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「ブラインドタッチ練習」で、「入力スピード」を判定基準に選んでいることは、根本から完全に間違っているので、そのことについて書いておきます。

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[KID'S SIGNAL] キッズシグナル●第1058号●2024年7月8日(月)
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読者さん、こんにちは。
昨日は、「文字の入力スピード」について考えさせてもらいました。

このテーマにおいて重要なのは、

●自分が考える速度より速く打てても意味がない。
(というか、考えていないことを入力できるはずがない)

という部分が一番重要なんですね。
「文字を打つ」というのは、ネットにおいては、「言葉をしゃべる」というのと同等なので、まず大切なのは、

●自分の考えている速度と同程度のスピードで打てれば良い。

ということなんです。

これと同時に考えておかないといけないのは、

●打っている最中の文字をずっとディスプレイで見続ける

ということなんですね。
いま自分が考えている文字列が画面に出てきているな、ということを、画面で見ながら確認しないといけない。
これが実は「考える」ということそのものなわけです。

●自分の考えが言葉として現れて、それを客観的に読める。

ということが大切なわけです。
ところが、ブラインドタッチではない人は、

●文字を打つことと、文字を読むことが分離している

わけです。だから、

●素早く打って、素早く読む

を繰り返さないと、そもそも文章が書けないわけです。
だからブラインドタッチではない人は「入力スピードが大事」と思い込んでるんですね。

いやいや、完全なブラインドタッチなら、

●思っただけで画面に文字が出る状態なんですよ。

と本当に言いたい。そういう状態でないなら、それは何度もキーボードとディスプレイの見直しを繰り返さなければならなくなるから、そりゃしんどいし、打つのと読むのを切り替えるために「早く打たなきゃ」となるのも当然です。
つまり、

●ブラインドタッチじゃないから、入力スピードの速さが必要になる。

ということであって、

●×(まちがい)入力スピードを上げていったらブラインドタッチになる

という考え方は根本から完全に間違っているわけです。
でも、世間に流通している「タイピング練習ソフト」って、おどろくほど「入力スピード」を競わせるのが多いんですね。

いや、違うって。
急いで打って、打ち間違いをして、その打ち間違いがクセになったら逆効果!
ダメですよ、そんな練習してたら。

それどころか、

●いきなり単語が画面に出されるので、キーボードを見て文字位置を確認しないと打てない

というような仕様のゲームタイプの練習ソフトがこれまた異様に多い。
こういう練習をしてたら、

●キーボードを見るクセをわざわざ体に染み込ませているようなもの

なわけです。
こんな練習をしていたら、そりゃブラインドタッチになれないのは当たり前だし、何年も練習してるのに、いつまでたってもブラインドタッチになれないってなるのも当たり前なわけです。

「じゃあどうすりゃいいのさ!キーボード見ないと打てないじゃん!」

という人もいるかもしれないのでハッキリ言っておきたいのですが、

●ブラインドタッチを身につけたいなら、練習の最初から卒業するまで、一回たりともキーボードを見てはいけません。

というのが答えです。

キーボードは「一切見ない」から「ブラインドタッチ」なんですよ。
この「ブラインド」という言葉は、そういう意味なわけです。

だから、そもそも「タッチタイピング」と言ってる人は、おそらく、

●一切キーボードを見ないなんてできない。だから「ブラインドタッチ」という名称はおかしい。

という感覚があるんだと思うんです。

僕は一切キーボードを見ずに入力できるので、「タッチタイピング」という名称が気持ち悪くてしょうがないわけです。

●なんで「一切見ない」という意味の「ブラインド」という言葉を省くのだ?

と気持ち悪くてしょうがない。

●一切キーボードを見ないから「ブラインド」なんだぜ?

と思うし、

●なんやねん「タッチタイプ」っちゅう言い方は。気持ち悪い。

と思うわけです。

ここのところ、多分世間では全然理解されていないと、最近やっと分かってきたんです。
世間的には、

●7割くらいキーボードを見なくても打てるから、まぁほぼ「ブラインドタッチ」というかタッチタイパーよね、私。

というのが世間の通り相場なんじゃないかと思います。

なので、「キーボードを見ないで打てますか?」と聞かれると、

●(7割くらい見てないから)打てます。

という返事になって、

●(ときどきチラ見はするけど、ほとんど見ないで打てるから「ブラインド」じゃないけど)タッチタイピングですよね。完璧ですよ。

と妙な自信で答えるような人が増えてきてるんだと思います。

なので、いま世の中では、「キーボードを見ずに打てる人」がものすごくたくさんになってるわけですけど、その実、

●完全にキーボードを一切見ずに打てる人

は、ほとんどいてないだろうと思います。まぁ「打てる」と言ってる人10人中、一人もいてないと思います。まぁ100人に二人から四人だと思う。

で、この妙な自信を持って「打てる」と言い切ってしまえる判断がどこから来ているのかと言うと、

●だって私の入力スピードは速いもん!

という「入力スピード」を根拠にしているわけです。

これはもう実に不毛な判定基準です。そんなところにパソコン活用の「気持ちよさ」とか「効率性」とか「革新性」とかは全然ないわけです。

なんでかというと「見ながら打ち」というのは頭の中をムダな短期記憶でいっぱいにするだけで、何も「自分の考え」を練りこむ時間を作ってないからです。

ブラインドタッチではないのに入力スピードだけ速い、という人は、入力時間の大半を、キーボードとディスプレイの目の往復と、自分の書いた文章から目を離してしまったがゆえに「自分の書こうしている文章を覚えておく」という余分な行為に脳のポテンシャルのほとんどを使っているわけだから、これほどもったいないことはないわけです。

でも、この本質に全然気づいてないんですよね。猛烈に急いでタイピングをしているから。

でも本当に「ブラインドタッチ」ができる人は、「猛烈に急ぐ」なんてことはしません。そんなムダなことはないわけですから。
一切キーボードを見ずに文章が打てるようになれば、思った言葉が自動的に画面に表れてくる感覚になるので、「急ぐ」ということ自体をしませんから。

「この言い回しで良いかな? どうかな?」と考える方が優先しますから。

こういう本質的な違いがあるのだ、ということを、少し書きたかったのですね。
やはり世間では「タッチタイピングの実力はタイピング速度とリンクしている」という都市伝説が幅を利かせているので。

ということで、今日のメルマガはここまで。

ではまた明日。


--------------[KID'S SIGNAL No.1058 -了-]---------------


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