[1174号] ●バックナンバー一覧に戻る←前号へ次号へ→

「面倒だから身に付く」という、あまり本当の事を言うと嫌われる内容の話を、今日は書きます。

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
[KID'S SIGNAL] キッズシグナル●第1174号●2024年11月3日(日)
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

----------------------------------------
このメルマガは、

「メモ・ノート・手帳を使いこなすためのStationery Book 42」

をダウンロードくださった方を中心に、毎日発行でお届けしています。
「Stationery Book 42」の更新情報なども掲載しています。
それらの過去記事のまとめは、メルマガ本文のすぐあとにリンクを掲載しています。
----------------------------------------

読者さん、こんにちは。
今日はちょっと読書についての話を、また少し書きたいと思います。

最近では毎週図書館に出かけている、という話を先日書きました。
また何冊も並行して読んでいる、という事もお知らせしたと思います。

なので、今日紹介する書籍は「良い書籍だな」とは思うものの、まだ読了していない書籍なのです。
読了していない書籍を紹介するのは、僕の本意ではないのですが、あまりに並行して読んでいる本が増えると、一冊を読了するタイミングが読めなくなってしまうので、内容的に良い部分があったら、即紹介しよう、というスタンスで、今回は行きたいと思います。

紹介するのは、

●読書は1冊のノートにまとめなさい[完全版] 単行本(ソフトカバー) - 2013/11/29 -
奥野 宣之 (著) ダイヤモンド社
https://amzn.to/4fwkvi4

という本でして、すでに発刊から11年経ってます。こういう書籍には図書館とかでないとなかなか出会えないのかな? とも思いました。

この奥野 宣之さんと言う方の書籍は、何冊か読んでまして、ノート術の本などを何冊も出しておられます。
基本的主張は「とにかくなんでも1冊にまとめなさい」という「綴じノート」の「時系列で保管されるシーケンシャル配列の良さ」を徹底して活用しよう、という考えの方なんですね。

この「綴じノートを時間順で書いていく」というのは、大変人間の記憶感覚に一致しやすいので、僕も利用している方です。
ただ、僕の場合は、「バインダーノート」という本来シーケンシャルではないノートをシーケンシャル的に使うというやり方なので、この奥野 宣之さんの考え方にとてもシンパシーは感じつつも、あまりしっかりとは読んでこなかったんですね。

で、今回たまたま図書館で「読書」に関する話をまとめたこの本を見つけたので読んでみたら、かなり良い事が書いてあったんです。

で、「ああ、これこれ。これが大事なんだよなぁ」と思ったのが、読書の内容をいかに身に付けるのか? という問題提起のもと、読書ノートをいちいち手書きでやりなさい、と書いてあることなんです。

しかも、その理由が、

●面倒だからこそ身に付く

ということまで、言っておられるわけです。

「そのとーり!」

と、僕は思わず叫びたくなりました。

これ、ほんとうに大事だと思っています。
少しこのテーマからは外れるかも知れないのですが、僕はネットストレージが各種ある中でも、「Evernote」だけは全然積極的に使いたいと思ったことがなくて、逆に「Eviernote」を使っている人は、あまり情報整理について分かってない人たちばかりなんだろう、と思っていたりするんですね。

これがなぜかと言うと、「Eviernote」は、最近はやりの「タグ」付けによって、データを管理しようとしているからなんです。
カード一枚であっても、そこに「#読書ノウハウ」「#奥野 宣之」「#情報整理」などと複数の「タグ」をつけて管理すれば、一枚の情報カードを複数のフォルダなどにコピーを取って入れ込んだのと同じ結果になるから、とても便利だ、という考え方なんですね。

僕はこれは全然だめだと思ってるわけです。
なんでかと言うと、コツコツと同じキーワードのフォルダを繰り返し使って「フォルダ名を覚える」という手間をかけていないからです。
データを保管する時に、あまり真剣に考えずに、思いついたキーワードを複数とりあえずつけて、それでEvernoteにほおりこんでおけば、後から検索する時に複数タグのどれかにつながるから引き出しやすい、というようなことなんですね。

でも、僕は

「こんな分類名を考える手間を惜しんでたら、分類名自体を忘れてしまって、後から検索できなくなっちゃうじゃないか」

としか思わないわけです。

まず最初にデータを保管するためのフォルダ名は、かなり真剣にどのような議題をとりまとめるのかをしっかり検討して、身長に命名しないと、そもそも覚えることができない、という話なわけです。

この「分類項目を付けるのに、真剣に、汎用性まで考えて、しっかり命名する」ということをやらなかったら、これはもう絶対データが「死にデータ」になることははっきりしているからです。
もう、これ、何回も何回も失敗しているからです。

その場の思いつきでテキトーな「分類名」を複数つけてしまったが最後、そのデータは「分類名自体」を忘れてしまって、二度と取り出すことができません。
しかも! このトラブルで問題なのは、「あ、確か、このような内容のデータがあったはずだ」と思い出したときにそのデータの内容ははっきり覚えているのに、どんな分類名で保存したのかを思い出せないという特質があるわけです。

あるのは分かってるんだけど、どこにあるのかが分からないということにむちゃくちゃなりやすいんですね。
こういうバカなことをやってはいけません。

データを保管する時に、思いつきの名前をテキトーにいくつもつけて、それで大丈夫だ、という「簡単な手法がありますよ」というのは、この手の話の「よくある、それらしいウソ」の典型的なもので、こういう机上で考えられただけの屁理屈に乗せられたら、ほんとうに大変なことになります。
半年とか一年とかデータをためて、それで「あ、これじゃ取り出せないじゃないか!」となって、後悔するなんて、考えただけでゾっとします。

こういう分類整理というのは、新調に考えて作った決定版のひとつの分類項目を繰り返し繰り返し「使い慣れた分類項目」として活用して、その使い慣れた分類項目の中に、また長く使える「細目の分類項目」を作っていくわけです。そして、自分自身で「分類項目の階層構造」を組み立てていかないと、情報整理なんてできないはずです。

この「あとから取り出しやすくするには面倒な手間をかけた方が頭に染み込みやすい」ということを度外視して、それらしい理屈で「合理的なように見える」方法を提案している「活用法」は、百害あって一理なしというものだと思っているのです。

ということで、この書籍の「面倒だからこそ身に付く」というのは、ほんとうに本当の真実なので、ちょっと紹介したくなりました。
この「面倒だからこそ身に付く」というのは、かなり大切なことなので、いつも意識しておくと良いと思います。

ということで、今日のメルマガはここまで。
ではまた明日。


--------------[KID'S SIGNAL No.1174 -了- ]---------------


[1174号] ●バックナンバー一覧に戻る←前号へ次号へ→