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iPad mini は「読書端末」として最上。でもメモを取るなら、やっぱり紙です。
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[KID'S SIGNAL] キッズシグナル●第1136号●2024年9月26日(木)
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読者さん、こんにちは。
ということで、iPad mini の手書きメモの良さについて、いろいろ書いてきました。
他にも良い点がいろいろあって、本当はもっといろいろ紹介したいんです。
iPad mini のメモアプリを触っていると、「これはすぐれているなぁ」と思うばかりなんですけど、それでもやっぱり、メモを取るなら「紙に手書き」だなぁと、改めて実感するしかないわけでした。
というのも、iPad mini でメモを取っていると、手書きメモでも自動的にテキスト認識してくれるようになってきてますから、メモをどんどんため込んでいって、後から検索する、ということも夢ではなくなってきているからなんですね。
昔からPC等の手書き機能があると、「これを自動的にテキストに変換してくれればなぁ」というのは想像していて、Microsoft の Surface が出たあたりで、テキストの自動認識が出始めて、「よしいずれは!」といきおいこんだ記憶があります。
なので、iPad mini の完成度の高さを見ると、「これでノートを取ろう」と思う人が増えるのは当然だと思うわけです。
昨日も書きましたけど、「手書きでメモする」というのは、同じ文字量を「書く」のに、テキスト入力や音声入力より「うんと遅い」という特質があるので、
●何を書くべきか、メモする内容をしっかり吟味して
●より抽象的、あるいは具体的なワードに再統合・要約・展開して
●自分専用にカスタマイズされたフォント「手書き文字」で書く
という「記銘効果」が高いわけです。
同じメモを取るなら、キーボードで文字入力するより、手書きで書きこみをした方が、頭にしっかりと残ります。
しかも、メモを取る時に高度に自分なりの「要約」を入れているので、入ってきた情報を自分なりの解釈を終えた状態でメモされるので、メモを取った後に「活かす」部分で、より豊かな発想にも近づけられるわけです。
なので、iPad mini で取る「手書きメモ」は、手書きの「記銘効果」と、テキスト変換による「検索機能」で、紙のメモより効果が高いはず、という話になるわけです。
でしょ?
僕は、iPad mini を、まずは読書端末として使うつもりで購入して、で、「機能性が良ければ普段使いのノートとして活用しても良いかも」と期待もしていたわけです。
で、実際、想像以上に iPad mini は完成していたと思ったわけです。
でも、なんです。
いざ、ノートとして使うとしたら、どうやって使うべきなのか? を考えていたら、
●紙に手書きでメモをしたら、それはその時、瞬時にプリントアウトしたのと同じである。
という超重要事項から、意識が離れることができなくなってしまったわけです。
ちょうど最近A4コピー用紙を使っていろいろと、「掲示」をしていたので、「紙のメモ」の、
●書いたら即座に「掲示できる」
という特性を、ものすごく素晴らしく感じてきていたわけです。
iPad mini の手書きノートだと、これができません。
というか、これをやろうとしたら、つねにプリントアウトを前提にしないといけなくなるわけです。
長年、「デジタル機器で情報整理を一括して行うこと」にチャレンジし続けてきたわけですけど、究極、最後の最後は、この「掲示に手間がかかる」という一点で、デジタル化をやめてきてるわけです。
もう、これは本質的な差異ですので、埋められない溝でしょう。
●書いて即掲示する
ということを普段からやっていると、頭の意識の負担がものすごく減るんです。
書いて貼ったとたんに、もう、そのことは忘れてよいんです。で、思い出したかったら、紙を見るだけです。
やっぱり、これが強力なんだよなぁと思います。
iPad mini はサイズ感も本当にノートくらいの大きさだし、手書きの「記銘効果」も備えているし、それに加えて、
・メモの書き直し(レイアウトなどを調整する)
・書き溜めたメモを検索する
というデジタルならではの優位性もあるわけです。
そこも充分分かってはいるんですけれど、デジタル機器特有の、
・メモが本体内に死蔵される
という危険があまりに高いよなぁと、いう部分が、やはりどうしても払拭できませんでした。
本当にね、長年デジタル機器でメモを取り続けてきましたけど、デジタルでメモした内容は、ものすごく忘れやすくて、メモを取った意味がなくなってしまう、ということが多いんです。多すぎる。
で、デジタルの優位性として、
●書き溜めた情報も、すぐに検索して呼び出せる
ということを言う人もすごく多いんですけど、前から「これはウソだよなぁ」と思ってるんですね。
というのは、「後からいくらでも検索できる」なんて考えると、そもそも「覚えなく」なっちゃうんです。
だから検索機能があるメモなんて、「覚えないためにメモを取る」というスタンスになるので、そもそも「メモを取って頭に入れる」という目的と逆方向になってるんですね。
そもそも「検索できる」というのは「忘れても良い」ということなので「覚える努力をしない」ということになってしまうわけです。
なので、昔から「タグ」による情報分類、というもの自体を僕は信用してなくて、この「タグによる分類」を大前提にしている Evernote を、すごくバカにしてるんですよ。
情報管理に Evernote を推してる人がいてると、「あ、こいつアホや」というヒドイ偏見まで持っていたりします。(ものすごい偏見ですな。申し訳ない。)
とにかく、紙にメモする、ということは、
●書いた途端にプリントアウトされている(掲示できる)
●形のない「情報」という存在が、書いた途端に一枚の紙という「実体」を持つ
という、この2点で、どうしてもメモ取りは紙でないと意味がないと思ってしまうわけです。
iPad mini ノートとしても、かなり完成度高いんやけどなぁ。うーん。使えんかなぁ。
ということで、今日のメルマガはここまで。
ではまた明日。
--------------[KID'S SIGNAL No.1136-了-]---------------