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「欧米人にはブラインドタッチは必要ない」ということをご存知でしたか? 逆に日本人にはブラインドタッチは本当に必要な技能なんです。いや、ほとんど誰も身に付けてないですけど。

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ [KID'S SIGNAL] キッズシグナル●第1081号●2024年7月31日(水) _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ ---------------------------------------- このメルマガは、 「メモ・ノート・手帳を使いこなすためのStationery Book 42」 をダウンロードくださった方を中心に、毎日発行でお届けしています。 「Stationery Book 42」の更新情報なども掲載しています。 それらの過去記事のまとめは、メルマガ本文のすぐあとにリンクを掲載しています。 ---------------------------------------- %ATTR0%さん、こんにちは。 昨日から、世間一般に流通している「ブラインドタッチ練習」のさまざまな「間違った常識」について語りました。 ブラインドタッチに関する間違った常識というのは、ほんとうにたくさんあるんですが、その中でも僕が一番気にしている「タッチタイピング」という呼び名の心理的問題点を昨日は深く語りました。 今日はもう一点、 ●日本人だからこそ大きく勘違いされている問題点 について話しておきたいと思います。 それは、 ●日本人が日本語を扱う限り、キーボードはブラインドタッチで入力しないと非効率だ ということです。 この話はものすごく重要なのですが、もともと「パソコン」というものが欧米の文化をベースに発展してきたし、パソコンの文字入力装置が「キーボード」であるがゆえに、パソコン関係の方法論は、つねに欧米の後追いで、日本独自の視点が欠けているので、もうずっとキチンと語られないまま何十年も「非効率的なやり方」が定着してしまっているんですね。 もともとパソコンで日本語を扱う限り、 ●かな漢字変換 という作業は不可欠なんですね。なので、文章を書いている途中で漢字変換をすることはどうしても必要になってきます。 で、 この日本語には「同音異義語」というものが、これまたものすごくたくさんあるわけです。 同じ「コウエン」という音で単語を入力しても、 公園/講演/公演/後援/好演/口演/紅炎/口縁/高遠 なとなど、実に数多くの漢語の言葉が出てくるわけです。 これらの同音異義語は、画面で正解のものを選ぶしか他に方法はありません。 まぁ最近は予測変換の機能がかなり向上したので、長文をどんどん打って行けば、だんだん正解の漢字に修正されていく、というような機能も付いてきたようですが、それでも最終的には目視で確認をしないと、間違った漢字になることは多々あるわけです。 ですから、こういう漢字変換の結果の確認と、キーボードでの「音の入力」という二つの作業を同時にやろうとしたら、キーボードとディスプレイの間を何度も何度も、何度も何度も、首を上下に動かして視線移動をしなければならなくなります。 この面倒くさい視線移動をしないで済むようにするには、ブラインドタッチを習得する以外に方法はないんですね。 でも、 ●ブラインドタッチの習得には何年もかかる という思い込みがあるせいで、効率の悪い「見て打ち」をして、「首を振りまくりの視線移動」をほとんどの人が日々くりかえしている、といことなんです。 では、欧米の人たちはどうか? というと、彼らには漢字変換というステップ自体がないんですね。 だから、実は彼らも日本人と同じように、 ●キーボードを打つ時はキーボードを見て、文章内容を確認する時はディスプレイを見る という日本人と同じ行為を行っているわけです。 ただし、彼らのこの「見て打ち」は、日本人ほど頻繁ではないのです。 おおむね、「一文単位」で行われている程度です。 どういうことかと言うと、英文の場合はキーボードを見ながらアルファベットを打つと、その自分がイメージしたアルファベットの並びが、そのイメージのまま画面に並んでいるわけです。 だから欧米人は、キーボードを見ながら打っても、画面には自分が思い描いた文章がちゃんと打ち込まれているから、画面を見るのは本当に単なる確認程度でしかないわけです。 ですから、漢字変換→同音異義語の選択というステップが存在しない欧米文化の中では、「ブラインドタッチ」というものはほとんど必要ないのです。 欧米では、ブラインドタッチという技能は、純粋に、 ●「上司が下書きしたメールの仕上げを行う秘書業務のための特殊技能」 でしかありません。紙の下書きとキーボードと画面の三点移動が必要になった時にはじめて、「キーボードを見るステップを排除する」必要が出てくるわけです。 こういう背景があるので、日本にタイピングが輸入されてきた時も、あくまで秘書業務の特殊技能としてしか認識されていなかったわけです。 しかし日本では、ごく普通のビジネスマンが、ごく普通にメールで仕事の報告をする時にでもブラインドタッチはできた方がうんと仕事は楽になるわけです。 この ●日本人は、漢字変換の同音異義語選択のためにブラインドタッチの習得が必須である。 ということを言ってる人も、まぁほとんど見かけません。 そもそも「完全ブラインドタッチャー」自体がほとんどいませんから、こういう事を考える人自体がいてないんだろうなと思います。 でも、タイピング練習ソフトでほぼほぼ7時間以下の練習でブラインドタッチは身に付くのだから、真剣に考えても圧倒的にお得なはずなんですよね。 こういうことがけっこうはがゆいんですよねぇ。 ま、今日の話は日本人だからこその注意点でした。 今日のメルマガはここまで。 ではまた明日。 --------------[KID'S SIGNAL No.1081 -了-]---------------

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