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キーボード入力は音声入力に「置き換えて」も良いのではないか? という勘違いをご存知ですか?
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[KID'S SIGNAL] キッズシグナル●第1195号●2024年11月24日(日)
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読者さん、こんにちは。
先日、Youtube を見ていたら、パソコン関連のけっこうアクセス数の多いユーチューバーさんが、近年の音声入力の正確さを評価して、
「これだけ正確にテキスト化できるのなら、もう文字入力はキーボードではなく、音声入力に統一したらいいんじゃないか?」
というような感想を述べておられたんですね。
で、それを見て僕の感想としては、
「ああ、また出た。底の浅い『置き換え』発想だ」
と、ものすごく冷めた目で見てしまったんです。
テキスト入力の話になると、ほんとうに良く、この
●置き換え発想
が出てくるんですね。いちばん多いのがやはり音声入力で、音声入力は近年では変換効率が飛躍的に高まったので、
●高い変換効率
●速い入力スピード
という、ブラインドタッチなどのテキスト入力を上回るような性能を達成していて、その正確性と入力スピードの速さを鑑みて、「もうタイピングなんて不要だ」と感じる人が出てくる、ということなんですね。
で、確かに音声は正確にテキストに起してくれるし、入力スピードもキーボードから入力するより速いのだから、今後はもう音声入力だけでいいと考えてしまうのも仕方ないのかな? とは思うんですね。
でも実際にブラインドタッチもできて、音声入力で原稿を書いてみたりもしている僕からすれば、
●今後もブラインドタッチの必要性は無くなることはないし、音声入力に「置き換わる」ことは絶対にない
と断言できてしまうものなんです。
で、これは別に難しい話をしているわけではなくて、
●「両方使える」方が圧倒的に利便性が高いので、「置き換える」必要はない。
という話なわけです。
この手の話は、注意してもらいたいんですが、たいていの場合、
●ブラインドタッチができない人のコンプレックスからの発言
だという事を頭に入れて欲しいわけです。
この「ブラインドタッチができない人のコンプレックス」というのは、ほんとうにやっかいでして、たとえば、
[間違い1]タイピング習得には、何年も時間がかかる。
[間違い2]ずっと練習を続ければ、いずれ完璧になる。
[間違い3]いまより早く入力すれば、もっと快適になる。
[間違い4]タイピングゲームなら楽しみながら継続練習できる。
[間違い5]ホームポジションは徐々に身に着ければ良い。
[間違い6]「ブラインドタッチ」は差別的呼び名。「タッチタイピング」と呼ぶべき。
というような、数々の「完全なブラインドタッチとはどういうものか」を知らないがゆえの、完全に誤った認識になってしまう数々の例の中の一つだろうと思うわけです。
完全なブラインドタッチを知らないまま発言してる人が、ほんとうに多いので、この部分はくどいくらいに注意してもらいたいと思います。
おそらく、「置き換え」を口にする人は、たいていちゃんとしたブラインドタッチのできない人と考えて間違いないと思います
で、上記の1~6に関しては、何度も書いていると思いますし、また改めて書くこともあるかと思いますが、今回はこれに加えて、
●[間違い7]技術が進化すれば、いずれ音声入力に置き換わる。
という勘違いについて、解説しておきたいと思います。
この「置き換わるから必要ない」という意見のとても大きい部分に「タイピング習得には何年もの時間がかかる」という勘違いが大きく影を落としているわけです。
たいてい「置き換え」を口にする人は、
●音声入力が進化したら、タイピング練習はしなくて良くなるのでは?
という大前提の完全間違いをしてるわけです。
いやいや、完全なブラインドタッチの習得は総練習時間7時間程度だから。ちゃんと練習したら丸一日で身に付くのよ。別にわざわざタイピングを否定するような「置き換え」を考えなくてもいいんじゃない?
ということが、まず最初に大きな間違いとして存在してるわけです。
完全なブラインドタッチができる僕としては、音声入力とブラインドタッチは「うまく使い分けるべき技術」なので、これは両方存在していて、両方を使いこなせるほうが絶対に便利と分かっているので、いまや「置き換え」という発想自体が出てこないわけです。
旅行に出かけるのに、電車ルートと、車ルートがあって、それぞれに行き方が全く違うというのと似たようなものです。
どっちも便利だし、用途・目的で使い分けを考えるべき項目だろうなと思います。
このあたりは、完全なブラインドタッチができる人の、おそらくは共通認識になっていると思います。
で、「置き換え」を言う人の頭の中には、この「タイピング否定」と同時に
●テキスト入力自体は絶対に必要
という確信もあるわけです。
あるからこそ、「置き換え」という言葉が出てくるんですね。
「テキスト入力は絶対に必要だけど、私はブラインドタッチができないし、練習にはすごく時間がかかる。だから、音声入力がブラインドタッチの代わりになって練習しなくて良くなればすごく良くないですか?」
という意見なわけです。
でも、事実としては、「練習に時間はかからないし、用途が違うから両方できた方が絶対に便利だよ」という話でしかないわけなんですね。
もちろん、数時間の練習がイヤならやらなくても良いし、キーボードの入力自体はキーボードを見ながらポツポツと打つやり方でも、手書き文字で紙に文を書くよりうんと早いので、ブラインドタッチができなくても、現実問題としてはさほど大きな痛手になるわけでもありません。
なので、ほんとうにブラインドタッチは覚えたい人だけが覚えれば良いというだけのスキルなんですけど、でも、
●ものすごく簡単に覚えられて、メリットはとんでもなく大きい
のだから、「習得した方が絶対にお得だ」、と言う風には思います。
で、音声入力とブラインドタッチがどう違っていて、どう使い分ければいいのか? というと、大きくは、
●音声入力は「文章全体の一気入力」
●ブラインドタッチは「文章を手直ししながら」の練りこみ入力
という違いがあります。
これはもう、何度も音声入力でこのメルマガを書いてみたりしてきて、ほぼ実感として確信、確定していることなので、使い分けのもっとも重要な点だろうと思っています。
が、ちょっと話が長くなってきたので、今日のところはここまでにしておきます。
ではでは、また明日。
--------------[KID'S SIGNAL No.1195 -了- ]---------------