお届けしています。
「Stationery Book 42」の更新情報なども掲載しています。
それらの過去記事のまとめは、メルマガ本文のすぐあとにリンクを掲載しています。
----------------------------------------
読者さん、こんにちは。
昨日は、僕と友人のライターが同じ会社に勤めていた時の話をしました。
僕がローマ字入力のブラインドタッチを3日足らずで習得して、その友人に、
「君でも1週間くらいで覚えられると思う」
と伝えたら、本当に一週間で身に付いた、という話でした。
多分、10日前後だったと思います。
この時すでにタイピング練習ソフト「WEEK」の骨格となる学習メソッドがおぼろげながら頭にイメージとしてあったので、その彼には毎日、状況に応じた助言を与えていたと思うんです。
「そのキーの練習をするより、こっちを先に練習した方がいいよ」とか、
「そういう練習は後回しにして、こっちを先にやり」とか。
本当に一言二言でしたが、そこはけっこう重要なポイントを伝えていたように思います。
そんなこんなで、僕は、その会社には半年ほどしかいなかったのですが、彼は数年後に別の会社に転職し、まぁ友人としていろいろと連絡を取り合っていたのです。
で、それからまたたくまに20年が過ぎ。
僕はフリーランスのコピーライターとして独立自営となり、彼は企業勤めのコピーライターとして中間管理職になっていました。
で、彼もそのごいくつかの会社を転々としながらも、ずっとコピーライターだったし、おそらくはブラインドタッチも大きく役に立っていたはずです。
そんなこんながあって、彼が新しい会社に移った時に、会社でPCを買ってもらえるという話があって、僕はトータルに見てWindowsマシンを購入してもらうのが良いよと伝えたわけです。
得意先に官公庁も多いようだったし、その他もろもろ考えても得意先からワードやパワポのデータを受け取って整理をすることも多いだろうから、そこで戸惑わずに済む「一般的なマシン」が良いと伝えたわけです。
(その他もろもろいろいろな条件も勘案しての話なのですが、話が細かすぎるので割愛)
でも、結局彼はAppleのMacintoshを買ったんですね。
僕としては、
「ああー、なんでやねん」
と思いました。彼はもともとPCのテクノロジーに強いわけでもないし、周りに詳しい人が多いWindowsの方が教えてもらいやすいのだから、そうした方が安全だったのにとかなり憂慮してたわけです。(あまり彼が得意でないIT系の企業に入ったからです。)
とは言え、それは彼の選択だから仕方ないし、それはそれということで忘れていたわけです。
で、またしばらくぶりに会った時に、
「もうさぁ、忙しすぎてデスクトップがアイコンでいっぱいやねん。あれってどうやったら片付くの」
という話題を振ってきたわけです。なので、僕は言いました。
「そら、Windowsで言うならエクスプローラみたいなアプリで整理せなアカンで。Macやったら何やったっけ? ファインダーか?」
と、言ったんですけど、いやちょっと待て。ブラインドタッチを教えてから何年経ってんねん! と愕然としたわけです。
「ちょっと待って? あなたファイル整理ソフトというジャンルのアプリの存在を知らないわけ?」
と確認しました。
「え? 何それ?」
「知らんの? え? 何? そしたら仕事のファイルとかどうやって整理してんの?
「いや、だからぁ、デスクトップに置いてて、どれがどこにあるか分からんようになってるから、どうしたものかって聞いてるんやんか」
とおっしゃる。
ええええええええー! というショックが走りました。なんと彼は20年にも渡って、ファイルをフォルダ別に分けて整理する、というPCでの標準的な整理方法について、まったく何も、一切知らなかったんです。
Macを使っていてもニコちゃんアイコンのファインダーの役割も何も知らないままだったんですね。
「いやいやいや、いやいやいや、だからWindowsにしろって言うたやろ。まだWindowsなら周りの同僚の若い子らが賢い整理の方法とか知ってて、教えてもらえたりしてたはずやで。聞けばすぐに答えてもらえたやろう。君、いま会社の中で社長と君だけがMacなんやろ? そら誰も何も教えてくれへんで」と、あまりの状況に僕の方があわててしまったのです。
(周りの若い子に教えてもらえるからという話もさんざん伝えてあったのですが。)
で、ちょっと思い立って、ものすごく本質的なことを聞いてみたんです。
「あのさ、ちょっと聞くけど、そもそもなんでWindowsにせずにMacにしたん?」
「え? いやそれは、やっぱりクリエイティブなことするならMacやろうと思って」
「ん? クリエイティブってどういうこと? 映像を作るとか画像処理や音楽データを扱うってこと?」
「いや、そうやなくて、やっぱりデスクトップでアイコンでファイルを移動するとかやな、そういう感じの部分やん」
この答えを聞いて、もう僕は本当に信じられなかったわけです。
彼に取って「クリエイティブ」というのはファイルをアイコンとしてデスクトップで移動させたりすることだったわけです。
そりゃまぁ、まさに実際に机の上にファイルを置くような感覚でデジタルデータを取り扱えるのは分かりやすくはあります。
でも、そういう分かりやすさが「クリエイティブ」と言われると「いやそれは違う」と言うしかないわけです。
アイコンのデザインを考えたり、初心者に分かりやすい操作体系を生み出したりすることは、確かにクリエイティブです。
でも、その分かりやすくて見た目がカッコいい操作体系でPC活用をすることがクリエイティブか?と言われたら、それは「アホ・バカ向けに作られたインターフェースで分かりやすく表示している」というだけのことですから、別にクリエイティブなことをしているのでもなんでもないわけです。
うーん、頭が痛い。
このあたり、前にも書きましたけど、
●「説明書を読まなくても使える」のは良いことだが、「説明書がないのが良いことだ」は本末転倒だ。
というのと同じことなわけです。
彼はファインダーで手軽にファイル名やファイル日付で並べ替えたり、複数ファイルを一覧表でパパパっと選んでフォルダにしまいこんでしまう、というような、ごく一般的な「効率的整理方法」を一切知らないまま、20年もずっと「デスクトップが片付かない」という同じ面倒さの中をさまよい続けていたわけです。
まぁ一緒に働いていれば、「いや、そういう時はこれを使えばええのよ」と教えてあげられたんでしょうけど、それは無理な話ですからな。
まぁ世の中そういうようなことなんだなぁと思ったということです。
ということで、今日はほぼ雑談でした。
ではでは。また明日。
--------------[KID'S SIGNAL No.1056 -了-]---------------